HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術の読書感想

ヘルスケア

1.HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術の読書感想まとめ

・バターコーヒーで有名になったデイブさんの第2弾は食事以外の頭に良い事も解説
・基本的には他所でも頭に良いと言われている事であり第1弾ほど極端ではない
・食事部分の徹底は相当キツいのでやるとしても手軽な部分から慎重に取り入れよう

2.バターコーヒーダイエットとは?

以下、久しぶりにai.googleblog.comの更新に追いついたので、AIもビッグデータも全然関係ない頭の健康関連で本の感想です。

この画像からパンを抜いてグラスフェッドステーキと野菜をたっぷり追加して毎日食べる事を想像して欲しいアイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Efe Kurnaz on Unsplash

人は食べるために生きるのか?それとも生きるために食べるのか?

人間は一生のうちに食べられる食事の回数が決まっているのだからと、一食一食をとても大切にする人もいますし、生きていくために必要な栄養素が短時間で吸収できれば十分と、完全栄養食をアピールする食品に魅力を感じる人もいます。

私も含めて理系の人はどちらかと言うと後者、すなわち楽しみではなく効率を重視する人が多いのかなと思うのですが、それでも「どちらかというと後者」という感じで徹底している人は多くはないでしょう。

食に対する楽しみを一切、完全に捨てさるのは中々にハードルが高く、ある意味、遺伝子に刻まれた食への渇望に戦いを挑む事に通じ、かなり絶望的な戦いだなぁ、と感じる事があります。

さて、表題の本なのですが、バターコーヒー本、つまり「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」という本で有名になったデイヴ・アスプリーさんの第2弾です。つい先月、第3弾「シリコンバレー式超ライフハック 」が翻訳されたのですが、第2弾が出ていた事に気付いていなかったので、今回は敢えて第2弾を買いました。

第2弾は食事以外にも様々な頭に良い生活習慣を紹介していますが、やはり一番インパクトが大きいのは食事であり、その中でもやはり異彩を放つのは1作目の主題となったバターコーヒーです。

バターコーヒー、完全無欠コーヒー、防弾コーヒー、バレットプルーフコーヒー(Bulletproof Coffee)等、様々な呼ばれ方をしていますが、バターコーヒーダイエットをご存じない人のために軽く説明しますと、コーヒーにバターと油(MCTオイル)を入れて、ミキサーで撹拌し、朝食代わりに飲むというダイエット法で、頭の回転も良くなると作者のデイヴさんは主張しています。

嘘くさい?また新手のインチキダイエットが出てきたかって思えます?

実は私もやった事があって、これ、実際に痩せます。健康に良いかはイマイチわからないのですが、当時の私が体重過多気味だった事もありますが、バターコーヒー以外の推奨事項なども含めて徹底すれば一カ月に五キロ程度は本当に痩せる事が出来ます。

それと客観的に測ったわけではないので単なるプラシーボ効果かもしれませんが、朝、自然にすっきりと目覚める事が出来たのと、頭の働きが鋭敏になる感覚も実感がありました。ただし「頭のキレは増していたかもだけど精神的にも相当ヤバメだった」と言う第三者評価も受けているので健康に良いかは本当に本当にわかりません。

そして、当時、あまり健康的な生活でなく且つ大変にストレス過多であった事もあるのでバターコーヒーのせいとは言い切れないのですが、同時期に目の慢性的な充血、コレステロール値、尿酸値の上昇なども確認しています。尿酸値は単に数値の上昇だけではなく尿管結石で七転八倒するという結果も伴っています。

コレステロールは大部分が体内で作られるため、外部から摂取する量はほぼ関係ないと言う説も聞いてはいるのですが、さすがにコレステロールが危険値を大幅にオーバーしている事が指摘されているのに「毎朝、バターとオイルをたっぷり入れた油ぎったんぎったんのコーヒーを愛飲してます」とは言い難く、休止して運動中心の健康制御に切り替えたのですが、二作目を読んで相変わらずレシピ紹介をしていて懐かしくなりました。

バターコーヒーは根拠が十分ではないとか、都合の良い論文だけを紹介しているとか様々な批判がある事も承知しているのですが、著者のデイヴ・アスプリーさんは実践主義で自分の体で確かめているところが凄くて、おそらく理論は後付けが多いんです。食べてみて、やってみて、自分の体に起きた変化を観察し、その後で理論的根拠を捜してるようなので理論的な突っ込みどころはあります。

やろうと思えば、理論的根拠を隙のないように積み上げるとかも出来る人だと思うのですが、デイヴさんはそうせずに、本の後半ではオリジナルレシピの追求を始めちゃうんですよね、で、その動機が実際にやってみると痛いほど良くわかるんです。

痩せる痩せないは実際にやってみればすぐわかる話であり、その次の絶望的な戦いに備えねばならないからです。

バターコーヒー自体は色物に聞こえますが、その他の推奨項目は一般的に健康に良いと言われている事ばかりで、すっごいぶっちゃけて書くと「健康に良い(が価格も高い)食材と(近代的な調味料を使わず)手間暇をかけて、(一般的な料理と比べて)それほど美味しくない料理を作って毎日食べ続ける」事に帰着します。

