トランプ前大統領が好きでない人に読んでもらいたい新型コロナの起源が再調査されている理由

調査研究

1.トランプ前大統領が好きでない人に読んでもらいたい新型コロナの起源が再調査されている理由まとめ

・ウイルスの起源についての議論は政治的スタンスと同一視される傾向があった
・自然発生説は前大統領に対する嫌悪と彼の主張に燃料供給する事への恐怖が背景にあった
・現在わかっている証拠だけでは研究所起源説が除外できない事が明らかになっている

2.コロナウイルスの起源への疑問

以下、mygenomix.medium.comより「Fearsome viruses and where to find them」の意訳です。元記事の投稿は2021年11月15日、Moreno Colaiacovoさんによる投稿です。

最近、欧米で新型コロナウイルスの起源の再調査がニュースになる事が多いです。Newsweek Japanの記事が良くまとまっているので、末尾にリンクを張っておきますが、その背景には、世界中の市民データサイエンティストのグループが丹念に証拠を掘り起こして、遂には専門家も無視できないレベルに到達した事があるようです。

D.R.A.S.T.I.C(Decentralized Radical Autonomous Search Team Investigating COVID-19、ドラスティック)と言う名のグループなのですが、そのグループのWebサイトからリンクが貼ってあったmediumへの投稿記事「D.R.A.S.T.I.C:新型コロナの起源の謎を探求するTwitter上の探偵達」の冒頭に「以前投稿した記事を先に読む事をオススメします」とされてリンクが貼ってあった記事が本記事です。

つまり、DRASTICの活動のそもそもの発端となった疑問を説明する記事で、やや古い去年の11月時点の記事なのですが、非常に興味深く、特に中国語が全く出来ないのにGoogle翻訳を使って粘り強く検索を続けて中国語の修士論文を発掘したThe Seekerの話も少し出てきて感動します。

アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Clément Falize on Unsplash

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生から約1年が経ちました。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、中国の武漢市から旅を開始し、それ以来、(ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば)世界中で5000万人以上が感染し、そのうちの2.5%が死亡しました。

科学者たちは、ウイルスの起源が人工ではなく自然由来であると確信していますが、まだわかっていないことがたくさんあります。

遺伝子分析により、SARS-CoV-2の祖先はコウモリのウイルスであり、中国南部で発生した可能性が最も高いことが明らかになりました。

その最も近い親戚(RaTG13とRmYN02)の両方が雲南省で特定されており、他の多くのSARSウイルスと同様に、これまでにコウモリから発見されています。しかし、このウイルスが雲南省と武漢市を隔てる1000 kmをどのように移動したかは明らかではありません。

武漢市は、コウモリのコロナウイルスを何年も研究してきた有名なウイルス学研究所の本拠地です。この点については、科学界自体の中でも意見が分かれています。

ほとんどの科学者は、ウイルスは中間宿主を介してヒトに感染したと考えています。例えば、生鮮市場で食料品として販売されている野生動物などが中間宿主であり、これは人間と野生生物が密接に接触する場所の1つです。これは、ハクビシンから人間へ「ジャンプ」した最初のSARSと、ラクダを経由したMERSで以前起こった事です。

しかし、今回はまだ中間宿主が見つかっていません。当初、誰もが華南省の魚市場を非難していましたが、中国の科学者によれば、ウイルスは表面にのみ存在し、販売されている動物の内部からは発見されませんでした。彼らは湖北省全域で家畜のサンプリングも行いましたが、やはり成功しませんでした。

新型コロナより前に起こったSARSウイルスでは、状況が異なりました。最初の症例は 2002 年 11 月に広東省で発生し、病原体は 2003 年 4 月に特定され、すぐに 5 月に生鮮市場で販売されているハクビシンからほぼ同一のウイルスが発見されました。(Guan et al.の2003の研究)。どういうわけか、現在の状況とは反対の状況でした。当時、動物のウイルス貯蔵庫としてのコウモリの役割はまだわかっていませんでしたが、中間宿主を見つけるのにはわずか6か月しかかかりませんでした。

今回、私たちが直面している困難を考えると、科学者は別の遠隔仮説も検討していますが、これは証明するのが非常に難しいです。例えば、ウイルスはコウモリから直接人間にジャンプし、人間の間でゆっくりと進化し、新しい宿主に次第に適応した可能性があります。

しかし、この場合、昨年12月までに、中国の他の地域でもウイルスの痕跡が見つかると予想されます。例えば、類似のウイルスによって引き起こされる非定型肺炎の散発的な症例です。しかし、私たちが知る限り、中国の保健当局はそのような肺炎が発生した事を検出していません。

3番目の不穏な可能性が残っています。少数の科学者だけが真剣に検討している事ですが、SARS-CoV-2 が実験室から誤って漏洩したものであり、遺伝子操作の結果の可能性さえあるということです。この仮説は、ウイルスが武漢で発生したときに、すでに人間に適応しているように見えたという事実とも一致します。

ウイルスが武漢で発生したときに、すでに人間に適応しているように見えた事は自然起源仮説も示唆しており、現在WHOも確認した5月に発行された論文「SARS-CoV-2 is well adapted for humans. What does this mean for re-emergence?」でも示唆されています。

この研究所仮説を現実的なシナリオと見なす科学者はほとんどいないか、少なくとも公にこの立場を取っている科学者はほとんどいません。

生物学者のRichard Ebright、免疫学者のNikolai Petrovskj、ウイルス学者のÉtienne Decroly、微生物学者のDavid Relmanを思い出します。そしてもちろん、現在はTwitterでスターになっているBroad研究所の研究者Alina Chanは、現在わかっている証拠だけではこのシナリオを除外できないと常に主張してきました。

