2020年3月29日時点の日本のCOVID-19 Community Mobility Reports

入門/解説

1.2020年3月29日時点の日本のCOVID-19 Community Mobility Reportsまとめ

・首都圏は東京を中心に人の動きが半減しており小売店や行楽地が大きな影響を受けている事が伺える
・東京は就業地以外は既にニューヨークと同等レベルで人の動きが減っており公園などはニューヨーク以上
・ヨーロッパのロックダウン地域は人の動きが9割減でニューヨークや東京より更に一段階厳しい

2.新型コロナウイルスが「人の動き」に与えた影響

2020年8月追記)COVID-19 Community Mobility Reports関係はこちらのページにまとめました

以下、www.google.comより「COVID-19 Community Mobility Reports」の意訳と視覚化です。元記事のデータ更新日は2020年4月2日、期間限定でのデータ公開とのお話です。

新型コロナウイルスが直近の日本のモビリティ、すなわち「人の動き」にどのような影響を与えたかを把握できる数値です。

具体的には、GoogleMapの「混雑具合」や「滞在時間」の算出に使われているのと同等なデータを使い、基準期間と比較して人の動きがどのように変化したかを示す統計的な割合です。

本レポートは社会的距離戦略(social distancing)の対応状況を把握する手助けとして公開されたデータで、社会的距離戦略(social distancing)とは、欧米で急速に広まっている言葉で、人と人の間を6フィート(約180cm)空けるようにして、コロナウィルスなどが人から人へ感染する事を抑止しようとする戦略です。

日本は社会的距離戦略は取っていませんが、「人々の移動がどのように変化したか?」を具体的な数値として知る事は公衆衛生当局だけでなく、様々な人にとって非常に有用と思えたので翻訳して扱いやすい形に整形して都道府県コードを付与してアップしておきます。

元データは「GoogleのCOVID-19 Community Mobility Reports」、日本地図は「国土交通省国土政策局「国土数値情報(国土数値情報(行政区域)N03-19)」」、QGIS 3.12.1を使用し、WebBigDataが編集・加工しています。本ページ内の画像と表は、各転載元の転載条件に従って頂ければ自由に利用して頂いて結構です。元ページには基準期間の具体的な変化がグラフ化されているので詳細をお求めの方は末尾のリンクをご覧ください。

アイキャッチ画像は江戸時代に疫病の到来を予言し、自らの写しを世に広めよと警告したと伝えられ、現在インターネット上でアイドルになっている妖怪アマビエの内製写し

Japan March 29, 2020 Mobility changes

Googleはあなたと公衆衛生当局者を助けるためにこのレポートを準備しました。このレポートはCOVID-19に関連する社会的距離戦略(social distancing)ガイダンスへの対応状況の把握を助けます。

このレポートは、医療診断、予後診断、治療目的で使用しないでください。
また、個人の旅行計画のガイダンスに使用することも意図していません。

「位置の正確さ」と「場所の分類」は地域によっての把握状況が異なるため、このデータを使用して、異なる特性を持つ国または地域間の変化を比較することはお勧めしません。(たとえば、農村部と都市部を比較する事など)

統計的に有意なレベルのデータがない場合は、レポートから除外しています。これらの傾向を計算しつつプライバシーを保護した手法については、「このデータについて」をご覧ください。

(1)Retail & Recreation(小売店と行楽地)
レストラン、カフェ、ショッピングセンター、テーマパーク、博物館、図書館、映画館などにおける人の移動の傾向変化

