1.2021年にあなたが注目すべきAIアーティストまとめ
・様々な領域でAIを使ったアートを発表している海外のトップアーティストの紹介
・現時点では一般的な「アート」とは見なされない可能性が高いものも含まれる
・美術史から学べばどんな分野も将来的にアートと見なされるようになる可能性はある
2.2021年時点のAIアートのトップ集団の紹介
以下、blog.paperspace.comより「Top AI Artists You Should Be Following in 2021」の意訳です。元記事の投稿は2021年1月4日、OLIVIA LENGYELさんによる投稿です。
昨日の「2020年版AIによる創造と夢」に続き、人工知能と芸術ネタです。DeepDreamで有名なGoogleのAlex Mordvintsevさん、元Apple社員のCryptograffitiさん、モスクワ土木工学大学出身のHelena Sarinさんなど、エンジニア/リサーチャーからアートの世界に行く人もいますが、アートやその他の世界から人工知能を使ったAIアートの世界に入ってくる人もいます。
以下、現時点では「アート」とは見なされない可能性が高いものも含まれていますが、本文中にもあるように発表当時は統合失調的絵画の代表作と評価された人や、生前には一枚しか絵が売れなかったと言われる炎の人もいますから、後世にどのような評価がされる事になっていくのかは本当にわかりません。
アイキャッチ画像はVRアートを創作中の人でクレジットはPhoto by Billetto Editorial on Unsplash
以下のトップAIアーティストのリストを見て、この新時代のエキサイティングなコラボレーションの時代に、各アーティストがAIを自分の作品やそれぞれのメディアにどのように統合しているかを探りましょう。
アートとテクノロジーは常に相互に関連しています。
そのことがどこよりも明確になるのは、人工知能の助けを借りて作成された新しいメディアが出現している事です。アーティストは現在、これまで想像もできなかったAIによって強化された体験を生み出しています。
クリエイティブな表現の新時代を切り開いていると思われるAIアーティストをリストにまとめました。彼らがAIを作品に統合する方法を知ると、私たちは尋ねざるを得ません。
「アーティスト」の定義とは何でしょうか?
美術史を紐解くと、新たに生まれた芸術が支配者集団によって「これは芸術ではない」と宣言される期間があらゆる時代に存在したようです。
AIアートが同様に扱われる事は現時点でほぼ予測可能です。
しかし、AIが実現を可能にしたメディアは定着しており、すでに多くの論争を引き起こしています。特に、Deep Fakesやその他のGANが作成を支援したアートワークについて多くの論争があります。
他のアーティストもぜひチェックしてみてください。機械学習が生み出す芸術的な作品に、興奮を抑える事ができません。
ダンス
Louise Crnkovic-Friis
もともとダンサー兼振付師だったルイーズは、最近、肉体鍛錬、機械知能、ニューロ・ダイバーシティ(訳注:直訳すれば「脳の神経伝達経路の多様性」ですが従来は正常な脳の働きではないと見なされていたような脳の働きも「脳の多様性の一環」と見なせるのではないかと言う脳を再定義する考え方です)が交差する領域に焦点を移しました。
彼女の最も有名な作品は、「Generative Choreography using Deep Learning(ディープラーニングを使用したジェネレーティブコレオグラフィー)」という論文で、5時間のコンテンポラリーダンスを48時間でトレーニングしました。
モデルは、ダンススタイルのニュアンスとダンサーの動きのニュアンスを学習して、ランダムな動きではなく、まとまり良く感じる振り付けを生み出す事ができました。
Wayne McGregor
アートとテクノロジーの交差点を探求する中で、ウェイン マクレガーとスタジオ ウェイン マクレガーは、ダンサー、ライター、作曲家、プロデューサー、ソフトウェアエンジニア、ビジュアルアーティスト、科学者との共同研究に焦点を当てています。
スタジオ ウェイン マクレガーはまた、クイーンエリザベスオリンピックパークに、芸術、科学、技術、研究を横断的に扱う創造的な実践とコラボレーションを生み出す場所となることを使命として、初めての空間を開設しました。
デジタルメディア
Ctrl-shift-face
