Soli:Pixel4のMotion Senseを実現する革新的なレーダー(2/3)

モデル

1.Soli:Pixel4のMotion Senseを実現する革新的なレーダー(2/3)まとめ

・Soliは繊細な動きを検出して認識するために、受信信号の時間的変化を利用
・ターゲットの位置のズレは物体の速度に比例してドップラー周波数として区別可能
・近づいてくる人、端末に手を伸ばす動作、スワイプ操作などで明確な違いが現れる

2.Soliの動作

以下、ai.googleblog.comより「Soli Radar-Based Perception and Interaction in Pixel 4」の意訳です。アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Joe Pizzio on Unsplash

Soliは、繊細な動きを検出して認識するために、受信信号の時間的変化を利用しています。

具体的には、Soliレーダーは60GHzの周波数変調信号を送信し、近くの物体または人から反射される信号を受信して重ね合わせます。最初に送信をした時点と次の送信をした時点で、ターゲットの位置が1mm未満の変化をしただけであっても、受信信号の時間的なズレを引き起こされ、このズレは検出可能です。

それぞれの送信で、これらのズレは物体の速度に比例するドップラー周波数として現れます。異なるドップラー周波数を認識することにより、Soli信号処理パイプラインは、異なる動きで移動する物体を区別できます。

以下のアニメーションは、特徴的な動きを処理したSoli信号が、様々なアクションをどのように示すかを示しています。

各画像の縦軸は、センサーからの距離を表し、上から下に向かって増加します。横軸は、センサーに向かう、またはセンサーから離れる速度を表します。中央がゼロ、左側が接近するターゲットに対応する負の速度、右側が後退するターゲットに対応する正の速度です。

レーダーが受信したエネルギーは、これらの距離と速度をX軸とY軸とし、各画素の明度で表現されます。つまり、強く反射するターゲットは、弱く反射するターゲットと比較して、明るくなる傾向があります。

これらの距離と速度をグラフ化したエネルギーの分布と軌跡は、近づいてくる人、端末に向かって手を伸ばす動作、スワイプ操作などで明確な違いが現れます。

左の画像では、人がデバイスに近づくにつれて、複数の身体部分からの反射が速度軸のマイナス側(つまり接近しているので左側)に表示され、人がデバイスの近くで停止すると画像の上部で速度ゼロとして停止します。

デバイスに向かって手を伸ばす動作を示す中央の画像では、手はセンサーから20cmの静止位置から始まり、デバイスに向かって負の速度(つまり接近しているので左側)で加速し、最終的にデバイスに到達すると停止するまで減速します。手の動きに対応する反射は、ジェスチャーの過程でセンサーに手が近づく事に対応して、画像の中央から上に移動します。

最後に、3番目の画像は、デバイス上でのスワイプです。負の速度、つまり速度軸の左半分からセンサーに向かって移動し、距離ゼロとしてセンサー上を直接通過し、そして、センサーから離れ、デバイスの反対側でストップします。


左図:Presence、デバイスに向かって歩いてくる人
中図:Reach、デバイスに向かって手を伸ばす動作
右図:Swipe、デバイス上でスワイプする操作

各反射は、Soliの3つの受信機のそれぞれで受信した信号を処理することでも推定できます。この位置情報は、ターゲットを識別するために範囲と速度に加えて使用できます。

Soli向けに設計した信号処理パイプラインには、カスタムフィルターと首尾一貫した統合処理の組み合わせが含まれており、これにより、S/N比を高め、不要な干渉を減衰し、人からの反射をノイズや混線から区別できます。

これらの信号処理機能により、Soliは消費者向けスマートフォンの制約内で低電力で動作する事ができるのです。

3.Soli:Pixel4のMotion Senseを実現する革新的なレーダー(2/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Soli Radar-Based Perception and Interaction in Pixel 4

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