事実として、ウイルスの起源についての議論は、必然的に政治問題と衝突します。ドナルド・トランプ前大統領は当初から、中国が研究室の1つでSARS-CoV-2を作成したと非難しており、これらの政治的圧力が科学コミュニティ内の議論を汚染していると私は感じています。

「研究所起源仮説」をわずかでも考えている人に政治的なレッテルを貼るのは魅力的な誘惑で、最近ではトランプ支持者のように見られる事を望む科学者はほとんどいません。(ちなみに、どうして研究者達を責めることができるでしょうか?)。

私の見解では、自然発生説は、証拠だけでなく、(おそらくそれ以上に)退任するアメリカ大統領に対する嫌悪感と、彼の主張に燃料を供給することへの恐怖によって押し進められてきました。

この数か月間、私はこの問題を非常に注意深く追ってきました。たくさん読んで、本当に驚くべきことを発見しました。長い間に私が学んだすべてをあなたと共有することにしました。私の言葉の正確さを評価するために必要なすべての参照とリンクも提供しています。

Li-Meng Yan(訳注:閻麗夢、SARS-CoV-2が中国政府の研究所で作り出されたと主張する中国のウイルス学者でアメリカに亡命した人)のようなありそうもない陰謀論については言及しません。(他の人がすでに書いています)。

代わりに、データと査読済みの科学論文に焦点を当てます。興味深い話になることは保証します。この非常に長い記事の最後で、このウイルスの起源について知っておくべきことは(ほぼ)すべてわかりますが、ほとんどが、まだ解明していない事もわかります。

レゴブロックとフェレットに感染可能な鳥インフルエンザ
研究所起源説を真剣に評価するために、最初に答える必要がある質問は次のとおりです。

「現在利用可能な科学的および技術的知識を使って、実験室でウイルスを構築することは可能ですか?」

当たり前のことですが、何ができて何ができないのかを最初に明確にしておくとよいでしょう。

遺伝子工学は近年大幅な進歩を遂げており、CRISPR/Cas9 として知られるゲノム編集技術を共同発明したEmmanuelle CharpentierとJennifer Doudnaが数週間前に受け取った2020年のノーベル化学賞を見てください。

現在、私たちはバクテリア、植物、動物 (人間を含む) のゲノムを非常に正確に変更することができます。私たちが何年にもわたって遺伝子組換え作物(GMO:Genetically Modified Organism)で行ってきたように、他の種からの DNA の断片を挿入することによって、あるいはゲノムの個々の「文字」を置き換えることによっても可能です。

 

この観点から見ると、ウイルスも例外ではありません。実際、ウイルスの遺伝子はサイズが小さいため、レゴ ブロックのように形を変えて組み立てることができます。

これからわかるように、このレゴ技術は最近でも進化し、洗練されていますが、とにかく少なくとも90年代から存在する分子生物学の手法を参照しています。

おそらく世界トップのコロナウイルスの専門家であるRalph Baricは、ハムスター細胞に感染することができるマウス肝炎ウイルスの合成「クローン」を2002年にすでに構築していました(Young et al., 2002の研究)。

そして数ヶ月前、Bern 大学の科学者は、DNAとタンパク質の合成を専門とする会社に注文したウイルスゲノムの断片を組み立てることにより、1週間以内にSARS-CoV-2ウイルスを再現することができました(Thao et al., 2020の研究)。

従って、現在の技術と知識があれば、いったん適切な細胞に転移した後、天然のウイルスと同じように増殖できるウイルス(またはより正確にはウイルスのクローン)を合成することが原則的にできるでしょう。

興味深いことに、異なるウイルスの断片を組み替えて、いわゆる「合成ウイルス」を作ることも可能です。これは「逆遺伝学(reverse genetics)」と呼ばれ、これまで見てきたように、再結合する予定の元のウイルスを物理的に所有する必要さえありません。DNA 配列を知り、その合成を会社に注文するだけです。

研究所で新しいウイルスを生成するには、上記のやり方ほど洗練されていませんが別の方法もあります。あなたが細胞培養で完全に自然由来なウイルスを成長させる際、ウイルスの進化を促進する事ができます。

これは、厳密には遺伝子工学ではなく、自然界でも常に発生している進化のメカニズムですが、研究所ではウイルスがより効果的に複製できるようにする突然変異を選択するなど適切な条件を設定可能で、自然界のプロセスをスピードアップできるという違いがあります。

すでに1997年に、Journal of Virology に掲載された論文では、感染細胞を600回植え継ぎするだけで、マウス コロナウイルスのスパイク タンパク質を 2% 変異させることが(もちろん、多くの忍耐力をもって)可能であると説明されています。(Schickli et al. 、1997年の研究)。

同様の技術は細胞だけでなく、実験動物にも応用できます。Ron Fouchier による 2012 年の実験は誰もが知っています。Ron Fouchier は、致死性の鳥インフルエンザ ウイルス H5N1 を取り、動物への数回の感染経路を通じてフェレット間で空気感染可能にしました。(Herfst et al., 2012の研究).

