GoogleニュースのAI刷新とフェイクニュースの歴史

入門/解説

1.GoogleニュースのAI刷新とフェイクニュースの歴史まとめ

・GoogleがGoogleニュースを刷新、AIでより使いやすく
・個人趣味嗜好に特化したニュースと誰が見ても同じニュース一覧を提供
・フェイクニュース対策は触れられていないがGoogle検索同様今後充実しそう

2.GoogleニュースのAIの刷新

Google I/O 2018で発表され、既に日本でも刷新されているがGoogleニュースがAIの力でより使いやすくなったとの事。

1)様々な報道を経緯がわかりやすいようにストーリーラインに整理
今何が起きているのか、どんな影響や反応があるのかを分かりやすく整理して表示。何時時点のニュースなのかがわかりやすくなっている。
2)ユーザの趣味嗜好に合わせたニュースを表示
トップニュースやローカルニュース、お気に入りのトピックスをひと目で確認可能。ユーザの趣味嗜好を人工知能機能が学習して使い勝手をどんどん良くしてくれるようになった。
3)「すべての記事」ではすべてのユーザーに対して同じ内容を表示
信頼できるコンテンツ提供元による、カスタマイズされていない情報を提供。差別や公平性の問題に対応するため、誰が見ても同じになるニュース一覧も提供している。

とても便利に使っているが、わざと嘘のニュースを発信するいわゆるフェイクニュース対策がどうなっているかの説明をまだ見つける事ができない。

3.Google検索のフェイクニュース対策の歴史

少なくとも2016年7月の時点では、Googleは「検索結果に表示するページの情報が正しいかどうかは判断していない」と明言していた。批判はあったが技術的な解決が難しく、「正しい情報」は簡単に定義出来ないので致し方ない部分もあったのかと思う。

しかし、フェイクニュースがお金になる時代になった。SEO対策をしたフェイクニュースが上位表示され、現実世界の選挙などにも影響を与えるような状況になり、日本でも正確性より収益性を重視して医療情報を提供するサイトなどが表れて社会問題となった。

これを受けてGoogleは2017年3月に「検索品質評価ガイドライン」を変更し、YMYL(お金・健康・安全・法律)とニュースにおいて、品質を重視すると宣言をした。特定分野において従来のように「関連性」だけでなく「品質」をより重視すると言う宣言。具体的には第三者によるファクトチェック結果を表示したり、全世界に1万人いる評価者が各ページの品質をチェックし、そのフィードバックを不適切なページやサイトの判断材料の一つとして使うようになった。

品質とは「他の人たちの言っている内容と一致しているか」という観点から見ているとの事で、相変わらず「正しい情報か?」については踏み込んでいないようだ。しかし、現実世界においてもA新聞とS新聞では同じニュースをまるで違う論調で伝える事があるので「正しい情報か?」は総論賛成各論反対で実現は難しいだろう。

上記はGoogle検索の話で、今回のGoogleニュースとは直接的な関係はない。Googleニュースは信頼できるニュース提供デベロッパーからニュースを取得しているとの事なのでGoogle検索よりは対策は簡易かもしれないが、「他の人たちが言っている内容と一致しているか」で品質を判断したら「すべての記事が似たり寄ったりの内容」とニュースとしての価値が少なくなってしまうのでこれはこれで難しそう。

フェイクニュースは意外性があるので人に伝えたくなり、通常のニュースより広く早く伝播すると言う研究結果も発表されている。技術論ではいたちごっこになってしまうので、フェイクニュース対策は検索技術ではなく「フェイクニュースがお金になる」現状を広告出稿方面から対策していくのが一番現実的ではないかと思う。その意味だとGoogleニュースの方が継続的に記事品質をチェックしてお金の流れに影響を与える事もできそうなので、「Googleニュース上で報道されているか?」がフェイクニュースの判断基準の一つになる時代もくるかもしれない。

4.GoogleニュースのAI刷新とフェイクニュースの歴史関連リンク

1)japan.googleblog.com
新しい Google ニュース – 人の知性と AI の出会い

2)webtan.impress.co.jp
グーグルは情報の正しさを保証しない。嘘情報でも上位表示することがある などSEO記事まとめ10+2本

Googleは情報の正しさを判断するようになるのか? 偽ニュース対策で検索アルゴリズムを更新したGoogleのベン・ゴメス氏に聞く

3)wired.jp
マケドニア番外地 潜入、世界を動かしたフェイクニュース工場へ

4)gendai.ismedia.jp
数千万稼ぐ者も…「フェイクニュース製造村」で見た驚きの現実

5)www.natureasia.com
フェイクニュースは速く広く伝わる

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