人工知能による効率化の行きつく先

入門/解説

1.人工知能による効率化の行きつく先まとめ

・人工知能に代替される仕事の代表格は、定型化可能な比較的単純な仕事
・比較的単純な仕事は若者や老人向けのセーフティーネットの側面があった
・人工知能により即戦力以外は職を得にくい世界になるかもしれない

2.人工知能に代替されやすい仕事

「人工知能に代替されにくい仕事とは何か?」と言う質問は人によって答えがわかれる。

・独創性やコミュニケーションなど定型化しにくい要素を含む仕事
・法的、倫理的、伝統的に人工知能の代替が難しい仕事
・過去の経験や知見から得られる判断や自由な発想が必要な仕事

などなど。

しかし、逆に「人工知能に代替されやすい仕事」とはあまり意見のブレがなく「定型化可能な比較的単純な仕事」と言われている。この「定型化可能な比較的単純な仕事」とは未経験者でもこなせる仕事であり、これらは従来は新卒や転職者が仕事を覚える入口、もしくは定年後も働く必要がある高齢者の受け皿となっており、ある意味社会的なセーフティーネットの側面があった。

人工知能が奪うのは、若者が社会に出て成長する場でもあるのだ。銀行におけるRPAの導入とそれに伴う新卒採用の抑制などがまさにそうで、日本企業が人を育てる余裕がなくなったと言う事なのかもしれないが、即戦力の求人倍率だけが高く、街には成長の機会を与えて貰えなかった失業者が溢れると言う事は十分あり得る。

近年は職人さんの徒弟制度のような雑用から始める職は否定される風潮もあり、若い人たちも嫌がるのかもしれないが、いきなり即戦力扱いされて成果を出さなければ解雇 or 待遇が下がる成果主義は厳しい世界。終身雇用も良いところはあったのではないかと思う。

実は「定型化可能な比較的単純な仕事」であっても「コストがかけられない(つまり人間にとってはお給料がお安い)」仕事は人口知能に奪われずに、「人工知能に管理される職」として引き続き人間の職として残る可能性があるのではないかと思っている。

中国ではすでに労働者の脳波をスキャンして管理する「感情監視システム」が導入されているらしい。これは中国が社会主義国だから実現した事と思うかもしれないが、今年2月に米Amazonが倉庫作業者の手の動きを監視するリストバンドの特許を取得した事は記憶に新しい。

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