鳥インフル、研究結果公表の是非で議論
2014年04月14日
ナショナルジオグラッフィック

これまで見てきたように、研究所でウイルスを変更および再結合するために使用できる、多かれ少なかれ洗練されたテクニックがいくつかあります。

ただし、まったく新しいウイルスを生成することは、現在でも非常に難しいのです。機能するウイルスになり得る新しい遺伝子配列をゼロから発明することは、まだ私たちの手の届かないところにあります。

もちろん、近年、ウイルス感染を引き起こす分子メカニズムについて多くの知識が得られました。武漢ウイルス学研究所の研究者は昨年、SARSのようなコロナウイルスがヒト受容体ACE2に結合することを可能にする正確なアミノ酸をリストしたレビューを書きました。(Cui et al。、2019年の研究)

更に、コンピューター シミュレーションのおかげで、ウイルスのゲノムに挿入する前に、新しい突然変異の効果をテストすることができます。

ただし、いずれの場合も、自然界に既に存在する配列を複製しているだけです。

既知のウイルスのゲノムの 1 文字を変更する場合でも、異なるウイルス配列を混合して新しい配列を組み立てる場合でも、開始点は常に自然界にすでに存在するウイルスの遺伝子(または遺伝子の一部)です。

非常に難しいもう1つのことは、自然環境に放出されたウイルスに何が起こるかを予測することです。例えば、コロナウイルスのスパイクタンパク質を再形成して、人間の受容体によりよく結合できるようにする事は困難です。その他にも変異させたウイルスが現実世界の生活環境で引き起こす症状や、感染媒介や速度を細かく制御する事も非常に困難です。

そのため、秘密の軍事研究所が SARS-CoV-2 をこれほど効果的になるように機能設計したとは考えにくいのです。

技術的な紹介が終わったので、SARS-CoV-2の起源の主題をさらに深く掘り下げる時が来ました。全ての始まりとなった中国中部の都市、武漢の研究所で行われた実験を見ていきましょう。原則として、合成ウイルスの構築は他の多くの研究所でも可能なのですが、これらの活動は実際に武漢で行われたのでしょうか?もしそうなら、どのような理由で?

以下で確認してみましょう。

コウモリと合成ウイルス


2002年のSARSの緊急事態以来、武漢ウイルス学研究所(WIV:Wuhan Institute of Virology)は、ウイルスの流行を予防する主要な研究センターの 1 つとなっています。実際、研究所の科学的使命は、人間に伝染してパンデミックを引き起こす可能性のある野生のコロナウイルスを探索することでした。

研究活動は、ウイルス学者のShi Zhengli(石正麗)が主導し、米国の資金も提供されていました。近年、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)は、石正麗の最も近い協力者の 1 人、つまり英国の動物学者Peter Daszak(ピーター・ダザック)が率いる NGO EcoHealth Alliance に多額の資金を提供しました。(NIH の助成金1R01AI110964–012R01AI110964–06を参照。訳注:現時点では参照できなくなっておりリンク切れです)。

石教授の最初の研究は、スパイクタンパク質(spike protein)に焦点を当てました。スパイクタンパク質は、SARS のようなコロナウイルスが細胞表面の ACE2 受容体に付着することを可能にする分子で、「銛」のようなものです。

中国の科学者は、前述のレゴ ブロック技術を使用してアミノ酸のさまざまな組み合わせをテストすることにより、スパイク細胞の重要部分を発見しました。これを使う事により、適切に変異させるとコウモリのコロナウイルスがヒトの細胞に感染することができました(Ren et al., 2008年の研究)。

数年後、石正麗は SARS の祖先を探して、いくつかのコウモリの種が生息していることが知られている中国南部の農村地域を探索しました。彼女は 2013 年に、SARS に非常によく似た 2 つのコウモリ ウイルスの発見を Nature 誌に発表しています。

特に、2 つのうちの 1 つ(WIV1と改名)は、哺乳類の細胞で増殖し、ACE2受容体に結合することができました。(Ge et al., 2013年の研究)。

2 番目のウイルス(SHC014)の能力はあまり明確ではなかったため、研究者たちは、合成ウイルスの構築において世界をリードする専門家の 1 人であるアメリカの科学者Ralph Baric(ラルフ・バリック)に目を向けました。

この共同研究の目的は、SHC014のスパイクがすでに人間に感染するのに必要なものを持っているかどうかを理解することでした。これを調べるために、石とBaricは合成ウイルスを構築しました。コウモリのウイルスのスパイクは、数年前にBaricによって入手されたマウスに適応した SARS ウイルス(MA1 ウイルスと呼ばれます)に付着しました。(Roberts et al., 2007年の研究)

人間の細胞でテストした所、この合成ウイルスキメラは、SARSと同様の効果を示し、このスパイクも人間を攻撃する可能性があることを示されました。それはヒトの受容体に適応する必要はなく、適切な一部の遺伝子のみが必要であり、これは、マウスに適応した MA1 ウイルスが備えていました。(Menachery et al., 2015年の研究)。

現在「バットウーマン」として知られる石正麗の研究はそこで止まりませんでした。2016年、彼女は雲南省の廃坑でSARS コロナウイルスが発見されたことを発表し(Ge et al., 2016年の研究)、翌年には 2011 年から 2015 年の間に雲南省で特定された 11 の新しい SARS のようなコロナウイルスの遺伝子配列を発表しました。

SARS ウイルスは明らかにこれらのウイルス間の組換えの結果であるため、医学雑誌PLOS Pathogensでこの研究がニュースになりました。

興味深いことに、この研究では、これらの新しいコウモリ ウイルスのスパイクを WIV1 の遺伝子に追加することにより、8 つの異なる合成ウイルスを構築しました。WIV1は2013 年に研究所によって分離された最初のウイルスで、2つの合成ウイルスは、ヒト細胞に感染することができました。

