人の流れを統計的に処理した結果から新しい洞察を得る(1/3)

入門/解説

1.人の流れを統計的に処理した結果から新しい洞察を得る(1/3)まとめ

・人々がどのように移動しているのかを知る事、すなわち人間のモビリティを知る事は従来は困難だった
・モバイル機器の通信状況から習得していため比較的狭い範囲狭い時間軸でしか計測できなかった
・しかし、最近は比較的容易に「匿名化された集団の移動」として移動状況が把握できるようになってきた

2.モビリティデータとは?

以下、ai.googleblog.comより「New Insights into Human Mobility with Privacy Preserving Aggregation」の意訳です。元記事は2019年11月12日、 Adam SadilekさんとXerxes Dotiwallaさんによる投稿です。

2020年4月追記)この記事を翻訳していた頃はモビリティデータは有用ですが、伝染病の伝播予測はさすがに今の時代ではニーズは発生しないだろう、なんて思っていました。ですが、2020年4月はコロナウイルス対策の効果確認用として公開されモビリティデータが一躍注目を集める事態になっています

人々がどのように移動しているのかを知る事、すなわち人間のモビリティを理解することは、伝染病の伝播予測、都市および交通インフラの計画、衝突や自然災害などの重大な事件に対する人々への影響を理解するために不可欠です。

従来、最新のモビリティデータは携帯通信会社の記録または特定地域へ立ち寄った記録に基づいていたため、限られた地域、つまり通信会社のサービス提供地域のみで利用可能でした。その結果、国境を越えた移動や長距離移動は通常捕捉されませんでした。ユーザーは国外では国内用に契約したSIMカードを使用しない傾向があり、データSIM契約は多くの場合、特定の地域に紐づけられているためです。

更に、そのようなモビリティデータは取得にかなりの時間がかかり、且つ限られた時間範囲と地理的領域内でのみ利用可能という制限もありました。

対照的に、各都市の住民の移動を「匿名化された集団の移動」としてプライバシーに配慮して測定した移動状況が、均一な縮尺で携帯電話の位置センサーから計算できるようになりました。この計測は直接かつタイムリーに測定できるため、都市計画に大変役立つ可能性があります。

スマートフォンを介して広域レベルで収集された匿名化および集計された人口の移動フローデータは、既存の手法よりも大幅に少ないリソースで計測可能なため、都市計画をより効率的に運用できるようになる可能性があります。

論文「Hierarchical Organization of Urban Mobility and Its Connection with City Livability」では、これらのモビリティパターン(集団的な移動に関する統計)が、公共交通機関の利用率の向上、歩きやすさの向上、一人当たりの大気汚染物質排出量の削減、病院に行きやすくするなどの健康指標の改善に繋がる事を示します。

オープンアクセス可能な学術雑誌であるNature Communicationsに掲載されたこの研究は、都市のより良い特性評価に貢献し、都市の居住性と持続可能性を改善する取り組みにおいて、より定量的な視点をサポートします。


モビリティマップのプライバシー優先で計算した人の流れの視覚化
個々のデータポイントが自動的に集約され、差分プライバシーノイズが追加されます。次に、これらの個々の動きを不明瞭にした集団としての移動状況が研究されます。

 

3.人の流れを統計的に処理した結果から新しい洞察を得る(1/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
New Insights into Human Mobility with Privacy Preserving Aggregation

2)www.nature.com
Hierarchical organization of urban mobility and its connection with city livability

3)github.com
google/differential-privacy

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