1.rǝ:ディープラーニングとクラウドソーシングで昔の街並みを再現(1/2)まとめ
・昔の町並みをタイムトラベラー体験出来るrǝと呼ばれるブラウザベースのツールが公開
・rǝは今年リリースされたオープンソースツールで過去地図や写真から都市を再構築可能
・歴史的地図からクラウドソーシングでデータを抽出して都市を大規模に再構築する
2.rǝとは?
以下、ai.googleblog.comより「Recreating Historical Streetscapes Using Deep Learning and Crowdsourcing」の意訳です。元記事の投稿は2020年10月15日、Raimondas Kiverisさんによる投稿です。
アイキャッチ画像は1908年に撮影された明治時代の日本の町並みをAIを使って着色したものでクレジットはアメリカ人写真家Arnold Gentheさん。
多くの人は古い町並みの写真を見つめると、懐かしさと不思議さの2つの感情が呼び起こされます。1940年代にマンハッタンを歩くのはどのような気持ちだったんでしょうか?生まれ育った故郷の通りはどれくらい変わったのでしょうか?
Googleストリートビューでは、現在の地域の様子を見ることができますが、過去の様子を調べたい場合はどうすればよいでしょうか。
研究とエンターテインメントの2つの目的でやりがいのある「タイムトラベラー」体験を実演するために、Google CloudとKubernetesで実行され、再構築可能でオープンソースで規模拡大可能なシステムであるrǝ(re”turn”と発音します)と呼ばれるブラウザベースのツールを公開します。
rǝは、今年初めにリリースされた一連のオープンソースツールの実装であり、過去の地図や写真から都市を再構築できます。
接頭辞であるreは「再び」または「新たに」を意味し、rǝは、このクラウドソーシングされた研究活動の背後にある再構築(reconstruction)、研究(research)、レクリエーション(recreation)、および追憶(remembering)のテーマを表現しており、以下の3つのコンポーネントで構成されます。
(1)クラウドソーシングプラットフォーム。これにより、ユーザーは都市の歴史的な地図をアップロードし、地理的に修正し(つまり、実際の座標に一致させ)、ベクトル化することができます。
(2)都市地図が時間の経過とともにどのように変化するかを示す時間的地図サーバー
(3)rǝマップサーバー上で実行される三次元体験プラットフォーム。ディープラーニングを使用して、限られた歴史的画像とマップデータから建物を三次元で再構築することにより、三次元体験マップを作成します。
私たちの目標は、rǝが歴史愛好家が世界中の歴史的な都市を仮想的に体験できるようにし、研究者、政策立案者、教育者を支援し、日常のユーザーに一服のノスタルジアを与えることです。
1890年から1970年までのタイムスライダーを備えたマンハッタンのチェルシーの鳥瞰図
歴史的な写真と地図から作成され、rǝの3D再構成パイプラインを使用して、現在のマンハッタンから着想を得た色合いで色付けされています。
歴史的地図からクラウドソーシングでデータを抽出
都市がどのように見えていたかを大規模に再構築することは難しい問題です。利用可能な歴史的な画像は、近代的な画像よりも非常に少なく、画像から捕捉できるメタデータもはるかに少ないためです。
この問題を解決するために、オープンソースのツールであるrǝ mapsモジュールは、時間軸を備えた地図をマップサーバ上に作成します。そして、ユーザーがスライダーを使用して地図内で時間軸を行き来できるようにします。
これらのツールを使用すると、ユーザーは過去に印刷された紙の地図をスキャンをアップロードし、実際の座標に一致するように地理的に修正してから、地理的特徴をトレースしたベクトル形式に変換できます。
これらのベクトル化されたマップは、タイルサーバーから、ズームや視点移動が可能なSlippy Mapとして提供されます。これにより、ユーザーはズームインしたり視点移動する事ができます。
rǝツール群のサブモジュール構成
rǝ mapsモジュールはWebアプリであるWarperを使って利用を開始する事ができます。
Warperを使うと、ユーザーは歴史的画像をアップロードし、歴史的地図と基準地図の間に対応する制御ポイントを見つけ、地理的な対応関係を修正する事が出来きます。
次のアプリはEditorです。これを使用すると、ユーザーは地理的に修正された歴史的地図を背景として読み込んでから、地理的特徴(建物の形跡、道路など)をトレースできます。このトレースされたデータは、OpenStreetMap(OSM)ベクター形式で保存されます。
次に、それらはベクタータイルに変換され、ベクタータイルサーバーであるサーバーアプリとして提供されます。
最後に、マップレンダラーであるKarttaは、時空間ベクトルタイルを視覚化して、ユーザーが歴史的地図上の空間と時間を自由に航行できるようにします。
これらのツールは、OpenStreetMapを含む多数のオープンソースリソースの上に構築されており、ツールとデータも完全にオープンソースになることを目指しています。
WarperとEditorは連携して、ユーザーが地図をアップロードし、制御ポイントを使用して基準地図に固定し、建物の形跡や道路などの地理的特徴を追跡できるようにします。
3.rǝ:ディープラーニングとクラウドソーシングで昔の街並みを再現(1/2)まとめ
1)ai.googleblog.com
Recreating Historical Streetscapes Using Deep Learning and Crowdsourcing
2)re.city
rə – Home
3)github.com
kartta-labs/Project
4)www.openstreetmap.org
OpenStreetMap へようこそ!