AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測インダストリー編(1/3)

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1.AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測インダストリー編(1/3)まとめ

・コンテナ化とKubernetesはHadoopベースのデータレイクを置き換えて勢いを増していく
・デジタルデバイドのように分析スキルの有無による分析デバイドによる大きな格差が出現
・勝者と敗者は分析を活用しているものと活用していないものによって定義され続ける

2.ビジネス界における人工知能やマシンラーニングの2020年の振り返りと2021年の予測

以下、www.kdnuggets.comより「Industry 2021 Predictions for AI, Analytics, Data Science, Machine Learning」の意訳です。

ビジネスの現場で最前線にいる人達の意見なので、自身の願望が少し入っているのではないかと感じる部分もありますが、自身の力で新しい市場を切り開こうとしている人もいるのでこれはこれで刺激になりますね。

世間で話題になる事が多いDX(Digital Transformation、デジタルトランスフォーメーション)に対する言及が増えています。DX自体は結構曖昧な概念で「デジタルを利用した抜本的な変革」くらいの意味ですが日本では「DXするためには既存のITインフラが老朽化しすぎて、2025年までにシステムの刷新をしないと、それ以降、結構な額の経済損失が発生する可能性がありますよ」という経済産業省のレポートが有名と思います。

なので、インフラ刷新というと大きなビジネスチャンスであるのと、「デジタル」という曖昧な定義の中に流行り物(AI、Iot、エッジ、ブロックチェーン、XR(VR, AR, MR)、クラウド等々)を幾らでもぶっこめるので、非常に便利なお題目として使われている単語です。

DXのデジタルは「新しい or コンピュータにとって扱いやすい」の意味合いで使われていると思いますが、AIの真価は従来は人間にしかできなかった「古い or コンピュータにとって扱いにくい」アナログな処理をもトランスフォーメーション出来る事、つまりアナログトランスフォーメーションであって、これは生産性が上がると言う観点からは素晴らしい事かもしれませんが、多くの人にとって「収入を得る手段がなくなるかもしれない」と言う意味で脅威になりうると感じています。

アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by sol on Unsplash

以前に公開した
AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測リサーチ編
AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測テクノロジー編
に続き、これが2021年の予測シリーズの最後、インダストリー編です。

多くの投稿があり、この記事を管理しやすいサイズに留めるために、Alluxio, Alteryx, Diamanti, Dremio, Indicative, Lexalytics, Luminoso, MathWorks, MobiDev, Qlik, SAS, Splice Machineの12社に限定しました。

(1)Haoyuan Li:Alluxioの創設者兼CEO

・分析用途とAI用途にあらゆる場所で「コンテナ化」が進む
コンテナ化されたアプリケーションの展開とKubernetesは、企業が従来のHadoopベースのデータレイクからますます離脱する事で勢いを増してます。

企業はHadoopから離脱する一方で、機敏に動けるようにパブリッククラウドを採用し、物理的なインフラを抽象化することのメリットを実感しています。

特定のベンダーから離れられなくなる事が懸念事項ですが、同時に、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境などで運用する際に必要となる専門知識への支出を削減するには、環境全体で統一されたツールセットが必要です。

コンピューティング抽象化のためのコンテナベースの展開と、どこにでもストレージを提供するための新しい抽象化サービスは、Hadoopから移行する企業にとって最適なソリューションになります。

・機械学習フレームワークの収束
あらゆる規模のあらゆる段階の企業が、機械学習とその運用に積極的に取り組んでいます。ゲームをリードするTensorFlowやPyTorchなど、モデルトレーニング用の一般的なフレームワークがいくつか存在します。

Apache Sparkがデータ変換ジョブのリーダーと見なされ、Prestoが対話的クエリの主要なテクノロジーとして浮上しているように、2021年は、PyTorchまたはTensorFlowを主要な候補として、先行しているツールがより広範にモデルトレーニング時に使われるようになるでしょう。

