書店不屈宣言のレビュー インターネットと町の本屋さん

書店不屈宣言のレビュー インターネットと町の本屋さん

1.書店不屈宣言まとめ

・全国の書店の数は20年間で一万店に半減した
・書店が全く存在しない自治体も今では珍しくなくなっている
・規制や法律で守っても販路や競合、業態の変化には対応できない

2.書店不屈宣言の読書感想

2017/12/7
増補 書店不屈宣言 (ちくま文庫) 文庫
田口 久美子 (著)

個人的には町の本屋さんは好きで週に一回は新刊チェックに立ち寄るようにしていたが、駅前の本屋さんがどんどんなくなって週1が困難になり、大きな本屋さんに月1と行動が変化しているのは気づいていた。しかし、書店が全く存在しない自治体が珍しくなくなっているという話がショックであった。

3.書店不屈宣言から学んだ事

ロボットと人工知能が人間の仕事を奪う、と言うテーマを考える中で、同様に破壊的な技術革新として引き合いに出される事が多いインターネットによる影響を調べたいと思っていたのでこの本がとてもタイムリーだった。

書店が苦境なのは間違いないが、スーパーや大型ショッピングセンターの影響を受けた商店街の他のお店に比べるとまだ健闘している方かもしれない。本、新聞、雑誌は再販制度で守られており、販売価格が拘束されて値引きが禁止されているし仕入れた本の返品もできる。故に町の電気屋さん、洋服屋さん、八百屋さん、魚屋さん、酒屋さん、レンタルビデオ屋さんなどが避けられなかった価格競争には巻き込まれずに済んでいたのだ。

本屋さんの事例からも「法律や制度で守られている職業はロボットや人工知能に奪われる恐れはない」と考えるの中長期的には正しくないのだろう。ロボットや人工知能で「技術的に可能な事」と「実現が可能な事」にはギャップが存在する事は確かだが、そのギャップは埋める必要がなくなってしまう可能性があるのだから。

書店の苦戦要因はAmazonだけではない、様々な分析はされているだろうが、自分の行動が変化した理由を分析するとざっと考えても下記要因がある。

販路が増えた
・コンビニエンスストアの本や雑誌の取り扱い開始
・インターネットの技術革新によりAmazonを初めとするオンラインショップの台頭

競合の登場
・スマホ普及によりちょっとした細切れ時間が読書以外にも使われるようになった
・無料情報サイトの台頭により情報入手経路が多様化

商品の形態が変化
・ヤフオク、book off など中古販売業者の台頭
・電子書籍など新しい形の本が台頭

Amazonの推薦システムは確かに便利だが、それだけを使っていると知識が片寄そうでちょっと嫌なのだ。
書店にフラッと立ち寄って、推されなければ注目しなかったであろう書店の一押しとして陳列されている本を眺めたり、沢山の本、人類の英知の結晶に囲まれて、熱心に何かを学ぼうと本を選んでいる向上心豊かな人達と場を共にする事。それが好きなので、引き続き定期的に本屋さんには立ち寄るだろうと思う。