そして、コウモリが運んだコロナウイルスは人に伝染する準備ができていた事がもう一度示されています。(Hu et al。、2017年の研究)。

この仮説は、2018 年に発表された研究によってさらに確認されました。コウモリの洞窟の近くに住む雲南省の住民を対象に 2015 年に実施された血清学的調査の後、研究者は218人中6人で抗 SRS 抗体を発見し、コウモリからヒトへの流出は散発的ではあるが実際に発生する可能性があることを明らかにしたのです。(Wang et al., 2018年の研究)。

バットウーマンの研究のおかげで、コロナウイルスと波及効果について多くのことがわかりました。

監視対象の地理的領域(雲南など)は判明しています。最も危険なウイルスを運ぶコウモリの種と、私たちの人間へのジャンプを可能にするために突然変異する必要があるスパイクタンパク質のアミノ酸さえも含んでいます。(Yu et al., 2019; Fan et al., 2019; Cui et al., 2019)

石正麗の研究は(お気づきかもしれませんが)、基本的に2つの部分で構成されていました。

1つは、中国南部の洞窟の調査とコウモリのサンプルの収集を含むフィールド調査です。第二に、実験室での研究で、野生で発見されたウイルスのパンデミックの可能性を評価するための感染実験を行っています。

作業のこの2番目の部分では、遺伝子工学技術も使用されました。特に、彼らは合成ウイルスを構築し、本質的にコウモリ ウイルスのスパイク(銛)をテストしました。もし武漢の科学者が例えばコウモリのウイルスの組み換えによってSARS-CoV-2を作ったとしたら、私達はそれに気付くでしょうか?

言い換えれば、これが人工ウイルスだった場合、私たちはそれを見破る事ができるのでしょうか?

遺伝子に残るはずの傷跡とバックボーンが既知でない事による反論
以下のような発言を耳にしたり読んだりしたことがあるかもしれません。

「SARS-CoV-2 は遺伝子工学の産物ではありません。
もし遺伝子操作されていたなら、ゲノムに傷跡(scars)が残るからです」

しかし、この傷跡とは正確には何なのでしょうか?

それに答えるには、レゴ ブロックのテクニックについてもう一度話す必要があります。前述したように、ここ数年、ウイルス学者は異なる DNA の断片を組み合わせて合成ウイルスを作ることができるようになりました。

ウイルスの遺伝子は大きすぎて全体を合成できないことが多いため、通常は異なるDNAの断片を個別に取得し、その断片を組み立てて完全な遺伝子を合成します。

各断片は、プラスミド(plasmid)の内部に挿入されます。これは、細胞分裂時にサポーターとして機能する環状 DNA 分子です。特別な酵素の助けを借りて、研究者は関心のある断片を切り離し、それを他の断片に接続します。

前述の「傷」は、この段階で発生します。

酵素は特定の切断部位を認識するため、断片が最終的に組み立てられると、これらのシグナル配列の痕跡が断片と断片の間の接合部に残ります。

さて、実はこれは少し前の時代の話です。

実際、近年では、より洗練された組み立て技術が開発され、傷跡が残りません。それらはシームレスな技術と呼ばれ、それらの多く(例えば、Golden Gate Assembly、Gibson assembly)が、オンラインで入手可能な商用キットで一般的に販売されています。

もちろん、私たちはその傷跡を見る事はあるかもしれませんが、それはウイルスが何年も前に合成された場合に限られます。

Ralph Baricはウイルス工学の専門家であり、研究所起源仮説を確かに支持していませんが、最近開発された組み立て方法のいずれかを使用すると、自然のものと完全に区別できないウイルスを構築できるとPresa direttaに語っています。

傷跡に頼ることができない場合、どうすれば人工ウイルスを認識できるでしょうか?

遺伝子工学で新型コロナウイルスが作り出された説を否定するためにしばしば言及される別の理由は、有名な論文「SARS-CoV-2の近位起源(The proximal origin of SARS-CoV-2)」でも引用されていますが、ウイルスの主鎖(バックボーン)が既知でない事です。(Andersen et al., 2020年の研究)

この声明は正しい仮定に基づいています。上で書いたように、新しいウイルスを作るには、自然界に存在するウイルスを元にしなければなりません。たとえば、「既知のインフルエンザ ウイルスの遺伝子の断片」と「SARS-CoV-2の遺伝子の断片」を組み合わせて合成ウイルスを構築したとします。

さて、誰かがそれを見つけてその遺伝子を分析したら、彼または彼女は確かに2つの既知のウイルスが元となっている事を認識でき、このような組み合わせが自然界で起こり得るかどうか疑問に思い、代わりに遺伝子工学の産物である可能性に思い当たるかもしれません。

このように言えば、理にかなっているように聞こえます。しかし、ウイルスの主鎖(バックボーン)が既知でない事は、別の間違った仮定にも依存しています。

既知のウイルスがすべて公開されているという仮定です。

もちろん、科学者が研究中のウイルスの配列をアップロード可能な公開データベースがありますが、これは必須ではありません。

もしかしたら皆さんの内の何人かはこの発言に眉をひそめるかもしれませんが、これは陰謀論者の推論ではなく、証拠は私たちの目の前にあることを保証しましょう。

数か月前、武漢ウイルス学研究所は RaTG13 のゲノム配列を発表しました。RaTG13 は、既知のすべてのウイルスの中で SARS-CoV-2 に最も類似しています。しかし、石正麗自身が認めているように、彼らはこのゲノムを2018年に既に知っていて、RNAのサンプルは2013年から研究室に保管されていました。

石教授は、シーケンシング以外に RaTG13 に関する実験を行ったことはないと断言しています。

しかし、もし彼らがその実験をした際にウイルスが漏れていたとしたら、誰もその起源が人工的である事に気付けないのではないでしょうか?

