AIを用いて地震後の余震を予測する試み

入門/解説

1.AIを用いて地震後の余震を予測する試みまとめ

・AIを使って本震後に余震が発生する位置を予測する試みが発表された
・過去の地震と余震のデータから余震の場所を予測できるようになりつつある
・人口知能が余震位置予測に使った部分が何かを調べる事で新たな発見もあった

2.AIを用いて余震の予測と余震に関係する要因を見つける試み

以下、www.blog.googleより、Forecasting earthquake aftershock locations with AI-assisted scienceの意訳です。

ハリケーンや洪水から火山や地震に至るまで、地球は絶えず劇的に変化しています。過去10年間に地震、及びその後に襲ってくる津波だけでも大災害になっています。この記事を書いている間でも、ニューカレドニア、南カリフォルニア、イラン、フィジーに地震がありました。

地震は通常、順番に発生します。最初の本震(通常はこの揺れが新聞の見出しになります)の後、しばしば一連の余震が続きます。これらの余震は、通常、本震よりも小さいのですが、場合によっては、復興作業を著しく阻害する可能性があります。余震の時期と規模は既に確立された経験則によって理解され、説明されていますが、余震の場所を予測することはより困難なチャレンジです。

私達はGoogleの機械学習の専門家とチームを組んで、余震の発生場所をディープラーニングを使って予測する事に挑戦し、本日、その調査結果を発表しています。しかし、最初に、私たちがここにどのように到達したかについてもう少し詳しく説明します。私たちは、世界中の118以上の主要な地震に関する情報データベースから作業を開始しました。

1992年に発生した南カリフォルニアのランダー地震の視覚的表現。マグニチュードは7.3でした。多色部分が最初の地震を表し、赤い箱が余震地点を表します。

そこから、本震によって引き起こされる静的な応力の変化と余震の位置関係を解析するためにディープラーニングを適用しました。そして、ディープラーニングによるアルゴリズムは有用なパターンを識別することができました。

最終的に私達は、余震の場所を予測するように改良した人工知能を作成できました。この人工知能は依然として不正確ですが、それはこの研究を前進させるためのモチベーションに繋がる一歩です。機械学習ベースの予測は、いつの日か、緊急サービスを展開し、余震の危険にさらされている地域に避難計画を通知するのに役立つでしょう。

ランダー地震の余震発生確率の予測分布。暗赤色は余震を経験すると予測される地域を示します。黒い点は観測された余震の位置であり、黄色の線は本震中に破裂した断層を示します。

意図していなかった研究成果もあり、それは、地震発生時に重要と思われる物理量を特定する事に繋がりました。データセットにニューラルネットワークを適用する事で、単に予測結果を出力させるだけではなく、その予測をする際に人口知能が重視した有用な要因や特定の組合せを見定めことができたためです。この手法は、自然現象をよりよく理解するための潜在的な物理理論を見つける新たな可能性を開くものです。

私達は、地震の背後にある謎を解き明かし、その有害な影響を緩和するために、機械学習が将来どのようにできるのかを見極めることを楽しみにしています。

3.AIを用いて地震後の余震を予測する試み関連リンク

1)www.blog.google
Forecasting earthquake aftershock locations with AI-assisted science

2)www.nature.com
Deep learning of aftershock patterns following large earthquakes

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