The BirdCLEF 2023 Challenge:鳥の鳴き声を分類して生態系保存活動に役立てるkaggleコンペ(1/2)

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1.The BirdCLEF 2023 Challenge:鳥の鳴き声を分類して生態系保存活動に役立てるkaggleコンペ(1/2)まとめ

・機械学習のおかげで鳥類研究者は、現地調査の代わりに、鳥の鳴き声を録音して遠隔で生態系を分析可能になった
・しかし既存のMLモデルは、鳥類の種の多様性や鳥の鳴き声の重なりの困難さから熱帯生態系のデータ処理に苦戦
・この問題に取り組むため、Googleは過去3年間、影響力の大きい生態系に焦点を当ててKaggleでML競技会を開催

2.BirdCLEF 2023 Challengeとは?

以下、ai.googleblog.comより「The BirdCLEF 2023 Challenge: Pushing the frontiers of biodiversity monitoring」の意訳です。元記事の投稿は2023年3月9日、Tom Dentonさんによる投稿です。

アイキャッチ画像はchatGPT先生に相談して作成したプロンプトに手を加えてカスタムStable Diffusion先生に作って貰ったイラスト

世界の鳥類の個体数は驚くべきスピードで減少しており、現存する鳥類の約48%が個体数の減少を経験していることがわかっている、または考えられています。例えば、米国とカナダでは、1970年以降、鳥類が29%減少していると報告されています。

鳥類の個体数を効果的にモニタリングすることは、保全を促進する解決策を開発するために不可欠です。モニタリングによって、研究者は特定の鳥類集団の問題の深刻さをよりよく理解し、既存の介入策が有効かどうかを評価することができます。

モニタリングの規模を拡大するため、鳥類研究者は、受動的音響モニタリングシステムによって、現地調査の代わりに、鳥の鳴き声を録音して遠隔で生態系を分析するようになりました。研究者は、遠隔録音装置で何千時間もの音声を収集し、機械学習(ML:Machine Learning)技術を使用してデータを処理することができます。これはエキサイティングな進展ではありますが、既存のMLモデルは、鳥類の種の多様性や鳥の鳴き声の重なりから、熱帯生態系の音声データを処理するのに苦労しています

現実の世界でモデルの品質を理解するためには、注釈付きオーディオデータが必要です。しかし、高品質の注釈付きデータセット、特に生物多様性の高い地域の注釈付きデータセットを作成することは、高価で面倒な作業となり、1時間の音声に注釈を付けるために、専門アナリストの時間を数十時間必要とすることもあります。

さらに、既存の注釈付きデータセットは希少で、アメリカのサプサッカーウッズ(Sapsucker Woods )やペルーの熱帯雨林のような狭い地域のみをカバーしています。世界にはまだ何千ものユニークな生態系があり、その分析が必要なのです。

この問題に取り組むため、私たちは過去3年間、影響力の大きい生態系に焦点を当てた専門組織と連携して、KaggleでML競技会を開催しています。各競技会では、参加者は生態系に特化したデータセットから音を取り出し、音によって鳥類を正確に識別できるMLモデルを構築することに挑戦します。優秀な作品は、限られた学習データで信頼性の高い分類器を作成することができます。昨年は、世界で最も絶滅の危機に瀕しているハワイの鳥類に焦点を当てた競技会を開催しました。

2023年BirdCLEF ML大会

今年は「The Cornell Lab of Ornithology’s K. Lisa Yang Center for Conservation Bioacoustics」と「NATURAL STATE」と提携し、ケニアの鳥に焦点を当てた2023 BirdCLEF ML大会を開催しました。賞金総額は50,000ドル、応募締切は2023年5月17日、最終提出締切は2023年5月24日です。使用するデータセット、タイムライン、ルールなどの詳細情報は、kaggleのコンペサイトをご覧ください。

ケニアには、マサイ・マラのサバンナからカカメガの熱帯雨林、さらにはキリマンジャロやケニア山の高山地帯まで、幅広い生態系をカバーする1,000種を超える鳥類が生息しています。この膨大な数の種をMLで追跡することは、特に多くの種で利用可能なトレーニングデータが最小限であるため、困難です。

NATURAL STATEは、ケニア北部の試験エリアで、様々な管理体制や劣化状態が放牧地における鳥類の生物多様性に及ぼす影響を検証するために活動しています。

このコンペの設定条件下で開発されたMLアルゴリズムを使用することで、NATURAL STATEは、修復プロジェクトの成功と費用対効果を測定する上で、このアプローチの有効性を実証することができるようになります。

さらに、生物多様性への回復努力の影響をコスト効率よく監視する能力により、NATURAL STATEは、多くの人々が依存するこの景観の回復と保護に必要な投資を誘導する、最初の生物多様性に焦点を当てた金融メカニズムの一部をテストし構築することができます。これらのツールは、プロジェクト地域を超えて費用対効果の高い形で規模を拡大し、地球を大規模に修復・保護するというビジョンを達成するために必要です。

3.The BirdCLEF 2023 Challenge:鳥の鳴き声を分類して生態系保存活動に役立てるkaggleコンペ(1/2)関連リンク

1)ai.googleblog.com
The BirdCLEF 2023 Challenge: Pushing the frontiers of biodiversity monitoring

2)www.kaggle.com
BirdCLEF 2023
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