東京医科大学の一律減点と人工知能面接

入門/解説

1.東京医科大学の一律減点と人工知能面接まとめ

・東京医科大学が入学試験で女子受験生や三浪以上の人の点数を減点していたと報道
・今回は人の手で減点をしていたようだが、人工知能を使えばもっと効率的に差別が出来る
・今後、暗黙の差別効果を期待して人工知能面接を導入する企業も出てくるかもしれない

2.人工知能の暗黙のバイアスを利用する方法

東京医科大学が入学試験の点数を操作していたと話題になっている。

ニュースによると、2次試験の小論文(100点満点)の得点に「0.8」を掛けていったん全員を減点した後、現役と1、2浪の男子に20点、3浪の男子には10点をそれぞれ加点。女子と4浪以上の男子は加点せずに減点したままにする操作を行い、合格基準を操作していたとの事。

つまり、女子受験生や三浪以上している浪人生に対して一律減点していたとの事。女医さんは医院から敬遠されがちなので人数が多いと困るとか、3浪以上の人は医師国家試験に一発合格しない割合が多いとか、そんなこんなで大学のブランド力を守るためという大義名分でやっていたとの話。

個人的には、学業とは老若男女関係なく全員が同じ平等な条件で競い合う事が素晴らしい事だと思っており、図書館や自習室のあの皆が真剣に勉学に向き合う厳粛な雰囲気が大好きで、神聖ささえ感じているので、今回のニュースは本当に許せない思いでいっぱいで、ヒドイ話だな、と思いつつ、これ、人工知能に論文の採点をやらせれば、同様な操作をもっと巧妙に実現できたのではないかと思ってしまった。

そして更に重大な事に「あっ」と気づいてしまった。

既に人工知能による面接やエントリーシート選別を導入している会社は「人工知能は公平ではない」と言う事を当然知っていて、逆に差別効果を期待している可能性もあるのか!

そうか、以前、過去の面接合格者の男女比が偏っていたらどんなに女性に優秀な人が沢山いても偏る危険性があると書いたのだけれども「偏ってくれた方が嬉しい」と考えている可能性もあるのですね。

仮に偏りがばれても人工知能のせいにできるし、説明責任からも逃れられるし、仕事は楽になるし万々歳ですね。

人間中心のAI設計」や「責任あるAI」の対極の考えですが、人工知能の暗黙のバイアスをわかっていて、それを利用すると言う可能性はありえるわけですね。人生100年時代に男性中心や再チャレンジを認めない制度設計をしている学校や会社がどこまで長続きするかは正直微妙とは思いますが。

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