ディープラーニングで皮膚疾患の鑑別診断を実現(2/3)

  • 2019.09.22
  • AI
ディープラーニングで皮膚疾患の鑑別診断を実現(2/3)

1.ディープラーニングで皮膚疾患の鑑別診断を実現(2/3)まとめ

・DLSの診断結果を比較したところ専門医ではない医療従事者より高い精度を達成した
・皮膚の色やタイプがDLSによる皮膚病の診断に影響を与えていない事も検証された
・年齢、性別、人種などの違いに影響を受けずデータに5%以上が存在する患者群で正確である事が検証された

2.皮膚の色の違いが診断に影響しない事の確認

以下、ai.googleblog.comより「Using Deep Learning to Inform Differential Diagnoses of Skin Diseases」の意訳です。元記事は2019年9月12日、Yuan LiuさんとPeggy Buiさんによる投稿です。

医療従事者の診察との比較
この研究では、検証データセットAのサブセットである検証データセットBを使ってDLSの精度を3職種の医療従事者の診察精度と比較しました。皮膚科医(Derm:Dermatologists)、プライマリケア医(PCPs:Primary Care Physicians、米国で最初に患者さんを診断する役割を担う医師。皮膚科を専門としていない)、および看護師(NPs:Nurse Practitioner)とです。

全員ランダムに選択され、様々な経験、トレーニング、診断精度を代表としています。医療従事者が提供する典型的な鑑別診断には最大3つの診断しか含まれていないため、DLSによる上位3つの予測のみを医療従事者と比較しました。

ディープラーニングシステム(DLS:Deep Learning System)は、検証データセットBで90%のtop-3診断精度を達成しました。これは、皮膚科医に匹敵し、プライマリケア医および看護師よりも~75%、60%、55%~かなり高いです。各グループは6人の医療従事者から構成されます。

この高いtop-3の精度は、DLSの診断結果が医療従事者(皮膚科医を含む)に可能性を検討するよう促すのに役立つことを示唆しています。DLSの診断結果には元鑑別診断には存在しなかった診断も含まれるため、診断の精度と症状管理が改善される事が示唆されます。


DLSが可能性が一番高いとした(top-1)鑑別診断は、PCPやNPよりもかなり高く、皮膚科医に匹敵します。DLSが可能性が高い上位3番目(top-3)をリスト化した鑑別診断の精度を見ると、この精度は大幅に向上しており、ほとんどの場合、DLSのランク付けされた診断リストにそのケースの正しい病状の回答が含まれていることを示唆しています。

人口統計学的パフォーマンスの評価
皮膚の色などのスキンタイプは特に、皮膚疾患の診断と非常に関連性があり、皮膚自体の視覚的評価が診断に不可欠です。

スキンタイプの影響で潜在的に診断が偏ってしまう可能性を評価するために、フィッツパトリックのスキンタイプ(訳注:紫外線の影響を調べるあめに人間の肌の色を数値化して分類するための定義付け)に基づいてDLSの性能を調べました。対象は、タイプI(パールホワイト、紫外線では赤くなるが日焼けしない)からタイプVI(ダークブラウン、日焼けしない)までです。

説得力のある結論を引き出すのに十分な数のケースを確保するために、データの少なくとも5%を締めるスキンタイプに注目しました。フィッツパトリックスキンタイプIIからIV。 これらのカテゴリでは、DLSの精度はほぼ同じで、top-1精度は69 – 72%、top-3精度は91-94%でした。

心強いことに、DLSは、年齢、性別、人種/民族などの自己申告データに基づいて、データセットにかなりの数(少なくとも5%)以上が存在する患者のループでも正確なままでした。

更に質的な分析として、着目点説明テクニック(saliency techniques)を介して、DLSが頼もしい事に肌のトーンなどではなく異常が認められる箇所に「焦点を合わせている」事を確認しました。


左:専門医でない医療従事者が診断を特定する事が困難だった脱毛症の例。症例の特定は適切な治療を決定するために必要です。右:DLSが重要であると特定し予測に使用した領域。緑色で強調表示された部分です。中央:組み合わされた画像。これは、潜在的な診断の偏りを示す可能性のある額の肌の色ではなく、DLSがこの予測を行うために脱毛のある領域に主に焦点を合わせた事がわかります。

 

3.ディープラーニングで皮膚疾患の鑑別診断を実現(2/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Using Deep Learning to Inform Differential Diagnoses of Skin Diseases

2)arxiv.org
A deep learning system for differential diagnosis of skin diseases