・同じプラットフォーム(チーム)が提供するAIと分析
AIチームと分析チームは、過去に様々なプラットフォーム/チームによって提供されていました。何年にもわたって、プラットフォームが収束し、AIチームがアルゴリズムの側面により重点を置くようになった一方で、AIチームと分析プラットフォームチームは統合されて、分析チームとAIチームの共用にソフトウェアインフラストラクチャが提供されています。

(2)Alan Jacobson:Alteryxの最高データおよび分析責任者

スキルアップは、企業の役員室だけでなく、従業員の生活においても大きな役割を果たすようになります。

企業が従業員にトレーニングを提供することは常に重要ですが、データサイエンスとデジタルトランスフォーメーションの分野は、企業が壁を乗り越え、ROIを向上さるための新しく絶えず進化する事を困難にしています。

人々がリアルタイムでスキルを学び、適用するのに役立つスキルアッププログラムがますます見られるようになります。ハッカソンは、これが現在多くの企業でどのように起こっているかの一例です。

真の価値を創造することを目的として、実際のデータと現実世界の問題に関する職務経験、およびその延長が見られるようになります。データサイエンスは、人々が学ぶために大学に戻る必要がないところまで進化しました。彼らは新しいツールやテクノロジーに出会うことで、仕事中や家にいる間に学ぶことができます。そして、分析スキルを持つ人が非常に不足しているため、多くの人が新しいスキルに基づいて新しい仕事やキャリアを開始します。

「分析デバイド(analytic divide)」は更に悪化します。広く知られている「デジタルデバイド(訳注:digital divide、デジタル機器を扱える人と扱えない人の間に大きな格差が生まれる事)」と同様に、「分析デバイド」の出現も見られます。

多くの企業はパンデミックのために分析に投資するように駆り立てられましたが、他の企業は営業を続けるために重要とは見なされないものを全て削減することを余儀なくされました。そしてこれらの組織では、分析への適切な投資はまな板の上の鯉となりました。

これは、分析能力有無による格差が2021年に更に拡大することを意味し、この傾向は今後何年にもわたって続くでしょう。間違いなく、全ての業界の勝者と敗者は、分析を活用しているものと活用していないものによって定義され続けます。

分析プラットフォームとプロセスは、場当たり的な分析や組織横断的な問題解決ができない縦割り組織を圧倒していきます。企業は既に組織全体でデータの民主化を開始しており、より多くの従業員にリアルタイムの洞察を提供しています。これは企業文化の変化と技術の変化の両方で加速していると思います。この傾向により、より全体的で効果的な問題解決プロセスの一環として、深い専門知識を持つデータの専門家と市民データサイエンティストがますます力を合わせることになるでしょう。

(3)Boris Kurktchiev:DiamantiのField CTO

AI/MLが次の大きなものになると誰もが思っていましたが、AI / MLの意味については混乱があると思います。AIがエンドユーザーにとってどのように、そしてなぜ重要であるかについて、エンドユーザーには多くの混乱があります。

AIとMLのアプリケーションが何を意味するかを判断するために、拡張テクノロジーがさらに進歩することになるでしょう。そして、エンドユーザーにとってテクノロジーをより良くするためにそれをどのように使用できるかが明らかになっていくでしょう。

誰もがハイブリッドクラウドを望んでおり、ハイブリッドクラウドは1つのものに依存しています。それは統合Kubernetes(federated Kubernetes)です。このアイデアは、2015年以来、開発者コミュニティの注目を集めています。2021年は、組織が真にハイブリッドクラウドを実現できるような適切な実装が見られるようになる年です。統合Kubernetesがないと、組織は異なるクラウドに存在する異種のコンポーネントと格闘しなければなりませんが、互いに真に統合することはできません。

3.AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2020年の進展と2021年の予測インダストリー編(1/3)関連リンク

1)www.kdnuggets.com
Industry 2021 Predictions for AI, Analytics, Data Science, Machine Learning

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