人工知能とデータサイエンスの2019年の主な進展と2020年の予測research編(1/3)

人工知能とデータサイエンスの2019年の主な進展と2020年の予測research編(1/3)

1.人工知能とデータサイエンスの2019年の主な進展と2020年の予測research編(1/3)まとめ

・AIが現実世界で益々使われるようになり拡張現実を組み合わせることで顧客体験が変わっていく可能性
・2020年も言語モデルの分野で目覚ましい進歩が見られチューリングテストの合格に近づく可能性
・ディープラーニングの表面的な活用だけでなく新しいアルゴリズム開発が科学分野で行われる可能性

2.研究視点から眺める人工知能の進化の方向性

以下、www.kdnuggets.comより「AI, Analytics, Machine Learning, Data Science, Deep Learning Research Main Developments in 2019 and Key Trends for 2020」の意訳です。元記事の投稿は2019年12月、Matthew Mayoさんによる投稿です。本文中にもありますが、research編, developments編, industry編と三部構成の第一部です。research編だけ読めば十分かなと思っていたのですが、ちょっと離れた視点からの意見の方が面白いです。例えば、「5Gは、AIがエッジで推論を行うためのインテリジェントなIoT環境の成長触媒として機能するでしょう」の一文は「5Gはスマートフォンの次世代規格」くらいの認識しかなかった私にとって「あぁっ!言われてみればおっしゃる通りですよね!」っとビビビっと衝撃を受けました。アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Science in HD on Unsplash

行く年に別れを告げ、来る年を楽しみにしていますが、KDnuggetsは、2019年の最も重要な進展と2020年の主要なトレンド予測について、多数の研究者および技術の専門家から再度意見を求めました。

今年もまた年末となりました。つまり、KDnuggets恒例の年末の専門家による分析と予測を行う時期です。今年、私たちは以下の質問を投げかけました。

2019年のAI、データサイエンス、ディープラーニング、機械学習の主な進展は何でしたか?そして、2020年にどのような主要なトレンドを期待していますか?

1年前に実施した同様な専門家による人工知能研究の方向性の予想を振り返ると、技術の自然な進歩と考えられるものと、より野心的な予測が交錯していました。同様にいくつかの一般的なテーマと、いくつかの特異な着眼点がありました。

特に、AIに対する恐怖を煽る動きが継続する事が何度も言及されており、この予測は確かに正しかったようです。機械学習の自動化の進歩についても多くの予想がでましたが、それが有用であるか、行き詰まるかについて意見が分かれました。

私は幾つかの予想については、まだ当たったか外れたかを決定できないと思います。しかし、テクノロジーへの過度の期待が和らげられると、「迫りくる代替品」という見方だけでなく、「有用な追加支給品」としてそれを見ることが容易になります。

善なる目的でAIが使われるケースが増加する事も予測されましたが、この予測が正確であった事を示す無数の事例があります。

実用的な機械学習が求められるようになるという考えがそこから見出され、楽しさとゲーム的要素の時代が終わりに近づいている事が示唆され、機械学習が大海原に乗り出す時が来ているという予測がありました。これは真実であり、機械学習の実践者たちがこれらの機会を模索しているという逸話的な証拠があります。

最後に、監視、恐怖、および扇動などのディストピアの実現にAIが使われる懸念の増加についての予測は、過去1年のニュースを簡単にチェックするだけで、成功した予測であったと自信を持って言えます。

まだ当たったか外れたかわからない幾つかの予測もありますが、こういった頭の体操では避けられない事ではあるので、興味のある読者が自分で探せるようにしておきます。

今年の専門家のリストには、Imtiaz Adam, Xavier Amatriain, Anima Anandkumar, Andriy Burkov, Georgina Cosma, Pedro Domingos, Ajit Jaokar, Charles Martin, Ines Montani, Dipanjan Sarkar, Elena Sharova, Rosaria Silipo, Daniel Tunkelangが含まれます。忙しい年末のスケジュールの中で時間をかけて洞察を提供してくれた彼らに感謝します。

本投稿は、三編にわかれた一連の投稿の最初の一つです。research編, developments編, industry編の三回に分けて投稿されます。これらの各分野にはかなりの重複もありますが、理解及び考慮すべき事も多いため、三編全てを確認することをお勧めします。

