AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測テクノロジー編(1/3)

AI関連その他

1.AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測テクノロジー編(1/3)まとめ

・ハイパーオートメーション、iBPM、RPAによる業務自動化は加速して行く事が予想される
・DevOpsのようにAI/ML分野でもAIOps,MLOpsとしてリリース作業の効率化が進んでいく
・COVIDの影響でデータドリフトとコンセプトドリフトの重要性に対する認識が高まった

2.実用化段階の人工知能やマシンラーニングの今年の振り返りと来年の予測

以下、www.kdnuggets.comより「Main 2020 Developments and Key 2021 Trends in AI, Data Science, Machine Learning Technology」の意訳です。元記事の投稿は2020年12月、Gregory Piatetskyさんによる投稿です。

テクノロジー(Technology)は「技術」のイメージが強いと思いますが、リサーチ(研究)の次の段階に来る「科学の実用化」の意味で使われてます。リサーチ(研究)、テクノロジー(実用化)、インダストリー(産業化)」の三部作の第二部です。

帽子を投げているのでリサーチの次の段階に進んだ感を少し感じるアイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Juan Ordonez on Unsplash

業界をリードする専門家集団に2020の主な進展をヒアリングし、AI、データサイエンス、機械学習、ディープラーニングに関するテクノロジーの主要なトレンドを検証します。

今年は通常でない困難な年でしたが、もうすぐ終わります。しかし、私達はまだ素晴らしいものを手に入れる事ができます。KDnuggetsの素晴らしい伝統の1つ、毎年の専門家集団の予測のまとめです。

第一弾として「AI、分析、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の主な開発と2021年の主要なトレンドのリサーチ編」を公開しました。

COVIDは、人々の生活や働き方を変え、予測モデルが仮定に依存していることや、突然の変化に対する脆弱性を浮き彫りにしました。

本投稿では、テクノロジーに焦点を当てます。私達は専門家のパネルに尋ねました:

AI、データサイエンス、機械学習、ディープラーニングのテクノロジーにおける2020年の主な進展は何でしたか?また、2021年にはどのような主要なトレンドを期待していますか?

一般的なテーマには、AutoML、自動化 / RPA、人工知能の偏見、新型コロナウイルスの影響、ディープラーニングの限界、AIの倫理的な利用、GPT-3、医学とヘルスケア、MLOpsなどがあります。

回答提出の締め切り日の直後に、1つの巨大なAI / ML開発が行われました。DeepMindのAlphaFoldは、50年間未解決の問題となっていたタンパク質の折り畳みを解決したようで、医学と生物学が大きく進歩する可能性を秘めています。

専門家の意見は、Marcus Borba, Kirk Borne, Tom Davenport, Carla Gentry, Jake Flomenberg, IPFConline(Pierre Pinna), Nikita Johnson, Doug Laney, Ronald van Loon, Bill Schmarzo, Kate Strachnyi, and Mark van Rijmenamからの寄稿です。

楽しんでください!

(1)Marcus Borba:グローバルソートリーダーおよびインフルエンサー:#AI #MachineLearning #DataScience #BI #BigData #Analytics #IoT #DigitalTransformation

2020年には、AIがどのように機能するかを理解し、バイアスの問題を評価することへの関心が高まり、AIがますます説明可能で責任あるものになる必要があります。AutoMLの使用は、リソースエンジニアリングやアルゴリズムテストなどの問題に関してデータサイエンティストにいくつかの利点をもたらしました。

2021年には、ハイパーオートメーション(訳注:Hyperautomation、従来の業務自動化にAI/MLを組み込んでもっと幅広い業務を自動化する事)の概念により、全ての情報分野で人工知能と機械学習の使用が大幅に増加すると予測しています。これには、AIと機械学習に加えて、拡張分析(訳注:augmented analytics、従来の分析業務にAI/MLを組み込む事)、IoT、iBPM(訳注:Intelligent Business Process Management、ビジネスの進め方にAI/MLを組み込んで効率化する事)、RPA(訳注:Robotic Process Automation、事務処理などで人間が行っている部分をソフトウェアで置き換えて自動化する事。例えばEXCELに人間が手入力している業務があれば、EXCELはそのままでEXCELにデータを入力するソフトウェアを導入して自動化する。iBPMと違って根本的な部分には手を加えないのでシステム改修を最小限に抑えながら人件費を削減できる)

