人間と共存可能なAIとオートメーションの未来をデザインする(2/2)

入門/解説

1.人間と共存可能なAIとオートメーションの未来をデザインする(2/2)まとめ

・不用意な自動化の導入は企業文化や人間関係を破壊してしまう
・技術の力と人類のユニークな特性を理解すれば、それぞれを増幅するシステムを構築できる
・最高の自動化(Chronosの削減)と最高の人間性(Kariosの増加)を共に強化する事が理想

2.企業文化とオートメーション

以下、medium.comより「Collaborators, Not Colonizers: Designing a Future for AI & Automation That We Can Live With」の意訳です。「人間に受け入れられる穏やかな自動化システムの設計5原則」は三部作のパート3で、本稿はパート1にあたる記事の2/2です。パート1の1/2はこちら

その一方、私の父は仕事を続けるために、テレビ技術の自動化に対応しなければなりませんでした。仕事の1つは、国際的なテレビ会社のためにテレビ局を自動化することでした。

私は、学校の休暇中に父の職場を訪れた時に見たポスターを決して忘れる事ができません。局の至る所に張ってありました。「火災発生時は30秒でこの場所は無酸素状態になります」その会社は、従業員の命よりその部屋に存在するテクノロジーを大切にしていました。

その後の数年間、私は父が火事でオフィスに閉じ込められ、窒息する前に脱出しようともがいている悪夢を見てうなされました。

最終的に、父を最も傷つけたのはコンピュータによる様々な自動化ではありませんでした。私の母と同じように、私の父が担っていた多くの役割は結局のところ、彼の同僚の多くを退職に追い込んだ自動化された新システムに取り込まれ、父の役割はときどき新システムをチェックするだけになりました。

社員の多くが去ったので、企業文化も変わりました。誰もが社交することなく、父はしばしば休憩時間にオフィスビルをさまよい、他の落胆した同僚と語り合いました。彼らが同僚と社会的な時間を費やせたのは、自販機の前と喫煙所だけでした。

時がたつにつれて、私の父は局の自動化に従事するようになりました。しかし、全ての自動化プロセスが完了したら、父自身も解雇されるでしょう。最終的に会社は父に、従業員を解雇して彼らの職を自動化する事を求めました。父が長期にわたって共に働いてきた従業員とその家族を解雇することを拒否したとき、父は職責の重圧に耐えられない人間と見なされ解雇されました。

組織内の人々は、独自の感覚、共通な言い回し、ユーモア、物語を共有しています。そして、その感覚は職場に不可欠なKariosな時をもたらし、労働者の部族的な大家族的な感覚の共有に繋がるのです。その文化を取り去ることは、自動化で仕事を失わない人々にとっても壊滅的な結果をもたらします。

企業文化を維持しながらオートメーションを追加する

私はAIのベビーシッターではなく、AIと対等に一緒に仕事をすることができると信じています。そして、私達は既存の文化を損なう事なくそれを行うことができるのです。

オートメーションは個人の力を増幅させる事もできます。私がかつて働いていたある会社では、管理職達は信じられないほど高給で、組織横断的に全体に責任を負っていました。管理職は、同社の自動化されたソフトウェアの複雑なインターフェースに慣れていました。

彼らは自動化システムに人間の顔を与えたため、従業員は巨大なデータベースと格闘するのではなく、人に話かけるように自動化システムを使う事ができました。

管理職は尊敬され、フレンドリーな執事のようでした。管理職には雇用保障があり、彼らは会社に忠実でした。彼らは高額な給与を受け取っていたため、採用プロセスも厳しいものでした。彼らは非常に長い期間(管理職は平均15-20年間働いていました)、会社に在職し、管理職の求人コストの削減に貢献しました。

彼ら管理職は社風を熟知した歴史家であり、自動化されたデータベースよりも早く新人教育が出来るため、会社の成長と共に一貫してその人数が維持されていました。世界中のオフィスにこの管理職の輪があり、会社は現実世界にソーシャルネットワークを持っていたのです。

技術の力と人類のユニークな特性を理解すれば、それぞれを増幅するシステムを構築することができます。私たちがどのシステムを自動化し、どのシステムを人間用に保つかを注意深く検討すれば、最高の自動化(Chronosの削減)と最高の人間性(Kariosの増加)を共に強化するアプローチを設計できます。

私は次の2つの記事でそれについて議論するつもりです。

3.人間と共存可能なAIとオートメーションの未来をデザインする(2/2)関連リンク

1)medium.com
Collaborators, Not Colonizers: Designing a Future for AI & Automation That We Can Live With

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