それとも、バックボーンとして登録されていない事を理由に、それに「天然」のラベル付けをするのでしょうか?

私はSARS-CoV-2が研究所から漏洩したと主張しているのではありません。

私が言いたいのは、遺伝子の分析だけでは私たちが探している答えは得られないということです。

遺伝子操作が行われた明らかな兆候はありませんが、「証拠の欠如」は「操作が行われなかった事の証拠」ではありません。

では、遺伝子操作の痕跡が残らない場合、どうすれば真実を知ることができるのでしょうか?

私たちには2つの選択肢が残されています。

・自然起源説のより説得力のある証拠を見つける事(例えば、中国南部のコウモリと2019年後半に武漢で発生したコウモリを繋ぐ、待望の中間宿主動物の発見)。
または、
・武漢の研究者が常に透明性を持って行動した事を証明する事(従って彼らの誠実さを疑うのは愚かであると確信させる事)

これは決定的に何かを証明するものではありませんが、少なくとも、これらの研究所に潜む疑念の多くを取り除くでしょう。

坑道とデータベース

控えめに言っても、中国の研究者達は今年、透明性の擁護者ではありませんでした。

この透明性の欠如こそが、今日でも陰謀論が蔓延している理由なのかもしれません。ほとんどの疑いは、現在知られているコウモリ ウイルスの中で最もSARS-CoV-2に近いSARS-CoV-2のいとこである RaTG13 に関するものです。石正麗のチームは、2013年に雲南省墨江郡の廃墟となった銅鉱山でそれを発見した。

中国の研究者は、様々な種類のコウモリが生息する鉱山に侵入した約6人を調査するために呼び出されました。彼らは非定型肺炎に罹患しており、COVID-19 の症状と非常によく似た症状を示していました (Rahalkar et al, 2020年の研究)。

研究者達はコウモリの糞から何百ものサンプルを収集し、RNA を抽出して分析し、肺炎を説明できる SARS のようなウイルスを探しました。(患者のうち 3 人が死亡しました)。

3年後に発表された論文で説明されているように、彼らは RdRp 遺伝子を部分的に配列決定し、合計152の異なるコロナウイルスを発見しました。

これらの152のうち、2 つはベータコロナウイルスで、1 つだけが SARS タイプでした。(Ge et al., 2016年の研究)。

これは、Rhinolophus affinis 種の馬蹄コウモリで発見され、RaBtCov/4991と呼ばれていました。遺伝子的には、それまで知られている他のSARSコロナウイルスとは異なり、新種とさえ考えられていました。 実際、著者は次のように書いています。

系統樹では、RaBtCoV/4991 は、他のコウモリ SL-CoV よりもヒト SARS-CoV からの分岐が多く、このウイルス系統の新しい株と見なすことができました。
Ge et al., 2016 Virologica Sinica

今年の初め、武漢ウイルス学研究所の研究者は Nature に関連する論文を発表し、新しいコロナウイルスのゲノムと比較して96%の同一性を持つコウモリ ウイルスの発見を発表しました。(Zhou et al., 2020の研究)。

その名前は RaTG13 で、雲南省で発見したと彼らは書いていました。このウイルスに関する他の詳細は示されておらず、これは実際、新規の科学文献です。

更に、著者らは、RaTG13の配列が実際に決定された時期を明確に説明しておらず、これが 2020 年の初めまたは 2019 年末(いずれにせよ、新型コロナウイルスの流行後)に決定した事を示唆しています。

本件に関する公式な説明では、石らは RaTG13 の RdRp 遺伝子を SARS-CoV-2 の対応する遺伝子と比較したところ、強い類似性があることに気づき、コウモリ ウイルスの全ゲノムを配列決定したとの事です。

著者らは自身の2016年の論文については言及していませんが、実は「新しい」RaTG13 の RdRp 遺伝子は、雲南鉱山で発見された「古い」RaBtCov/4991 の RdRp 遺伝子と同一であることが判明しました。

この2つの名前は実際には同じウイルスを指していて、後に石正麗自身がこの夏にサイエンス ジャーナルに寄せた回答の1つ(How China’s ‘Bat Woman’ Hunted Down Viruses from SARS to the New Coronavirus)で裏付けが取れています。

正当な理由があれば、ウイルスの名前を変更することは法外なことではありませんが、2016 年の研究に関する引用が欠落しているのは確かに奇妙です。

科学論文では、引用を1つ減らすのではなく、引用を追加する傾向が常にあります。特に、自分自身の論文を引用している場合はなおさらです。

今回、それをしなかったという事実は少し疑わしいです。実際、その引用リンクがなかったため、他の読者が鉱山労働者の肺炎の話と結びつけることがより困難になりました。

公式には、坑道内の致命的な病原体は特定されなかったが、石教授はサイエンティフィック・アメリカンに、犯人は真菌(fungus)であると語っています。

しかし、実際には、Twitter ユーザー(@TheSeeker)が見つけた修士論文には、当時行われた多くの調査と分析が記載されており、SARS のようなコロナウイルスが原因である可能性が高いと結論付けられています。

