1.Google翻訳の性別の偏りを軽減する試みまとめ
・Google翻訳は従前はどちらか一方の性に決めつけた翻訳をしていた
・今後は男性でも女性でも成立する文章は両方の文例を表示するようになる
・今後も改善を続けノンバイナリージェンダーにも配慮するようになる予定
2.Google翻訳に存在するジェンダーバイアスとは?
以下、www.blog.googleより「Reducing gender bias in Google Translate」の意訳です。元記事は2018年12月6日、James Kuczmarskiさんによる投稿です。例によって、Jeff Deanが大切な考え方だと言及していた記事です。
2020年4月追記:新しいアプローチにより対象言語が追加されハンガリー語、フィンランド語、ペルシャ語から英語への翻訳時にも性別固有の翻訳を選択できるようになりました。
今年、Googleでは、公正さを促進し、機械学習の偏りを減らすための取り組みが行われました。この取り組みの最近の成果の一つは、Google翻訳で性別を決めつけずジェンダー中立な表現で置き換える事でジェンダーバイアスに対処した事です。
Google翻訳の人工知能は、ネットから収集した数百万の翻訳済み文言を使って学習しています。従来は、翻訳元の文章が女性前提または男性前提のいずれでも成立するケースであっても、翻訳文は1つしか提供していませんでした。そのため、人工知能が翻訳文を生成したとき、その文章は世の中に既に存在するジェンダーバイアスを不適切に再現していました。例えば、「強い」、「医者」などの単語が使われている場合は男性前提の翻訳文、「看護婦」や「美しい」などの言葉の場合は女性前提の翻訳文を作るような偏りが存在していました。
現在は、例えば「外科医」のような一つの単語に対して女性前提な表現も男性前提の表現もどちらも翻訳文として表示させる事ができます。英語からフランス語、イタリア語、ポルトガル語、またはスペイン語に翻訳する時にこの機能が実装されています。
また、トルコ語から英語へ翻訳する際には、両方の翻訳が表示されます。たとえば、トルコ語で「o bir doktor」と入力すると、性別が異なった翻訳の例として「彼女は医者です」と「彼は医者です」の両方が表示されます。
Google翻訳で両方のジェンダーに対応した画面の例
今後、性別別の翻訳をより多くの言語に拡張し、iOSやAndroidアプリなどの他の翻訳サービスでも利用できるようにし、問い合わせ文の自動補完などを用いてジェンダーバイアスに対処する予定です。そして、私たちはすでに翻訳でノンバイナリージェンダー(自身の性を男性、女性のどちらかに限定しない人)をどのように表現するかについても考えはじめていますが、それはこの最初の一歩のリリースには含まれていません。
性別別の翻訳例を確認するためには、Google翻訳ウェブサイトをご覧ください。Google Translateヘルプセンターのページでより詳しい情報を入手できます。
3.Google翻訳の性別の偏りを軽減する試み関連リンク
1)www.blog.googl
Reducing gender bias in Google Translate
2)support.google.com
Google Translateヘルプセンター 男女別に翻訳する
コメント