日本全体の推移

(2)Grocery & pharmacy(食料品店と薬局)
食料品市場、食品倉庫、直営販売所、専門食料品店、ドラッグストア、薬局などにおける人の移動の傾向変化

日本全体の推移

(3)Parks(公園)
国立公園、公共ビーチ、港湾、ドッグパーク、プラザ、公共庭園などにおける人の移動の傾向変化


日本全体の推移

(4)Transit stations(ターミナル駅)
地下鉄、バス、駅などの公共交通機関のターミナル駅などにおける人の移動の傾向変化


日本全体の推移

(5)Workplaces(職場)
職場における人の移動の傾向変化


日本全体の推移

(6)Residential(住居)
住居における人の移動の傾向変化

日本全体の推移

元データ
各数値は対象期間と比較した変化の割合(%)です。

region code Prefectures Retail Grocery Parks stations Workplace Residential
北海道 1 北海道 -0.07 0.03 -0.02 -0.27 -0.05 0.03
東北 2 青森県 -0.11 0.01 0.11 -0.20 0.00 0.03
東北 3 岩手県 -0.05 0.05 0.06 -0.19 0.01 0.03
東北 4 宮城県 -0.14 0.00 -0.37 -0.35 -0.02 0.05
東北 5 秋田県 -0.01 0.05 0.19 -0.20 0.00 0.03
東北 6 山形県 -0.03 0.06 -0.12 -0.27 -0.01 0.03
東北 7 福島県 -0.21 -0.07 -0.51 -0.35 -0.04 0.07
北関東・甲信 8 茨城県 -0.31 -0.16 -0.60 -0.51 -0.10 0.10
北関東・甲信 9 栃木県 -0.33 -0.16 -0.61 -0.46 -0.09 0.10
北関東・甲信 10 群馬県 -0.33 -0.15 -0.55 -0.49 -0.08 0.09
南関東 11 埼玉県 -0.51 -0.28 -0.61 -0.53 -0.20 0.12
南関東 12 千葉県 -0.43 -0.21 -0.61 -0.53 -0.15 0.11
南関東 13 東京都 -0.63 -0.32 -0.66 -0.59 -0.27 0.14
南関東 14 神奈川県 -0.55 -0.31 -0.66 -0.55 -0.23 0.13
北陸 15 新潟県 -0.11 0.03 -0.22 -0.35 -0.03 0.05
北陸 16 富山県 -0.06 0.07 -0.19 -0.26 0.00 0.04
北陸 17 石川県 -0.08 0.08 -0.23 -0.30 -0.01 0.04
北陸 18 福井県 -0.13 0.05 -0.18 -0.19 -0.02 0.06
北関東・甲信 19 山梨県 -0.29 -0.13 -0.56 -0.51 -0.09 0.08
北関東・甲信 20 長野県 -0.31 -0.11 -0.56 -0.44 -0.04 0.08
東海 21 岐阜県 -0.14 0.03 -0.25 -0.32 -0.04 0.06
東海 22 静岡県 -0.17 -0.04 -0.47 -0.38 -0.06 0.07
東海 23 愛知県 -0.14 0.01 -0.11 -0.35 -0.05 0.06
東海 24 三重県 -0.09 0.04 -0.20 -0.33 -0.01 0.05
近畿 25 滋賀県 -0.06 0.07 -0.08 -0.25 -0.02 0.04
近畿 26 京都府 -0.10 0.07 0.12 -0.32 -0.03 0.04
近畿 27 大阪府 -0.21 0.03 -0.08 -0.39 -0.07 0.06
近畿 28 兵庫県 -0.12 0.05 -0.10 -0.31 -0.04 0.05
近畿 29 奈良県 -0.07 0.11 0.10 -0.27 -0.05 0.04
近畿 30 和歌山県 -0.06 0.08 0.16 -0.21 -0.02 0.04
中国 31 鳥取県 0.01 0.09 0.15 -0.13 0.02 0.02
中国 32 島根県 0.01 0.06 0.45 0.04 0.05 0.01
中国 33 岡山県 -0.07 0.07 0.17 -0.18 0.00 0.03
中国 34 広島県 -0.07 0.07 0.15 -0.24 -0.01 0.03
中国 35 山口県 -0.04 0.09 0.49 -0.06 0.01 0.03
四国 36 徳島県 -0.04 0.03 0.27 -0.13 0.00 0.03
四国 37 香川県 -0.07 0.04 0.19 -0.22 -0.01 0.03
四国 38 愛媛県 -0.05 0.05 0.29 -0.12 0.00 0.03
四国 39 高知県 -0.03 0.03 0.23 -0.07 0.00 0.02
九州 40 福岡県 -0.13 0.06 0.34 -0.34 -0.03 0.04
九州 41 佐賀県 -0.04 0.06 0.48 -0.19 0.00 0.03
九州 42 長崎県 -0.03 0.08 0.30 -0.12 0.03 0.02
九州 43 熊本県 -0.13 0.04 0.36 -0.14 -0.01 0.04
九州 44 大分県 -0.08 0.05 0.22 -0.17 -0.01 0.03
九州 45 宮崎県 -0.07 0.07 0.04 -0.15 0.02 0.03
九州 46 鹿児島県 -0.05 0.04 0.16 -0.15 0.04 0.02
九州 47 沖縄県 -0.09 0.00 -0.14 -0.27 0.01 0.03
アメリカ ニューヨーク -0.62 -0.32 -0.47 -0.68 -0.46 0.16
スペイン マドリード -0.94 -0.72 -0.92 -0.89 -0.65 0.22
イタリア ラツィオ(ローマ) -0.94 -0.76 -0.90 -0.88 -0.62 0.24
イギリス グレーター・ロンドン -0.87 -0.48 -0.59 -0.80 -0.62 0.19
フランス イル ド フランス(パリ) -0.91 -0.69 -0.89 -0.87 -0.63 0.20

