1.マッキンゼーが予測するAIの経済効果まとめ
・マッキンゼー がAIの経済効果に関する予測レポートを発表
・AIが最も多い価値を創出できる既存ビジネスは「旅行」、次点が「物流」
・ビジネス界全体では年平均3.5兆円~5.8兆円の経済価値を創出
2.AIの経済効果とは?
米有名コンサル会社のマッキンゼー グローバル インスティテュートが「NOTES FROM THE AI FRONTIER INSIGHTS FROM HUNDREDS OF USE CASES」と言う、AIの経済効果に関するレポートを発表。
本レポートではAIを「ディープラーニングを使った技術」と定義していた。技術的な観点から突っ込みをしたくなる人もいそうだが、詳細ページには
・レインフォースメント ラーニング(強化学習)
・トランスファー ラーニング(転移学習)
・ディープニューラルネットワーク(深層学習)、具体的にはFFNNs,CNNs,RNNs,GANs
を本レポートでAIと見なすと書いてあった。また、従来にない全く新しいビジネスは予測が難しいため、既存産業への影響を試算したとの事。まぁ「ニューラルネットワーク系の新しめの手法を既存産業に適用した際のインパクト」と考えれば良いと思う。
一番インパクトが大きいのが「旅行」。確かに現状パッケージツアーを企画する際、顧客から個別要望を細かく聞くのはコスト的に無理だろうが、AIを使えば、一番良さそうなプランを機動的に提案する事は可能だろう。顧客の信用度や宿泊施設の実績を元に格付けして優遇価格制度、当日キャンセルが出てもすぐに募集ができるような集客制度、などなど様々な便利なサービスがいずれ実現されるのかもしれない。
次にインパクトが大きいのが「物流」。これも一番効率的な集配ルートをAIが作ってくれるようになれば、相当な効率化ができそう。
売上が倍増する等のインパクトはないが、AIを導入する事によって、年間1割程度の売り上げ上昇効果が期待され、全体では年平均3.5兆円~5.8兆円と試算されるとの事。
このレポートは「マッキンゼーはAIによって年平均5.8兆円の経済効果を推測している!AIによって新しい付加価値が生まれ、その結果、新しい職業も生まれるだろうから、AIに職を奪われるなどと心配する必要はない!」と言う主張にも引用される事が出てくるかもしれないが、問題なのは、例えば「旅行」であったら既存の旅行代理店がシステム投資をして実現するよりAmazon等の大企業が参入してきて本屋さんやおもちゃ屋さんで起きている事が起きるのではないかと言う事ですよね。
産業全体では効率化で企業の売上は増えるのかもしれないが雇用は減ってしまう。個人としてはより良いサービスが提供される事は喜ばしい事とも思うのですが、人工知能が巨大企業による独占を加速化させる世界はとても危うい世界にも感じます。
3.マッキンゼーが予測するAIの経済効果まとめ関連リンク
1)roboteer-tokyo.com
人工知能が既存産業に与える経済効果は年3〜5兆ドル…米マッキンゼー調査
2)www.mckinsey.com
NOTES FROM THE AI FRONTIER INSIGHTS FROM HUNDREDS OF USE CASES
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