Ctrl-shift-faceはチェコ共和国を拠点とする匿名のアーティストで、2019年4月からdeepfakeでキャリアを積みました。最初は楽しみのためにdeepfakeの動画を作成していましたが、現在は50本以上の動画を公開しています。deepfakeの作成に関する彼のアドバイスは次のとおりです。「非常に強力なマシン、時間、忍耐力が必要ですが、何よりもスキルが必要です」。彼らとのインタビューは「DeepFake Faceoff w/ Dr. Fakenstein & CtrlShiftFace」から読む事ができます。
Jesse Richards
ジェシー・リチャーズは、ヒット番組のキャラクターを使って、様々なTikTokやハリウッドの有名人と組み合わせることで、TikTokとInstagramの動画で最近人気を博しています。リチャーズは子供の頃から動画を制作しており、Vineで人気のクリエイターに紹介され、協力した後、キャリアとして動画制作を追求することを決定しました。「Getting Real with Deepfake Artist Jesse Richards」でジェシーとのインタビューをチェックしてください。
音楽
David Cope
デイヴィッド・コープは、作曲家の邪魔だての結果、彼の音楽スタイルの感覚を模倣するプログラムを書くことになり、1981年に機械学習を彼の作品に統合し始めました。
最初の試みは、技術的には彼の書いたプログラムに準拠していても、訓練された音楽家である彼の耳には満足できるレベルではない「素の」音楽になりました。
1996年に、彼は著書「Experiments in Musical Intelligence」を出版し、ほとんどの西洋音楽が平均律の12ピッチおよびそれらのオクターブに相当するもので構成されている事を説明しました。そして、これを理解したうえで新たな指示を行う事で、より洗練された音楽の創造につながるというのです。
デビッドは現在、カリフォルニア大学デービス校の教授であり、アルゴリズムコンピュータ音楽の年次ワークショップで教えています。
Yona
ヨナは、アーティストのAsh KooshaとIsabella Winthropによって作成された補助的人間(auxiliary human)です。
彼らは、多くのアーティストが新作を制作する際に表現する「精神的な動揺(mental turmoil)」を緩和するために補助的人間を生み出すことを目標に、ヨナを作成しました。
Yonaの音楽は、歌詞とメロディーの両方を生成するソフトウェアを使用して作成され、次にテキスト読み上げプロセスを使用して音声を作成し、Ashがミキシングと制作をして曲を完成させます。
Visual Art
Refik Anadol
Refikは、現在の業界で最大規模のビジュアルアーティストの1人です。
彼の作品は、ロンドン、ドバイ、ソウル、ニューヨーク、ボストン、イスタンブール、ロサンゼルス、サンフランシスコの多くの公的機関で見ることができます。ソフトウェア開発者、コンピューターサイエンティスト、エンジニア、アーキテクトの助けを借りて、彼の仕事は、ユビキタスコンピューティングが人類に課した「挑戦と可能性」そして「機械知性の時代に人間であるとはどういうことか?」を反映しています。
Sougwen Chung
モナコ公国で「2019年の女性」に選ばれたSougwenは、ロボット工学とAIを芸術的プロセスに統合することを彼女の人生の仕事にしました。
彼女はDoug(Drawing Operations Unit、Generation Four)を使用して動きを追跡しながら、AIを利用したアートワークを作成し、ステージやギャラリーなどの大規模な会場で作品をリアルタイムでプレゼンテーションします。Sougwenのユニークな点は、ほとんどのアーティストがAIを使用しているデジタル的な方法ではなく、どのようにして物理的な手法でテクノロジーを統合する事ができるかに関心を絞っている事です。
テクノロジーとアートがどのように相互作用していくかは探求が始まったばかりであることを考えると、このコラボレーションが今後10年以内にどこに行くのか想像する事さえできません。
どのアーティストがあなたに最もインスピレーションを与えているか、または私達が公開された優れた作品を見逃していたらお知らせください。
3.2021年にあなたが注目すべきAIアーティスト関連リンク
1)blog.paperspace.com
Top AI Artists You Should Be Following in 2021
DeepFake Faceoff w/ Dr. Fakenstein & CtrlShiftFace
Getting Real with Deepfake Artist Jesse Richards
2)arxiv.org
Generative Choreography using Deep Learning