なぜ我々はロシアによる3百万のTwitter攻撃を共有したのか?

なぜ我々はロシアによる3百万のTwitter攻撃を共有したのか?

1.なぜ我々はロシアによる3百万のTwitter攻撃を共有したのか?まとめ

・アメリカ大統領選挙の前後にロシア資本の会社が大量のTweetをしていた
・fivethirtyeightが300万のロシアツイートを誰でも利用できるように公開
・大統領選挙前より選挙後の方がトータルのつぶやき数が多かったと言う

2.ロシアによるアメリカ大統領選挙時のTwitter攻撃

以下、fivethirtyeight.comから「Why We’re Sharing 3 Million Russian Troll Tweets」の意訳です。

歴史家が2016年の選挙でロシアの干渉を評価しようとした時、何を歴史的なアーティファクト(人工物)として使用するでしょうか?ドナルド・トランプ氏が演説で、ヒラリー・クリントン氏の流出したメールを探すようにロシアに懇願した事かもしれません。プーチン大統領がヘルシンキの首脳会議でトランプ大統領に与えたサッカーボールはおそらく含まれるでしょう。そして、数百万のつぶやき(Tweet)があります。

今年初め、ロバート・ミュラー特別捜査官の操作の一環として、法務省は13人のロシア人に対し、アメリカの選挙や政治プロセスを妨害したと訴えました。同被告らは、インターネット・リサーチ・エージェンシーと呼ばれる豊富な資金を持つ「トロール工場」のために働きました。ロシアのある報道によると、その代理店は400人の従業員を雇用しています。
(注:トロールとは日本語で言えば「荒らし」や「流言」、「デマ」などが該当します)

サンクトペテルブルグの穏やかなオフィスビルから、代理店はソーシャルメディアを介してアメリカ人が政治に嫌悪感を感じるような洗練されて統一のとれたネガティブキャンペーンを実施しました。これは、しばしば、トランプ氏の好きな媒体、すなわちTwitterで行われました。

数百万のトロールのつぶやきがその後Twitterから削除され、様々なメディアが(NBC Newsが最も注目に値します)がその一部を公開しましたが、トロール戦略とその努力の規模を完全に理解することは困難でした。今までは。

FiveThirtyEightは、インターネット・リサーチ・エージェンシーに関連するアカウントから約3百万のつぶやきを取得しました。私たちの知る限りでは、現時点でロシアのトロールのソーシャルメディアに対する取り組みを記録した最大の記録であり、執拗な組織的な猛攻撃を示しています。つぶやきを最初に取得した研究者と協力して、FiveThirtyEightはそれらをGitHubにアップロードして、他の人も自分でデータを探求できるようにしました。

データセットは、クレムソン大学の2人の教授の仕事です。Darren Linvill氏とPatrick Warren氏。高度なソーシャルメディアトラッキングソフトウェアを使用して、彼らはTwitterがインターネット・リサーチ・エージェンシーと関連していると認めた何千ものアカウントからツイートを引き出しました。

教授たちは、他の研究者や広範な人々がそれを探索し、見つけたものを共有することを期待して、FiveThirtyEightとデータを共有しました。Linvillは、「今のところ、tweetsを見ているのは2つの脳しかありません」と話します。「より多くの脳は、神のみが知っているものを見つける事が出来るかもしれません。」

ここに公開されているデータセットには2,848個のTwitterハンドルからの2,973,371個のツイートが含まれています。それは、ツイートの著者、テキスト、日付を含みます。著者のフォロワー数と作成者のアカウント数そのツイートがリツイートであるかどうかの表示も含みます。ここに掲載されたつぶやきの全コーパスは、2012年2月から2018年5月にかけて行われ、2015年から2017年がその大半を占めます。


このつぶやきの単純なタイムラインでさえ、トロールがどのように操作されたかの話することができます。例えば、2016年10月6日には、いろいろな動きがありました。

ワシントンポストがクレムソンの研究成果を使って最初に指摘したように、WikiLeaksがクリントンのキャンペーンから恥ずかしい電子メールをリリースした2016年10月7日に起こったことに関連している可能性があります。

インターネット調査機関が特定のタイプのトロールに焦点を移したように見える2017年の夏にはもう1つの大きなスパイクがありました – 研究者が “Right Troll”と呼ぶ種類のツイートで、ステレオタイプのトランプサポーターを模倣したTweetです

ロシアのトロールに関連したアカウントを徹底的に調査した記録によると、2018年6月現在、Twitterはインターネット・リサーチ・エージェンシーに接続された3,841のハンドルを特定していました。このリストは、それ以前の2017年11月のリストと共に、Clemsonの研究の基礎を形成しており、ここに掲載したデータベースには、2015年6月19日から2017年12月31日までのこれらのハンドルのすべてのツイートが含まれています。(また、この日付範囲外のいくつかのつぶやきが含まれていますが、全ツイートを網羅したものではありません。)

Twitterがこれらの悪意のあるアカウントを停止したときに、Twitterのツイートも一般公開されたものから削除されました。

このつぶやきのコーパスを再構築することは、特定の種類の国家安全保障におけるエクササイズです。ブルッキングス研究所の外交政策研究員、アリナ・ポリアコヴァ氏は、「Tweetを消しても被害が払拭されるわけではありませんし、Tweetを消してしまったら将来的に同様な攻撃に対する予防をどのように準備するべきかについて学習する事ができなくなってしまいます」と述べました。