論文によると、この結論は疫学者で呼吸器専門医の Zhong Nanshan 博士(おそらく世界で最も尊敬されている中国人医師)によって提案されたものです。

これらすべての情報に照らして、武漢の研究者が不快な話との関連を隠すために、ネイチャー誌でその引用を省略したと考えるのは合理的です。

おそらく彼らは、SARS-CoV-2の祖先がRaTG13と一緒に鉱山に存在していたのではないかと疑われることを恐れていたのかもしれません。

結局のところ、ウイルスの流行を防ぐことが石正麗の仕事でした。このようなストーリーを世界に明らかにすることは、彼女の失敗を認めるようなものだったでしょう。

しかし、これらの省略により、さらに悪いシナリオを思いつく人もいました。

もしかしたら、SARS-CoV-2 の祖先は実際に坑道にいたのかもしれません。科学者がそれを発見し、武漢の研究室に持ち帰り、おそらく痕跡を残さない実験と遺伝子組み換えの後、そこから誤って漏えいした。(既に私たちが見てきたように)。

もちろん、これらは憶測に過ぎず、実際に起こったという証拠はありません。ただし、RaTG13 のストーリーの奇妙な点はここで終わらず、この透明性の欠如は疑惑の払拭に役立ちません。

実際、2020年の5月までは、武漢の科学者がRaTG13ゲノムの配列を決定したのは、Covid の発生後であると私たちはみなしていました。

最終的に、これは論文として発表されました。しかしながら、5月19日に、彼らがNCBI ポータルに多数の RaTG13配列をアップロードした結果は、なんと驚いた事に!

日付は2017年と2018年でした。これらの配列はサンガー法で生成されたもので、スパイクタンパク質遺伝子を含むゲノムのほとんどをカバーしています。シークエンシング実験のタイミングは、後に石正麗自身によってサイエンス誌で裏付けが取れています。

コウモリの糞便サンプルからパンコロナウイルス RT-PCR法によってウイルスを検出しました。これは2013 年に雲南省墨江郡通関町から収集したもので、部分的RdRp配列を取得しました。このウイルスと SARS-CoV の類似性が低いため、この配列には特に注意を払いませんでした。

2018年、私たちの研究室の NGS シーケンシング技術と能力が向上したため、残りのサンプルを使用してウイルスのシーケンシングをさらに行い、5’末端の 15 ヌクレオチドを除く RaTG13 の完全長ゲノム シーケンスを取得しました。

サンプルはウイルスの核酸抽出のために何度も使用されたため、ゲノムシーケンシングが終了するとサンプルがなくなり、ウイルスの分離などの調査は行われませんでした。 収集したすべてのコウモリのサンプルの中で、RaTG13 ウイルスが検出されたのは 1 つのサンプルだけでした。

2020 年に、SARS-CoV-2 の配列と未発表のコウモリ コロナウイルスの配列を比較し、RaTG13 と 96.2% の同一性を共有していることがわかりました。 RaTG13 は、単離または培養されたことはありません。

石正麗、サイエンス誌インタビュー

上記では、石正麗は、ネイチャー誌に報告したものとは異なるバージョンの公式見解を行っています。RaTG13 は、その RdRp 遺伝子を SARS-CoV-2 のそれと比較した後に配列決定されたのではありませんでした。しかし、少し前に私達はそう聞いていたのですが。

武漢の科学者が今年行った事は、新しいコロナウイルスの全ゲノムを、彼らのプライベートアーカイブにある未発表のコウモリのコロナウイルスゲノムと比較することだったとの事です。

また、RaTG13 ゲノムでは配列の最初の 15 ヌクレオチドが欠落しており、鉱山で収集された元のサンプルが配列決定実験によって完全に消費されていることもわかりました。神秘的な RaTG13 の話は、他の分析や実験を行うための資料がこれ以上ないため、ここで終了する必要があります。

しかし、10月13日、ここでもう 1回どんでん返しがあります!

NCBIに登録されたゲノムが何の説明もなく突如更新されたのです。

最終的に15の欠落したヌクレオチドも表示され、6 個のヌクレオチドが変更されました。

ウイルスの配列が再度決定されたのでしょうか?彼らは、何らかの理由で最初に破棄した古い配列をどこからか見つけだしたのでしょうか?武漢の研究者は分析パイプラインの詳細を公開しておらず、ゲノムを更新することを決定した理由も説明していないため、わかりません。

言うまでもありませんが、陰謀論者は、この半端な真実、省略、および一部の事実を切り抜いて無限のゲームを遊んでいます。

はい、SARS-CoV-2 が RaTG13を使って行われた実験の結果である可能性は低いです。結局、2 つのゲノムは 1200 ヌクレオチド異なります。これは、研究室環境で利用可能なテクノロジーの速い進化速度を考慮しても、埋めるのが非常に難しい遺伝的差異です。

しかし、私達がこれまでに学んだ事から考えると、例えば、その坑道に他のコロナウイルスが存在したのではないかと疑問に思う事はそれほどおかしなことではありません。そのウイルスは、おそらくSARS-CoV-2にもっと似ています。

石正麗とその同僚がコウモリ ウイルスに特化した非常に豊富なデータベース、つまり野生生物が媒介するウイルス病原体データベースを非公開にしているため、この疑念は私には正当に思えます。

