人間と共存可能なAIとオートメーションの未来をデザインする(1/2)

入門/解説

1.人間と共存可能なAIとオートメーションの未来をデザインする(1/2)まとめ

・ギリシア人は時間を表現する2つの言葉を持っていた。ChronosとKarios
・Chronos:スケジュールされた会議の時間など、私たちの「目覚まし時計」の時間
・Karios:時間外の時間。日没を見てる時間、家族と語り合う時間、恋に落ちる時間

2.植民地入植者ではなく、共同作業者として

以下、medium.comより「Collaborators, Not Colonizers: Designing a Future for AI & Automation That We Can Live With」の意訳です。「人間に受け入れられる穏やかな自動化システムの設計5原則」は三部作のパート3で、本稿はパート1にあたる記事の1/2です。パート1の2/2はこちら

人工知能とオートメーションは、私たちの生活や仕事の仕方をどのように変えていくのでしょうか?通常、テクノロジーが私達に約束する事の一つは、私たちをより人間的なものにして、私たちの人生の孤独を取り除き、私たちにもっと自由な時間を与えてくれることでした。

ギリシア人は時間を表現する2つの言葉を持っていました。

Chronos(産業時間):スケジュールされた会議の時間など、私たちの「目覚まし時計」の時間
Karios(他のタイプの時間):時間外の時間を描写しています。日没を見てる時間、家族と語り合う時間、恋に落ちる時間

どれだけ沢山の技術がChronosを私たちに強制し、どれだけ沢山のKariosをもっと多く与えてくれるのでしょうか?

より少ない時間ではなく、より多くの時間を得るために製品を設計する方法はありますか?文化的な生活のための時間を減らすのではなく増やすにはどのようにしたら良いでしょう?これは私が30年前から考えてきた話題です。私は私の家族がオートメーションの影響を最初に経験するのを見ていたためです。

オートメーションの個人的なコスト

私の母親は80年代にユタ州ソルトレークシティのテレビ局でマスターコントロールオペレーターとして仕事をしていました。彼女は物理的なテープを扱い、各テレビ番組のリールを物理的に切断し、スライスし、コマーシャルをリアルタイムで挿入し、テレビ番組を支障なく放映する責任がありました。彼女の編集はスピーディーに行う必要がありました。時には、映像がTVに放映されるまでの数秒間でコマーシャルを番組に追加することもありました。

当初、彼女がこのような難しい作業をこなす事ができると思わない人が沢山いました。そう思われた原因の1つは、彼女がそのキャリアをフロントのデスクワーカーから始めた事にもありました。しかし、彼女の同僚が彼女にどんな仕事に興味があるか聞いた際、彼女はマスターコントロールに興味があると述べたのです。

それは局で最も高給な仕事の一つでした。まず、彼女は複雑なテストに合格しなければなりませんでした。しかし、経営陣はマスターコントロールに適正があると思われる候補者を既に決めていました。

経営陣は候補者をコロラド州デンバーの本社に出張させましたが、彼はエンジニアリングテストに2度失敗しました。母は同じテストのために一人で独学し、局が交通費を出してくれなかったので自腹でデンバーまで運転してテストを受験しました。彼女は一発合格し、会社の掲示板に結果を掲示し、新しい肩書、マスターコントロールオペレーター(素晴らしい!)を勝ち取ったのです。

私の母は同じ局でブロードキャストエンジニアリングをしていた私の父と出会い、3年後、結婚しました。彼女は私を育てるために休暇を取りましたが、10年後に職場に戻ったとき、彼女の仕事はもはや無くなっていました。それは自動化されていたのです。

私は彼女が仕事に復帰した最初の日の事を覚えています。彼女は仕事に復帰した興奮ではなく、酷く落胆していました。彼女は彼女の全ての役割は現在プログラムによって行われていたと私に言いました。彼女にはもはや編集作業をするための椅子さえも部屋の中にありませんでした。

彼女の仕事は、コンピュータを監視する事になりました。放送施設のコンピュータを介して自動化プロセスを監視するのです。監視対象は、彼女がかつて行っていた仕事を行うコンピュータでした。

私の母の他に4人の従業員が自動化プロセスを監視していました。コンピュータを見ているコンピュータ、コンピュータを見ているコンピュータを見ている人、またその人たちを監視する人がいました。しかし、彼らは別々の場所にいるため、彼女は彼らと話すことができませんでした。

そのため、かつての社会的な仕事は、孤立した、反社会的なプロセスに縮小されました。彼女がかつて愛していた局の文化は消えさり、理由なしに他の従業員とおしゃべりする事もできませんでした。彼女は彼女に与えられた部屋に閉じこもるようになり、そしてうつ状態になり、やがて退職しました。

3.人間と共存可能なAIとオートメーションの未来をデザインする(1/2)関連リンク

1)medium.com
Collaborators, Not Colonizers: Designing a Future for AI & Automation That We Can Live With

コメント

タイトルとURLをコピーしました