それでは少しでも早く、今年の専門家グループによる2019年の主な傾向と2020年の予測をご紹介します。

(1)mtiaz Adam(@DeepLearn007) 人工知能と戦略に関するエクゼクティブ

2019年、様々な組織がデータサイエンスに関わる倫理と多様性に関連する問題に対して意識を高めました。

宝くじ仮説(Lottery Ticket Hypothesis)に関する論文は、刈り込みを使用してDeep Neural Networksのトレーニングを簡素化出来る可能性を示しました。Neuro Symbolic Concept Learnerの論文は、ロジックとディープラーニングの組み合わせがデータとメモリの効率性向上に繋がる可能性を示しました。

GANの研究が勢いを増し、特に深層強化学習は、論理強化学習(Logic Reinforcement Learning)やパラメーター最適化のための遺伝的アルゴリズムなどの分野を含む多くの注目を集めました。

TensorFlow 2には、Kerasが統合され、Eager Execution(計算グラフの作成と評価を同時におこなう命令的なプログラミングを行うための環境)がデフォルトで付属しています。

2020年には、データサイエンスチームと営業チームがさらに統合されていくでしょう。5Gは、AIがエッジで推論を行うためのインテリジェントなIoT環境の成長触媒として機能するでしょう。これは、AIが物理的に現実世界にますます参入することを意味します。ディープラーニングと拡張現実を組み合わせることで、顧客の行動や価値感が変わっていくでしょう。

(2)Xavier Amatriain(@xamat)Curaiの共同設立者/ CTO

ディープラーニングとNLPの年であるという事実に反論するのは難しいと思います。より具体的には、言語モデルの年ですね。または、更に具体的にはTransformersとGPT-2の年。

はい、信じられないかもしれませんが、OpenAIが最初にGPT-2モデルをリリースしてからまだ1年も経っていません。OpenAIはモデルをリリースする事に不安を感じていたため、彼らのブログ投稿はAIの安全性に関する多くの議論を巻き起こしました。その後、モデルは公的に複製され、最終的にリリースされました。

ただし、この分野での進歩はこれだけではありません。GoogleがALBERTやXLNETを公開するのを見てきました。また、BERTがGoogle検索を大きく改善した事もアナウンスされました。Amazon、Microsoft、Facebook、誰もが本当に言語モデル革命に乗り出したようです。2020年にはこの分野で目覚ましい進歩が見られることを期待しており、チューリングテスト(訳注:文章のやり取りだけで人間と人工知能の見分けがつくかどうかをテストする事)の合格に近づいているようです。

(3)Anima Anandkumar(@AnimaAnandkumar)NVIDIAのMLリサーチディレクター、カリフォルニア工科大学のBren Professor

研究者は、ディープラーニング、その一般化特性、およびその失敗事例についての理解を深めることを目指しました。ラベル付きデータへの依存を減らす事が重要な焦点であり、自己教師学習などの方法が定着しました。 シミュレーションは、AIトレーニングにより関連するようになり、自動運転やロボット学習などの視覚領域でより現実的になりました。 NVIDIAプラットフォームの具体例としては、DriveSIMやIsaacなどがあります。

言語モデルが巨大化しました。NVIDIAの80億パラメータのメガトロンモデルは512のGPUでトレーニングされ、文章の一貫性を維持したまま段落レベルの文章を作りだす事ができます。

しかし、研究者はこれらのモデルの望ましくない使われ方と社会的な偏見に繋がる恐れを示しました。 AIを規制する事は主流となり、多くの著名な政治家が政府機関が顔認証AIを利用する事を禁止する法案に対して支持を表明しました。AIカンファレンスでは、昨年のNeurIPSの名前の変更を皮切りに、行動規範の実施を開始し、多様性と包括性を改善する取り組みを強化しました。

来年は、ディープラーニングの表面的な活用だけでなく、新しいアルゴリズム開発が行われると予測しています。これは特に、物理学、化学、材料科学、生物学などの多くの分野で「科学分野におけるAI」に影響を与えるでしょう。

3.人工知能とデータサイエンスの2019年の主な進展と2020年の予測research編(1/3)関連リンク

1)www.kdnuggets.com
AI, Analytics, Machine Learning, Data Science, Deep Learning Research Main Developments in 2019 and Key Trends for 2020