そのデータベース内には、何年にもわたって収集された約 20,000 のサンプルの配列が含まれており、その一部は未公開でした。データセットは Web からアクセスできなくなりました。残りのページは 1 ページだけですが、インターネット アーカイブを介してのみアクセスできます。

2020年11月17日更新
RaTG13 と鉱夫の話に関するビッグニュースです!
昨年 2 月に SARS-CoV-2 のいとこについて説明した武漢の研究者は、その発見に関する詳細を明らかにせずに、本日、元の記事の補遺を公開しました。この短い補遺の中で、著者らは墨江郡のTongguan鉱山で発生した謎の肺炎の調査に関与していたことを認めています。

彼らは 4 人の患者の血清サンプルを分析したが、病気の原因を特定することはできなかったと書いています。新型ウイルスを想定し、2012年から2015年にかけて年に1、2回鉱山を訪れ、合計1322個のサンプルを採取しました。これらのサンプルでは、293 種類のコロナウイルスを特定し、そのうち 9 種類のベータ コロナウイルス(すべて SARS 関連)を特定しました。そのうちの 1 つは RaTG13 で、そのゲノムは2018年に 2 つの末端を除いて完全に配列決定されました。

従って、この補遺は、石正麗がサイエンス誌に提供した配列決定のタイミングを裏付けます。彼女自身のNatureの論文に書かれていることと明らかに矛盾しています。それらの人々が SARS-CoV-2 に感染していないことを示すために、彼らは最近、SARS-CoV-2 タンパク質を探して血清サンプルを再分析しました。血清中にウイルスのRNA がほとんど見られないことを考えると、これは非常に奇妙な選択です。

科学界は、透明性が最近見られるようになった事に満足するでしょうが、まだ多くの疑問が残っています。

例えば、サンプルを失っていたのに数週間前に RaTG13 ゲノムの最後の15 の欠落しているヌクレオチドを追加できたのは何故でしょう?

なぜ石正麗はサイエンティフィック アメリカン誌に、これらの肺炎は真菌が原因だと言ったのでしょうか?

補遺に書かれているように、患者は本当に抗SARS抗体に対して陰性だったのでしょうか?それとも修士論文や別の博士論文で主張されているように陽性でしたか?

しかし、何よりも、RaTG13の発見が未知のウイルスによって引き起こされた謎の(そして致命的な)肺炎に関連していることを世界に明らかにするのに、なぜ彼らは9か月も時間を要したのでしょうか?

彼らは最終的に、病気の鉱山労働者の古い血清サンプルに加えて、これらの8つの新しいSARS関連コロナウイルスのサンプルと配列を科学コミュニティと共有するでしょうか?

Furinとセンザンコウ

自然起源説の証拠はどうでしょうか?

この数か月間に、このコロナウイルスのユニークな特徴が見かけほど特別ではないことを示すことを目的として、多くの論文が発表されました。

ただし、中間宿主を特定できた研究はありませんでした。3月から4月の間に、センザンコウの役割の可能性を示唆すると思われる4つの論文が公開されました。(Lam et al., 2020; Xiao et al., 2020; Zhang et al., 2020; Liu et al., 2020)。

当時、センザンコウの記事が毎日のようにニュースで取り上げられていて、多くの人が私たちがついに中間宿主を見つけた事を信じていました。

しかし実際には、これらの研究はすべて、同じサンプル、つまり、2019 年 3 月に広東省で密輸防止税関局によって差し止められ、2019 年 10 月に初めて記載された病気のセンザンコウのグループからのデータを分析したことが判明しました。(Liu et al., 2019).

一方、2009年から2019年にかけてマレーシアで押収された300匹以上のセンザンコウを分析したところ、コロナウイルスを持った動物は1頭も発見されなかったので、残念なことに広東省の標本は例外だった可能性があります。(Lee,et al., 2020)

さらに、前述のセンザンコウの論文は、欠落しているデータ、異なる名前で再分析されたサンプル、共有された共著者、および 1 つを除くすべての原稿がまったく同じ日に査読前論文が発表されたという奇妙な事実を対処すべく問題として抱えているようです。

しかし、心配しないでください!

論文を発表したジャーナルが詳細を調査中です。この問題は非常に深刻であるため、2 つのセンザンコウに関する論文を発表した Nature誌と PLoS Pathogens誌は、提起された懸念に対処するために、著者との調査を開始しました。

一方、Xiao らによる Nature の論文には、かなり雄弁な免責事項がすでに掲載されています。(訳注:下記の注意書きは半年以上経過後の現在も掲載されています)

Natureの編集者注
2020 年 11 月 11 日 編集者注: この論文で報告されたセンザンコウ サンプルの正体と、以前に公開されたセンザンコウ サンプルとの関係について懸念が提起されていることに、読者は注意が必要です。この問題が解決され次第、適切な編集措置が取られます。

センザンコウのストーリーは興味深いです。なぜなら、センザンコウは、既知のすべてのウイルスの中で、スパイクタンパク質の小さいながらも非常に重要な部分(RBD)を SARS-CoV-2 と共有している唯一のウイルスだからです。RBD(受容体結合ドメイン、Receptor Binding Domain)は、ヒト受容体と物理的に結合する領域です。

実際、当初、SARS-CoV-2は、RaTG13に類似したウイルスかセンザンコウのウイルスのいずれかかが実験室で組換えられた事に起因する可能性も推測されました。(Segreto & Deigin, 2020)または自然界で、2 つのウイルスが同じ動物に同時感染した可能性です(Li et al., 2020)。

