Googleを巨大にした友情(4/9)

Googleを巨大にした友情(4/9)

1.Googleを巨大にした友情(4/9)まとめ

・芸術や科学の世界でもペアが偉大なアイディアの基礎となった例は多い
・二つの脳が同時に袋小路に陥ってしまう事は滅多になくお互いを補う
・過去35年間のノーベル生理学・医学賞の約半分が科学者のペア

2.二人組が有効な理由

以下、www.newyorker.comより「The Friendship That Made Google Huge」の意訳です。元記事の投稿は2018年12月3日、James Somersさんによる投稿です。前回記事を読んでいてJeffがSanjayを頻繁に訪れるようになった理由の一つにアイスクリーム屋さんの存在があったのではないかと思いました。

社会学者のMichael P. Farrellは、2001年の著書「Collaborative Circles: Friendship Dynamics and Creative Work」の中で、フランスの印象派の画家達の研究を行いました。印象派が生きていた時代は心理学者として有名なジークムント・フロイトと同時代で、彼らは親密で創造的なグループでした。

「新しいビジョンの基礎となった繊細で壊れやすい洞察のほとんどは、大きなグループが集まった時に発生したのではありません。個々人が単独で働いていた時でもありません。2人がペアで協力しお互いに影響しあったときに発生しました。」と彼は書いています。

1869年の夏にモネとルノワールが共に働き、後の印象派となるスタイルを発展させました。キュービズムを生み出した6年間のコラボレーションの間、パブロ・ピカソとジォルジュ・ブラックはしばしば彼らが描いた絵の裏側だけに署名し、どちらがその絵を完成させたかをあいまいにしました。「私たち二人がそれが完成したと感じるまでキャンバスは完成しませんでした」とピカソは後に語っています。

ジョシュア・ウルフ・シェンクは著書「Powers of Two: Finding the Essence of Innovation in Creative Pairs」の中で、1971年にビートルズにインタビューした際に、ジョン・レノンが彼またはポール・マッカートニーのどちらかが「I read the news today(略注:ビートルズの「A Day In The Life」の有名な出だしです)」などの「良い歌詞を書く」と説明したことを引用しています。

「1人だけでは、もう一人が到着するまで立ち往生するでしょう。」そして、レノンは続けました。「私が半分まで歌を作ると、ポールがそれにインスパイアされて残りの部分を書くのです。その逆の場合もありました。」誰もが創造的な作業で落とし穴に陥る事がありますが、2人のペアが同時になる事はめったにありません。

新しい科学や芸術の理論構築の段階では、行き詰まりで立ち往生することなく広く探求することが重要です。

ジャック・リュシアン・モノーと共に遺伝子制御研究の基礎を開拓したフランソワ・ジャコブは、20世紀半ばまでの成長している分子生物学分野における研究のほとんどが、二人組で研究した成果であると述べました。

「二人組で作業する事は、夢や想像から理論やモデルを構築する際に単独作業よりも優れています。ジャコブは書いています。「問題に取り組む頭脳が2つあるので、考えはより重厚になり、より速く飛躍するのです。アイディアがパートナーからパートナーへと跳ね返ります。それらは木の枝のように互いに接しています。そしてその過程で、非現実的な妄想はすぐに芽を摘まれます。」

過去35年間のノーベル生理学・医学賞の約半分が科学者同士のパートナーシップが受賞に繋がっています。

職業生活を共有してきた長年の結果、パートナー同士は時々双子がするように互いの間でしか通用しない言い回しを発達させます。彼らはお互いの服装や習慣を真似ます。ユーモアのセンスは、一方から他方へ浸透します。彼らの間で貢献度の配分は不可能になります。

しかし、この強度のパートナーシップはソフトウェア開発では珍しいです。プログラム開発者達は「ペアプログラミング」、つまり2人のプログラマが1台のコンピュータを共有し、1人が「ドライバー」、もう1人が「ナビゲーター」となる事について話すことがあります。彼らは通常、ペアは飛行機が副操縦士を配置しているかのように、冗長性の観点からそのようなパートナーシップを考えています。

対照的に、JeffとSanjayは、時に単一の精神を持った半分の頭のように見えます。彼らの最もよく知られている論文のいくつかは10ダースほどの共著者がいます。それでも、彼らのマネージャーの一人であるBill Coughranは、「彼らはペアとして非常に生産性が高く効果的に働いていたので、私たちはしばしば彼らを中心にチームをくみ上げました」と振り返ります。

1966年に、System Development Corporationの研究者たちは、最高のプログラマと最低のプログラマの能力の差が10倍以上であることを発見しました。それ以来、いわゆる「10倍プログラマ」の存在は物議を醸してきました。ソフトウェアプロジェクトは大人数が集まって1つのプログラムを作り上げる集合的作業であることが多いのですが、この考えは個人を崇拝しています。プログラミングでは、単独で達成される成果はほとんどありません。

それでも、-そしておそらく皮肉なことに- 多くのプログラマは、JeffとSanjayが「一緒に」行った仕事を、10倍プログラマが存在することの証拠として見なしています。

3.Googleを巨大にした友情(4/9)関連リンク

1)www.newyorker.com
The Friendship That Made Google Huge