このデータについて
これらのレポートは、それぞれの場所で訪問数と滞在期間が基準期間(ベースライン)と比較してどのように変化したかを示しています。

これらの変化は、Googleマップで人気のある場所の推定待ち時間を表示するために使用されているデータと同様な匿名化された集計データを使用して計算されています。

各日の変化は、基準期間内の該当するベースライン値と比較されます。

●ベースラインは、2020年1月3日~2月6日の5週間の期間における、対応する曜日の中央値です。
●レポートには数週間にわたる傾向が表示され、最新のデータは発表日の約2~3日前です。これは、レポートの生成にかかる時間による遅延です。

計算に含まれるデータは、ユーザーによる設定、ネットワークの接続状況、およびプライバシーしきい値を満たしているかどうかによって異なります。プライバシーのしきい値が満たされていない場合(つまり、ユーザの匿名性を確保するのに十分なほど混みあっていない時間や場所では)、その日の変化は表示されません。

Googleは、社会的な距離を保つための取り組みや重要なサービスのアクセス状況の把握に役立つ場所を今回のカテゴリに含めました。

これらの分析情報は、Googleアカウントの「ロケーション履歴」を許可しているユーザーからのデータに基づいて計算されているため、データはユーザーのサンプルを表しています。全てのサンプルと同様に、これはより広い母集団の正確な動作を表せている場合とそうでない場合があります。

プライバシー保護
これらのレポートは、Googleの厳格なプライバシー手順を遵守し、人々のプライバシーを保護しながら、助けになるような情報として作成されました。個人の場所、連絡先、動きなどの個人を特定できる情報は、いかなる時点でも提供されません。

これらのレポートの分析情報は、Googleアカウントの「ロケーション履歴」の設定(デフォルトではオフ)をオンにしているユーザーから収集された匿名化されたデータのセットを使用して作成されています。
「ロケーション履歴」をオンにしているユーザーは、いつでも自分のGoogleアカウントから「ロケーション履歴」をオフにすることができ、いつでもロケーション履歴データをタイムラインから直接削除できます。

これらのレポートは、Googleの製品で毎日使用されているワールドクラスの匿名化テクノロジーと同じテクノロジーを使用しており、行動履歴データを非公開かつ安全に保っています。

これらのレポートは、差分プライバシー(differential privacy)を使用しているため、データセットには人工的なノイズが追加され、個人が特定される事なく高品質な分析結果を得ることができます。

これらのプライバシー保護の仕組みは、訪問者の絶対数が共有されないことも保証します。最新のレポートを入手するには、COVID-19 Community Mobility Reportsページにアクセスしてください

3.2020年3月29日時点の日本のCOVID-19 Community Mobility Reports関連リンク

1)www.google.com
COVID-19 Community Mobility Reports

2)www.gstatic.com
Japan March 29, 2020 Mobility changes(PDF)

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