他の分析は、代わりにこの組換えが実際には起こらなかったことを示唆しているようです。センザンコウのRBD は SARS-CoV-2が「獲得」したものではなく、RaTG13が失ったものであるという仮説です。(Boni et al., 2020)。

非常に多くの仮説が立てられていますが、まだ確実性はほとんどありません。

もう 1 つの重要な手がかりは、雲南省でも発見された SARS-CoV-2 のもう 1 つのいとこである RmYN02 コウモリ ウイルスを説明する研究の発表です。(Zhou et al., 2020)。

この発見は、SARS-CoV-2 で見つかった特異なfurin切断部位についての議論に新しい要素をもたらしたため、重要です。furin は、一般的に、他のヒトタンパク質を切断して活性化させ、機能させるヒト酵素ですが、一部のウイルスは、それを悪用することを学びました。

実際、furinによる開裂により、特定の種類の細胞により容易に侵入することができます。すべてのウイルスがこの酵素によって認識されるシグナル配列を持っているわけではなく、SARS-CoV-2 はそれを持っている唯一の SARS のようなコロナウイルスです (Coutard et al., 2020)。特定のケースでは、ウイルスが肺細胞に感染するのを助けるようです (Hoffman et al., 2020)。

この切断部位の希少性を考えると、過去に他のウイルスで行われたように(Follis et al., 2006; Yang et al., 2015)、研究室に挿入された可能性があると推測する人もいます。

しかし、RmYN02 の発見は、これらの挿入が自然に発生する可能性があることを示唆しています。

明らかに、事実、このウイルスはSARS-CoV-2とまったく同じ位置にスパイク遺伝子が挿入されていますが、誰もが確信しているわけではありません。(Segreto & Deigin, 2020)

これが本物としても、この挿入はいずれの場合も、より有名な従妹に起こったようなfurin切断部位を作成しませんでした。

今後の展望
武漢の科学者の矛盾した行動は、必然的に多くの疑問を提起します。すでに述べたように、中国の研究者が SARS-CoV-2 の起源と関係があるという証拠はありません。

しかし、ここ数か月にわかったすべての異例な事態は、真剣で独立した調査を保証するために必要なものであり、最終的には、誰もが尋ねている質問に明確な答えを与えるのに役立ちます。

このウイルスはどこから来たのでしょうか?

ニューヨーク・タイムズが報じているように、WHOは中国の科学者と一緒にこの答えを探していますが、いくつかの困難があります。

中国と合意した計画は11月5日に発表され、特に次の内容が含まれています。

・武漢の初期患者とのインタビュー
・華南市場で販売されている動物と製品の一覧作成
・古い病院の診断記録
・アウトブレイクの数か月前の肺炎およびインフルエンザ症候群の傾向の評価
・2019 年 12 月以前に収集された下水および血液サンプルのテスト

WHOチームは、中国の協力パートナーから提供された結果と文書を参考にして、ほとんどの作業をリモートで行いますが、「適切な時期に」中国を訪問することも計画されています。 いずれにせよ、武漢ウイルス学研究所は文書の中でさえ言及されていません。

したがって、科学界の大部分と同様に、WHOはSARS-CoV-2が人獣共通感染症の不幸な結果であると信じています。

つまり、動物から人間にウイルスがジャンプしたと信じています。自然界の起源を確信している科学者は、オッカムの剃刀(訳注:ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでないとする指針)を信奉しています。

疫病は過去に自然界起因で起こったのですから、最も簡単な説明は、それが今回も起こったことです。しかし、私の個人的な意見では、これは疑わしいスタンスです。なぜなら、研究所からのウイルスの偶発的な漏洩はまれですが、不可能なことではないからです。

さらに、SARS-CoV-2が出現した都市に、コロナウイルス研究を専門とする世界有数の研究センターが存在することは、無視できない事実であり、奇妙な偶然として無視することはできません。

少なくとも、どんなウイルスが収集され、後に武漢で研究されたかを確認する前にすべき事ではありません。SARS-CoV-2 の起源を発見することは、憶測や主観的な確率で満足するにはあまりにも重要です。

私たちは探し続けなければなりません。 そして多分、私たちは何かを見つけるでしょう。

例えば、センザンコウで発生したように、SARS-CoV-2 に非常によく似たウイルスが、一部の家畜や密輸業者によって売買された動物で発見される可能性があります。

この手がかりは、これまでに感染しやすいことがわかっている動物((猫、ハムスター、フェレット、ミンク)から得られる可能性があります。

または、中国の病院に保管されている凍結サンプルから SARS-CoV-2 の祖先が発見され、ウイルスが数か月間気付かれずに人の間で循環していたことが明らかになるかもしれません。

または、このシナリオの可能性は低いかもしれませんが、武漢ウイルス学研究所の研究からSARS-CoV-2 の実験記録が見つかるでしょう。

残念ながら、最後の可能性は残ります。それは非常に具体的なものですが、私たちはこれを発見することはなく、私たちの質問は答えのないまま永遠に残るでしょう。

この記事をレビューしてくれた Alina Chan に感謝します。

3.トランプ前大統領が好きでない人に読んでもらいたい新型コロナの起源が再調査されている理由関連リンク

1)mygenomix.medium.com
Fearsome viruses and where to find them

2)drasticresearch.org
the-team

3)www.nature.com
Isolation of SARS-CoV-2-related coronavirus from Malayan pangolins

4)www.newsweekjapan.jp
「研究所流出説」を甦らせた素人ネット調査団、新型コロナの始祖ウイルスを「発見」!

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