つまり、食材には徹底的にコダワる必要がありますが味覚の追求にはスゴイ制限があるのです。

人情としてはお金や手間暇をかけたら美味しいものが食べたくなるじゃないですか、しかし、人類が連綿と探求してきた美食に関する知見がほとんど流用できないので、味は後回しで「脳に良い」事のみをひたすら追求し、その後に「比較的マシ」な味を追及して行く事になるので、ある意味、レシピ追及はすっごい自然な流れなんで、え、あ、やっぱりレシピ追及に行くんですね、って感じなのです。

「比較的マシ」とは失礼な言い方かもしれませんが、デイヴさんがレシピ研究も熱心で偉大な人ではあるのは間違いないと思うのですが、古今東西、和洋折衷、中国四千年の名だたる料理の鉄人達にグラスフェッドバターとMCTオイルのみを武器に立ち向かうようなものなので、味で勝負は根本的に無理があります。これは文句でも悪口でもなく少なくとも私の料理の腕前では太刀打ちできません。

「いきなり俺流レシピを書き始めていて説得力がない」とネガティブな感想を持つ方もいるようなのですが、違うんです、思考の流れがあまりに自然に理解できるので、熱心にレシピを執筆してるところに、私はものすっごい説得力を感じるのです、あぁ、やっぱりツラク感じる事はあるんだろうなって思うのです。

生まれながらにしてバター超大好きな人は別かもしれませんが、毎日毎日、暑い日も寒い日も、脂肪分大目の食事をひたすら食べ続けるのはやっぱりツラク感じる時、あると思うんです。私がバターコーヒーダイエットを休止して最初に食べたのは、薬味もなにもない本当に素の素麺+めんつゆだったのですが、あまりに美味しすぎて涙が自然にぽろぽろとこぼれ落ちた事を思い出します。

それと論文を根拠にデイヴ本に対して食品Aは実際には体に良いのだとか、食品Bは本当は体に悪いのだ等の指摘も出来るとは思うのですが、その実験に使われたAを自分が実際に入手可能かという視点がとても大事と思います。

例えば、デイヴ本では、グラスフェッド(grassfed)、すなわち牧草を食べて育った家畜の肉やバターを重視します。ですが、グラスフェッドミートは私の知る限り厳密な定義はないので「(主に牧草で牛を飼育している国から輸入した製品なので)グラスフェッドバター or ミートです」として販売している製品などがかなりあります。

そういったケースでは品質の見極めは、デイヴ流の「食ってみてその後の体調を観察」の繰り返ししかないと思うので、やっぱり方法論としても有用なんですよね。

どのようなAであっても体に良いのであればAだけ食べてれば良いので楽なのですけれども。
品質の悪いAが出回っている事はあり得ますし、個人個人の体質も強く影響します。実践を考えるとやっぱり論文が絶対正しいとは鵜呑みに出来ずデイヴ流の試行錯誤でやるしかないと思うんです。

この可能性に思い当たったのはデイヴ本で「玄米より白米が好ましい」としているのを読んだときです。白米の方が良いって違和感がありませんか?

お米民族である日本人としては「玄米は体に良い」と言い伝えを聞いて育ってきたと思うのですが、実は玄米って精米をあまりしていないので農薬の影響が残留しやすいと言う側面があるらしいんですよね。

ですので、私も知らなかったのですが、価格高めの玄米の中には農薬の使用量を減らして栽培した玄米である事をアピールしている製品もあります。グラスフェッドが我々日本人に入手しにくいように、玄米はアメリカ人のデイヴさんにとって入手が難しい選択肢が少ない食品だったのではなかろうか、と想像しており、入手可能性や経済合理性、持続可能性などを多面的に考えて「私が入手可能なA」は体に良いのだろうか?まで考える事が必要なんだろうなっと思っています。

たまに高級店でグラスフェッドステーキを食べるとか、たまにファミマでバターコーヒーを買って飲むとか、そのレベルだったら支障はありませんが、徹底するためには毎日続けなくてはならないので如何に無理しないかという視点が大切になります。

ちなみに、ここまで熱弁しておいて何なんですけれども、健康に良いかどうかはまだ本当にわからないので、バターコーヒーはオススメはしません。

炭水化物の摂取を制限するロカボ生活も健康に良いと言う話と、極端すぎると早死にする傾向があるなんて話もあり、評価は定まっていないと感じていますが、バターコーヒーはロカボ以上に未知数です。

仮にバターコーヒーが健康に悪かったと言う事になると、お金をかけてそんなに好みではない飲み物を我慢して飲んで寿命を縮めていたと言う踏んだり蹴ったりの結果になるので、ちょっと試すとかなら全然良いと思いますが、デイヴ流のガチのバタコ生活は良くも悪くも劇薬だと思うので本当にご注意ください。

デイブさんの何事も自ら実践するスタンスは偉大だと思うし好きなんですけれども、バタコ生活を一生続けていくのって相当な覚悟がなければキッツイので、やるとしても他の推奨項目である運動、睡眠、呼吸、瞑想、光源のパートを優先し、食事部分も野菜大目の生活に切り替えとか、極端ではないところから取り入れる事を推奨です。

まぁ、私は食材が揃うなら二週間だけもう一度チャレンジしてみたいなぁ、って気持ちも少ぉ~しだけ、ほんの少しだけあるんですけれども。

 

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