Google Earthのタイムラプスの動作を内部から見る(1/2)

入門/解説

1.Google Earthのタイムラプスの動作を内部から見る(1/2)まとめ

・タイムラプスビデオとは地球上の時間と共に変化する地表を誰でも探検できるズーム可能な世界規模の地図
・2019年4月にアップデートされ1984年から2018年までの35年間の地球規模のタイムラプスビデオを作成
・静止画像に持ちいられた従来のピラミッドマップを改良しモバイル機器でも利用可能になった

2.タイムラプスとは?

以下、ai.googleblog.comより「An Inside Look at Google Earth Timelapse」の意訳です。元記事の投稿は2019年6月5日、Paul Dilleさん、CREATE Labの皆さん,Chris Herwig, Geoさんによる投稿です。

6年前、Google Earth Timelapseを発表しました。これは、地球規模から地元周辺環境まで、地球上の変化する地表を誰でも探検できるズーム可能な世界規模のタイムラプスビデオ(訳注:時間の経過による変化がわかる動画)です。

Earth Timelapseは、8300万のマルチ解像度のオーバーラップ済ビデオタイルで構成されています。これらは、カーネギーメロン大学のCREATE Labで開発されたオープンソースのTime Machineクライアントソフトウェアを通じて対話的に探索可能になっています。

Google Earth Timelapseは根本的には、情報を整理して情報にアクセスしやすくする方法の一例です。ペタバイト単位の膨大な衛星画像を、時空を超えて発生する動的な変化を示すインタラクティブな体験に変えます。

2019年4月に、タイムラプスにいくつかの更新を導入しました。これには、2年間の追加画像が含まれ、1984年から2018年にかけて行われた変化を時系列で視覚化できるようになりました。また、私達は今回のアップデートが、デスクトップコンピューターだけではなく、モバイルおよびタブレットデバイスのサポートが含まれている事を特にうれしく思っています。

グローバルビジュアライゼーションの構築
惑星サイズのタイムラプスビデオを作成するには、ペタバイト規模の地理空間分析のためのGoogleのクラウドプラットフォームであるEarth Engineで大量の画像情報に複雑な計算を行う事が必要でした。

今回の新バージョンのリリースは、2013年に公開した際の作業を踏襲したものですが、規模はかなり大きくなっています。USGS / NASA LandsatおよびEuropean Sentinelのプログラムから過去35年間にわたって取得した1500万枚の衛星画像を、1984年から2018年まで毎年、35枚の雲が映りこんでいない4テラピクセルの地球規模の画像に変換したのです。

本来の解像度のままでは、タイムラプスに視覚化したデータは4テラピクセルのビデオ(4兆ピクセル)であり、これは95Mbpsのインターネット接続でもダウンロードに約12日かかります。

ほとんどのコンピュータでは、このサイズのビデオを再生するのは難しいでしょう。インタラクティブでズーム可能なインタフェースではもちろんです。この問題は、モバイル機器では更に深刻です。

2004年にGoogleMapによって開拓されたマップピラミッド化技術(map pyramiding technique)が、この問題の解決に先鞭をつけました。それ以前は、Webページ上に表示された地図を操作する際、移動や拡大に方向矢印キーを使用する必要があり、何か操作をする度にページをリロードする必要がありました。

マップピラミッド化技術では、画面に表示されるフルマップ画像を、数十個の256 x 256画素の重複しない画像のタイルから組み立てます。ユーザーが地図を移動したりズームしたりすると、必要に応じて適切な解像度で新しいタイルが取得されます。


従来のメルカトル図法マップピラミッドは重複しない画像のタイルにより構成されています。

これは静止画像で作られた従来のマップでは非常にうまく機能しますが、タイムラプスで使用されるようなビデオのタイルから構成されるピラミッドにはあまり機能しません。対話的な操作を受けつけながらWebブラウザで最大16のビデオを視覚的に同期させる必要があるためです。

この解決策は、CREATE LabのオープンソースのTime Machineソフトウェアで具体化されています。画面全体をカバーする大きなビデオタイルを複数作成し、一度に1つのタイルだけを表示するのです。

タイルはピラミッド構造を作成します。そこでは、兄弟タイルが隣のタイルと重なり合って、マップ移動やズームの際にタイル間のシームレスな移行が行われます。

タイルの重複により通常の約16倍以上のサイズのビデオが必要となりますが、このピラミッド構造は視覚化に必要なデータの量を最小にすることによってモバイル機器でもタイムラプスの使用を可能にします。

最新のリリースでは、グローバルビデオピラミッドは8,300万のビデオから構成され、13のズームレベルをサポートしています。これを生成するには、Googleクラウドの何千ものマシンに分散した約200万CPU時間が必要でした。


Earth Timelapseは、ビデオタイルを重ね合わせたピラミッドを使用します。

 

3.Google Earthのタイムラプスの動作を内部から見る(1/2)関連リンク

1)ai.googleblog.com
An Inside Look at Google Earth Timelapse

2)timemachine.cmucreatelab.org
Explore simultaneously in space and time with Time Machine

3)material.io
Tools – Material Design

4)www.protectedplanet.net
Discover the world’s protected areas

5)earthtime.org
stories/pittsburgh

6)developers.google.com
A planetary-scale platform for Earth science data & analysis

コメント

タイトルとURLをコピーしました