(2)Kirk D. Borne:BoozAllenのプリンシパルデータサイエンティスト。博士号天体物理学者、グローバルスピーカー、トップ#BigData#DataScience#AIインフルエンサー

2020年のデータ関連分野における私が考えるトップトレンドは次のとおりです。

・自動物語文生成(GPT-3など)の信じられないほどの(そして信じられないほど恐ろしい)改善
・RPAがどこにでも見られるようになった事
・MLOpsツールが成長して大規模企業での機械学習の現場展開や保守運用のための使用されるようになった事
・IT運用現場でAIとDevSecOpsがAIOpsとして1つに収束していっている事
・市場の全ての組織と部署にわたってデータリテラシーへの多大な関心と投資が行われるようになった事

訳注:~Opsは、一番の元々はDevOpsといい、ソフトウェアの開発(Development)からリリースまでを迅速に行うためのツール群や概念の事です。AIやMLでもこの概念は応用できるよね、って事で~Opsの部分を色々と差し替えた造語が出来ています。

・製品展開されたモデルにおけるデータドリフト(Data drift)とコンセプトドリフト(Concept drift)の両方の重要性についてのデータサイエンティストが目覚めた事。COVIDパンデミック中に以前は動いていたモデルが失敗する事が目立ちました。

訳注:Data driftは直訳するとデータ漂流。学習時に使ったデータと現実世界の実データにズレが発生する事。その結果、モデルの性能が低下します。

例えば「ご一緒にこの商品も如何ですか?」とついで買いを促す推薦システムに新しいモデルを組み込んだとすると、モデル組み込み前と組み込み後では推薦される商品が変わってきますので、その結果、ユーザの行動や特性も変わってくるので時間の経過と共にデータドリフトが起こる可能性が高くなります。

Concept driftは、概念漂流。学習時に考えていた対象と現実世界の対象にズレが発生する事。例えば、スパム検出システムは当初は英文スパムだけだったけれども、次にアヤシイ日本語が含まれるものが主流になり、更に段々と日本語が洗練されていきと、予測したい対象は時間の経過と共に変遷していくので、コンセプトドリフトによりモデルの有用性が低下していきます。

エッジコンピューティング(edge computing)、エッジツークラウド(edge-to-cloud)、フォグコンピューティング(fog computing)を含む多様なハイブリッドデータアーキテクチャの台頭

訳注:エッジは直訳すると先端ですが、センサーや監視カメラなどのデータを収集する機器の事です。従来はそんなに賢い事は出来ず収集したデータをクラウドに送信するくらいでしたが、機械学習を組み込んでやる事で色々と出来るようになりそうですね、って5Gとの連携が期待されている分野がエッジコンピューティングです。

フォグは直訳すると霧ですが、エッジで収集したデータをクラウド(雲)に送る前に処理をしてクラウドへの集中を防ぎましょうって設計思想です。つまり、雲になる前の段階なので霧です。ちなみにクラウドコンピューティングが何故、雲になったのかは実は経緯ははっきりと判明してないようで、ネットワーク構成図などでインターネット部分を雲っぽいモヤモヤした図形で表現する事が多かったからなどと言われています。

・「Federated Machine Learning」という名の下で分散データマイニング(10~15年前に流行りました)が活性化。データをクラウドに移動せず、スマートフォンなどにデータを分散したままでモデルをトレーニングする事を可能にします。

・市場のすべての組織と部門においてデータリテラシーへの多大な関心と投資。

・IoTへの目覚めは、単なる監視活動(あなたが何を行ったか?)ではなく、新しい可観測性(Observability)戦略を可能とする技術(あなたが何故それを行ったか?)に成長しています。

・2021年には、これらの多く、特にMLOps、可観測性、データリテラシー、インテリジェントプロセスの自動化(AIで拡張したRPAなど)が見られると思います。

3.AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測テクノロジー編(1/3)関連リンク

1)www.kdnuggets.com
Main 2020 Developments and Key 2021 Trends in AI, Data Science, Machine Learning Technology

タイトルとURLをコピーしました