私たちは本当に100歳まで生きるのか?

私たちは本当に100歳まで生きるのか?

1.私たちは本当に100歳まで生きるのか?まとめ

・人生100年時代とは言われるがまだ他人事やトンデモ科学と思っている人も多い
・公開されている情報だけで判断材料は揃うので人生100年時代が本当か確かめるのは大切
・まずは平均寿命とは何かの定義の確認から始めよう

2.平均寿命とは何か?

「私達は100歳以上生きる可能性が高い」と聞いたら、一般の人はどのように感じるのでしょうか?

100歳なんてあり得ない?トンデモ科学本のように聞こえる?

AIで言えばシンギュラリティ的な、人工知能が反乱を起こすレベルのトンデモ話に感じる人もいるみたいなのですが、やる気になれば自分自身で数字を検証できる事なので、丁寧にその根拠を書いてみます。

まず平均寿命を「死んだ人の平均年齢」と勘違いしている人は珍しくないです。

なるほど、もし「死んだ人の平均年齢」であるならば、2018年07月20日に最新の「平成29年簡易生命表の概況」を厚生労働省が発表しましたが、男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳でした。「男性は81歳前後、女性も87歳前後には死ぬのだろう、自分もそこまで生きれるかどうかはわからないが、その辺で死ぬのだろう」と思ってしまっても無理のない事と思います。

しかし、実際の定義は「平成29年に生まれた0歳児がその後生きられる平均の年数」なのです。言い換えれば、「平成29年に生まれた0歳児の人は男性が81.09歳、女性が87.26歳になっても半数以上の人がご存命」と言う事なのです。

FP有資格者や、ある程度、自分の老後やライフプランについて真剣に検討した事がある人は上記の定義を知っていたと思います。しかし、実は私も誤解していたのですが「平成29年に生まれた0歳児がその後生きられる平均の年数」と読むと、「平均寿命に達した時は50%の人が既に亡くなっている」と思うじゃないですか。

ところが、厚生労働省の「生命表諸関数の定義」では下図のように面積で計算しているため「50%の人が亡くなる時」は「寿命中位数に達した時」です。そして、日本では「平均寿命」は「寿命中位数に達した時」より低いのです。(下図)

つまり、平均寿命に達しても50%以上の人がご存命です。繰り返しになりますが「平成29年に生まれた0歳児の人は男性が81.09歳、女性が87.26歳になっても半数以上の人がご存命」と厚生労働省は言っています。

「これは0歳児の話でしょ?平成29年時点で0歳以上の人は違う計算になるのでは?」と思った人は鋭いです。0歳以外の代表的な年代についても「平均余命」として公開されています。一番左の列から自分の年齢に近い年齢を捜し、男性だったら左から3番目の列の「平均余命+現在年齢」、女性だったら一番右の「平均余命+現在年齢」を見てみてください。どうでしょう?結構心に重くのしかかるような気持になるかもしれませんが、もし気が重くなってしまったらごめんなさい。どの年代でも0歳時の平均寿命より長くなるのです。

平成29年の簡易生命表より引用

男性 女性
平均余命 平均余命+現在年齢 平均余命 平均余命+現在年齢
10歳 71.33 81.33 77.50 87.50
20歳 61.45 81.45 67.57 87.57
30歳 51.73 81.73 57.70 87.70
40歳 42.05 82.05 47.90 87.90
50歳 32.61 82.61 38.29 88.29
60歳 23.72 83.72 28.97 88.97
70歳 15.73 85.73 20.03 90.03
80歳 8.95 88.95 11.84 91.84
90歳 4.25 94.25 5.61 95.61

さて、この時点で「日本では80歳前にお亡くなりになるのは少数派」とお国が宣言している事が理解できたと思うのですが、まぁ、まだ男性が81.09歳、女性が87.26歳と言う事は100歳まで男性は20年弱、女性は10年強の時間がありますから、それまでにはポックリ逝けると思うかもしれませんね。

しかし、実は、この厚生労働省の試算には大きな落とし穴があります。ライフシフトロボットの脅威を読んだ事のある方はご存じと思いますが、例のピリオド分析とコーホート分析の違いです。計算上、そうせざる得ない事、致し方ない事ではあると思うのですが、どう考えても明らかに大きな誤差が出そうな前提の元に試算しているのです。

(以下、「何故平均寿命は確実に間違っていると言えるのか?」に続く)

3.私たちは本当に100歳まで生きるのか?まとめ

1)www.mhlw.go.jp
平成29年簡易生命表の概況
生命表諸関数の定義