そして、データアーカイブは、この重要な最近のアメリカの歴史を再構築するのに役立ちます。

ClemsonのWebサイトによれば、Clemsonの研究者は、Twitterを含む「650万人以上のソーシャルメディアの会話のソース」を収集する学際的な研究室であるClemsonのソーシャルメディアリスニングセンターのおかげで、このデータを収集することができました。

Salesforce社が作成した、広報やマーケティング会社がブランドをチェックするために使用している、強力なソーシャルスタジオの分析ソフトウェアで実行されます。プログラムはTwitterのいわゆるFirehose of Dataからデータを取得し、tweetsが投稿されたら直ちにアーカイブします。

そのデータセットはLinvillとWarrenによる論文の核心部であり、現在は「Troll Factories:Internet Research Agency and State-Sponsored Agenda Building」という学術誌に掲載されています。

この論文では、LinvillとWarrenは、インターネット・リサーチ・エージェンシーのトローリングをRight Troll、Left Troll、News Feed、Hashtag Gamer、Fearmongerという5つの異なるカテゴリに分類しています。 (これらのカテゴリコードはデータに含まれています)。

Right TrollとLeft Trollは、エージェンシーによるトロールキャンペーンの中心です。Linvillは以下のように分析します。Right TrollはMAGA America(Make America Great Again:トランプ氏の選挙スローガン)を主要業務とし、一日中政治についてツイートしています。

Left Trollは主に黒人人権活動家の人格を装い、典型的には、バーニー・サンダースへの支持とヒラリー・クリントンに対する非難を行い、「民主党を明確に分裂させ、投票率を低下させる」試みでした。

News Feedは少し謎です。@OnlineMemphis(Memphisはテネシー州の西端にある都市メンフィス)や@TodayPittsburgh(Pittsburghはペンシルベニア州南西部に位置する都市ピッツバーグ)のような名前で彼らは彼ら自身をローカルニュース収集家として自身を表明し、彼らがリンクしているニュースは、通常正常なニュースです。

Hashtag Gamersはハッシュタグで遊ぶことを専門としています。(例:#面白くない本 と言うハッシュタグは「ウォーリーを捜せ」的にツイートが盛り上がる可能性があります)彼らのつぶやきの多くは、無害な言葉遊びの単なるゲームですが、いくつかはRight TrollやLeft Trollのスタンスで社会的な分断に繋がるようなつぶやきです。

Fearmongersはデータセットで比較的まれであり、感謝祭の前後にサルモネラで汚染された七面鳥が見つかったとデマTweetしたり、インターネット・リサーチ・エージェンシーに関するニューヨークタイムズ紙の記事の冒頭で説明されているように毒性化学物質の煙についてのツイートなど、偽の危機に関するニュースを広めました。

Linvill氏は、「このデータでは、あるタイプのアカウントから別のタイプのアカウントに人材を使ってどのように移行しているかを、時間単為で知ることができます。私たちは実際に代理店がやっていることの業務を見ることができます。」

「ロシアの企ては「気を散らし」、「分裂させ」、「腐敗させようとする」試みであり、政治的戦争の一種と呼ばれてきました」と、彼らは論文で結論づけています。「この分析は、この戦争に従事するインターネット・リサーチ・エージェンシーの手法について洞察を与えてくれました。」

この戦争は2016年の選挙に影響を及ぼしたかもしれないし、そうでなかったかもしれませんが、確かに大混乱を引き起こしました。

The Daily Beastとトランプの長男によれば、国家安全保障諮問委員に任命され、ロシアのトロールアカウントのキャンペーンマネージャーとデジタルディレクターにメッセージを送信した男は、選挙の前月にロシアのトロールツイートをそれぞれリツイートしました。

Twitter社は140万人の人々がロシアのトロールアカウントと何らかのやりとりしたことを伝えています。しかし、研究者たちは、ロシアによる虚偽情報やTwitterキャンペーンの混乱がそれ以上に広がっていることを強調しています。

「選挙後1年間に選挙前の年よりも多くのつぶやきがありました」とウォーレン氏は語ります。「私は屋根からこれを叫びたい。これは単なる選挙のことではありません。アメリカの政治的会話にロシアは継続的に介入しているのです」

「彼らはわが国を分裂しようとしているのです」とLinvill氏は付け加えました。

データを使用して興味深いものを見つけたら、私たちに知らせてください。あなたのプロジェクトをoliver.roeder@fivethirtyeight.comまたは@ollieに送ってください。

クレムソンの研究者は、
・クレムソン大学ソーシャルメディアリスニングセンター
・ノックスビルのテネシー大学のBrandon Boatwright
の支援について謝意を表明しています。

3.なぜ我々はロシアによる3百万超のTwitter攻撃を共有したのか?感想

fivethirtyeight.comはデータジャーナリズムの先駆けとも言われるサイトで2008年のアメリカ大統領選挙を50州のうち49州を的中させて話題になったサイトです。ネイト・シルバーさんと言う元々、野球を統計を用いて予測するセイバーメトリクスと言う手法で有名になった方が主催しており、今回、Twitter社がロシアと関連していると認めたアカウントからの大量ツイートをGithubで公開してくれました。

4.なぜ我々はロシアによる3百万超のTwitter攻撃を共有したのか?関連リンク

1)fivethirtyeight.com
Why We’re Sharing 3 Million Russian Troll Tweets

2)github.com
russian-troll-tweets