Soli:Pixel4のMotion Senseを実現する革新的なレーダー(1/3)

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1.Soli:Pixel4のMotion Senseを実現する革新的なレーダー(1/3)まとめ

・Pixel 4はMotion Senseによりスマートフォンに触れることなくさまざまな方法でPixelを操作可能
・Motion Senseは新しいレーダーであるSoliと画像を必要としないアルゴリズムによって実現可能になった
・つまりMotion Senseはユーザの存在を検出するためにユーザを識別可能な画像を必要としない

2.Motion Senseとは?

以下、ai.googleblog.comより「Soli Radar-Based Perception and Interaction in Pixel 4」の意訳です。元記事の投稿は2020年3月12日、Jaime LienさんとNicholas Gillianさんによる投稿です。これはPixel4用に開発された技術ではありますが、ステルス戦闘機などが簡単に補足出来るような応用も考えられますから本当に色々な場面でAIが従来の常識を変えていくのだろうな、と思います。一瞬のモーションを切り取ったセンスが何となくMotion Senseを連想させたアイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Joe Pizzio on Unsplash

Pixel 4とPixel 4 XLは使いやすさを重視して最適化されており、この目標の実現に役立つ主要な機能はMotion Senseです。Motion Senseにより、ユーザーはスマートフォンに触れることなくさまざまな方法でPixelを操作できます。例えば、Motion Senseを使用すると、特定のジェスチャーを使用して再生中の音楽を変更したり、着信音を即座に消す事ができます。

更に、Motion Senseは、あなたが携帯電話の近くにいる時や携帯電話に近づいてきている事を検出出来るため、行動を予測することでより便利な機能を実現できます。カメラを準備して即座に顔認識を行いロック解除をしたり、あなたが近づくにつれ着信音を小さくしたり、あなたがスマートフォンの近くにいない時はディスプレイをオフにして電力を節約する事が出来るのです。

Motion Senseの背後にある技術はSoliです。これは、一般消費者向けスマートフォンに初めて搭載された短距離レーダーセンサーであり、画面をタッチせずともスマートフォンとの対話を可能にします。

以下では、Soliのコアレーダーセンサーの原理、レーダーデータから人間の活動を認識するために使用される信号処理と機械学習(ML)アルゴリズムの設計、および一般消費者向けデバイスでSoliを活用するために様々な課題をどのように解決したかについて説明します。

Motion Sense用のSoliレーダーシステムの設計
レーダーの基本的な機能は、電波を使って遠方に存在する物体の属性を検出および測定することです。

従来のレーダーシステムには、電波を発信するトランスミッターが含まれています。発信された電波は発信方向に存在する物体によって散乱またはリダイレクトされます。そして、エネルギーの一部がレーダー受信機によって受信され、レーダーシステムは、受信した波形に基づいて、物体の存在を検出し、これらの物体までの距離やサイズを推定できます。

レーダーは、ほぼ1世紀にわたって検出および測距技術として活発に研究開発されてきました。従来のレーダー技術は、飛行機や車などの大きくて硬い、遠くの物体を検出する用途で設計されています。そのため、一般消費者が手で持って使ったり、複雑な動きを感知するためには感度と解像度が不足していました。従って、SoliチームはMotion Senseを可能にするために、特に人間との相互作用をきめ細かく知覚するための新しい小規模なレーダーシステム、新しいセンサーの使い方、およびアルゴリズムをゼロから開発しました。

従来のレーダー設計は、様々な物体を認識し、それらの空間構造を区別するために、ターゲットを測定または識別できる能力が必要でした。このような能力は、空間分解能(spatial resolution relative)と言い、実現には通常、広い伝送帯域幅、狭いアンテナビーム幅、および大きなアンテナアレイが必要になります。

一方、Soliは、空間構造ではなく、動きに基づいた根本的に異なる用途でセンサーを使用しています。

これにより、Pixel 4 のSoliのアンテナアレイ全体を5mm x 6.5mm x 0.873mmのチップに収めることができ、レーダーを携帯電話の上部に統合することができました。

特筆すべき事は、従来の光学式イメージングセンサーとは対照的に、ターゲットの空間構造を捉えるために画像を必要としないアルゴリズムを開発した事です。つまり、Motion Senseはユーザの存在、またはジェスチャーを検出するために、人の体または顔が識別可能な画像を必要とせず、それらは生成されません。


Pixel 4上部に配置されているSoli

 

3.Soli:Pixel4のMotion Senseを実現する革新的なレーダー(1/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Soli Radar-Based Perception and Interaction in Pixel 4

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