1.イラスト生成AIを動かしたい人向けのColabの解説まとめ
・イラスト生成AIを動作させたい初心者向けのGoogle Corabの前提知識の解説記事
・AIはGPUを使うと非常に高速に実行できるがCorabはGPUを無料で提供してくれる
・公開されているColabファイルはAIの専門家が熟練者向けに書いているので難しい
2.何故、Colabは敷居が高く感じてしまうのか?
先日、イラスト生成AIを動作させる際のツールの1つとしてCorabに言及したので、具体的な解説記事を書こうと思ったのですが、入門者になった気持ちで考えるとCorabは思った以上に敷居が高いですね。
Google Colaboratory、略称Corabはエンジニアの方であってもとっつきにくいと感じる人はいるので、ましてやプログラム経験がない方がいきなり「Colaboratory へようこそ」と
言われても情報量が多すぎて敷居が高く感じられるだろうな、と改めて思いました。
何故、Corabはイラスト生成AIにとって重要なのか?
AIは画像処理装置、英語で言えばGPU(Graphics Processing Unit)を使うと非常に高速に実行できます。GPUがないパソコンではCPUで実行する事になりますが、現実的ではないレベルで遅くなってしまう事が多いのです。
しかし、GPUが付属しているパソコンは廉価な機種でも10万円以上はするので買うとしても借りるとしても通常は中々お高いのです。
そんな状況の中、Corabは使用時間に制限はありますがGPUを、なんと無料で使わせてくれるのです。有料契約するとよりグレードの高いGPUを使わせて貰えますが、無料版でも十分使用に耐えます。
例えば、昨日紹介したhuggingfaceのspaceは混んでいる場合、自分専用のspaceを複製して作る事も可能なのですが、無料で動かせるのはCPU環境のみです。GPU環境は最安値でも一時間当たり84円くらいかかりますので、有料契約が必要になります。
金額的にはそれほどでもないですが、いきなり有料契約は少し敷居が高いですよね。
Corabは、おそらく大半の人が持っているGoogleアカウント(Gmailを持っている or Android端末を持っていればGoogleアカウントは既に持っています)があれば、何も登録せずにすぐにGPUを使えるので敷居が低いのです。
そのため、食わず嫌いにならずに動かし方を知っておいた方が得なのです。
そもそもCorabとは何なのか?
Googleが提供しているWebサービスです。AI分野で良く使われているプログラミング言語であるPythonをブラウザ上で実行できるため、人工知能、データ分析、教育分野で広く使われているサービスです。
つまり、イラスト生成AIを実行するための専門の環境ではありません。
では、どうやってイラスト生成AIを動かすのか?
イラスト生成AI実行用のpythonプログラムを書いてColab用のファイルとして公開してくれているAIの専門家の人達がいて、その人達が作ったファイルを借りて動かします。
しかし、多くのAIの専門家はCorabの使い方に熟練しているため、熟練している人向けの構成にしているので、沢山のカスタマイズオプションを付けて初心者にはわかりにくくなったり、StableDiffusion自体の進化が早いのでアップデートが追い付いていなかったりして、敷居が高くなってしまっている側面があります。
では、どのCorabファイルを使えば良いのか?
これ、実は難しいです。
今回の記事を書くにあたって改めて調べてみましたが、stable diffusionの提供元であるStabilityAI社やrunwayml社はColab用のファイルは提供してないです。つまり、公式と呼べるColabが存在しないのです。
huggingface社が提供しているColabはありますが、huggingfaceのアカウント登録が必要な作りになっているので、ちょっと敷居があがってしまいます。
私が個人的に知っている有名どころもありますが「慣れてる人に使いやすい」=「沢山のカスタマイズオプションがある」なので、完全な初心者にはちょっと使いにくいのですね。
しかし、ここまで読んでColabの意義を理解できた人は、ご自分でググってみて見つけたColabに挑戦するのはアリだと思います。基本的には左側にある赤枠で囲った部分を順番にクリックしていくだけなはずです。
私が作成した無料版のColabで動かせるColabファイルは以下です。
無料版ColabでStable Diffusion2.1を動かすためのシンプルなColabを公開
無料版ColabでWaifu Diffusion 1.4 Animeを動かすためのシンプルなColabの公開
なお、もっとColabについて知りたくなった方がいたら「Google Colab Proが日本から利用可能に」にまとめてあるので読んでみてください。GPUを無料で使わせてくれるColabの出現はAI学習者にとって神の出現に等しい出来事だったのです。