なぜAIに職を奪われる心配を止める必要があるのか?(1/2)

入門/解説

1.なぜAIに職を奪われる心配を止める必要があるのか?(1/2)まとめ

・世間一般でのAIのイメージは映画ターミネーターのSkynetが影響を与えている
・現実世界のAIを正確に説明するインセンティブはほとんどの業界に存在しない
・世間一般の「AI」と現実の「Artificial Intelligence」の違いを認識する事が大切

2.世間一般の「AI」と現実の「Artificial Intelligence」の違い

以下、medium.comより「Why We Need to Stop Worrying About AI “Taking Over”」の意訳です。「人間に受け入れられる穏やかな自動化システムの設計5原則」は三部作のパート3で、本稿はパート2にあたる記事の1/2です。パート2の2/2はこちら

「AIはすぐに私たちの仕事を奪い、私たちの生活を支配するでしょう!」というメディアが良く取り上げるテーマは、通常、映画ターミネーターようにロボットが人間を支配する世界(Skynet)のイメージを伴い、最近良く話題になっています。

ハリウッドは、人工知能とロボット技術を混同して、このテーマを非常にわかりにくくしてしまいました。そして、シリコンバレーに住む人工知能に詳しい人達は、この誤解を解くための努力をあまりしていません。

映画は基本的にわかりやすく、単調にならないようにドラマチックな展開に構成されます。(Elon Muskのような人々は、Skynetの実現に警告を続けていますが)ニュースサイトも衝撃的でクリックに繋がりやすいタイトルを必要としており、誤解なく明確にニュースを伝えるようなインセンティブはほとんどありません。

しかし、私は基本的な懸念、つまり「AIに職を奪われる心配」を杞憂と考えるべきと言っているのではありません。それは本当の、正当なものです。私がパート1で書いたように、私の両親は90年代からコンピューターの自動化のため失業しました。しかし、私の家族の視点は、オートメーションの根本的な問題に関する私の考えや、それに対処するための私たちの考えを磨くのにも役立ちました。しかしまずは、いくつかの論点を明確にしましょう。

世間一般の「AI」とは現実の「Artificial Intelligence」ではありません

AIについての私の最初の理解は、ARPAnet(最初のインターネット)の最初のノードの1つを開発したエンジニアである私の父ジム・ケースからもたらされました。

私の父は言いました。「あなたに人間の体があれば、草の刃を感じ、草の刃を感じることが何を意味するのか知るでしょう。あなたはそれらに関連する記憶を持っています。あなたはそれらの歴史を持っています。地元の伝統の祭りであろうと、サマーフェスティバルであろうと、草に関連する伝統や歴史があります。これは文化です。草の刃に関するただ1つの経験、だた1つの定義ではありません。
もし、10万人の人々から取得した多様なデータをAIに入れれば、それらの人々の個々の背景を投影する事は出来るでしょう。しかし、それはリアルタイムな体験データではなく単なる記録です。AIに考えさせることはできないでしょう。」

だから、彼はAIと言う言葉には明らかに弱気でした。「AIは現実には存在しません。これは、業界が人々を興奮させるために使用している用語です。そして膨らんだ期待のために、それはなくなり、すべてのAIデベロッパーは解雇され、再びAIの冬がやってくるでしょう」

現在のDeep Mindはおそらく父の言っていたAIより高levelのAIでしょう。より限定された例としては、自然言語処理を行うSiri、Teslaの自動運転車での機械学習などがあります。しかし、それでも、AIとして宣伝されている多くのシステムは、if-thenのシナリオ(パターンAの場合はBを実行しなさい、パターンCの場合はDを実行しなさい)を大量に集めた大規模なデータベースに接続された膨大なパターンの集合体であり、多くの場合、エンドユーザーが感銘を受けるように設計されたそれっぽいインタフェースで知的に見せているだけです。

しかし、今年の初め、限定された範囲の作業を処理するいわゆる「狭いAI」であったとしても、Google Duplexのレストランを電話で予約する能力には非常に感銘を受けました。私にはGoogle Duplexと人間を見分ける事はできませんでした。なぜなら、人工知能は人間のように 「えーっと」や「うーむ」と言っていたからです。私たちは人工知能にいくつかの不完全性を追加するように訓練し、そうすることで、 “自然に”聞こえるようにする事ができるのです!

AIの実際の限界を鮮明にするには、AIを使用して人間の複雑なスキルを再現してみてください。例えば、現実的な絵を描くコンピュータプログラムをいくつでも試してみてください。結果はコミカルで、しばしば不快であり、荒々しく、大きく見当はずれになります。

市場に出ている最も強力な「AI」を使用しているにもかかわらず、このような幼稚な結果になるのですから、AIがすぐに私たちを代替すると心配する理由はほとんどありません。

それは私達を次の論点に導きます。

3.なぜAIに職を奪われる心配を止める必要があるのか?(1/2)まとめ

1)medium.com
Why We Need to Stop Worrying About AI “Taking Over”

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