機械学習を使ってバスの運行情報を予測(3/3)

入門/解説

1.機械学習を使ってバスの運行情報を予測(3/3)まとめ

・曜日や時刻などの時間的特徴表現を使うと予測の元データの車の速度が一定でも遅延が明確になる
・全てを取り入れた運行予測はまだ完全ではないが現実のバスの運行時間と1.5分以内のズレに留まる
・まだ使われていないデータなどもあるため、今後も精度の向上は見込まれる

2.バスの運行予測に使われなかったデータ

以下、ai.googleblog.comより「Predicting Bus Delays with Machine Learning」の意訳です。元記事は2019年6月27日、Alex Fabrikantさんによる投稿です。最新の研究も刺激になりますが、こういった現実世界にリリースされているアプリケーションの実現手法に関する話もとても面白いですね。

他の信号と一緒に、この時間特徴表現は、仮に予測元となる車の速度が一定であったとしても複雑なパターンを予測することを可能にします。例えば、ニュージャージー州を10km区間、バスで走ると、私達のモデルは昼休みの混雑や平日のラッシュアワーを考慮した予測を行います。

全てを同時に実行すると
モデルを十分に訓練し、前述のシドニーのバスに乗ってモデルの学習成果を見てみましょう。その日の車の交通量データを使ってモデルを実行すると、以下の緑色の破線の予測が得られます。

全てを正確に予測できているわけではありません。例えば、バスは少なくとも31秒間停車していますが、800メートル近辺での停車時間はわずか10秒で予測されています。

しかし、モデルの予測は実際のバスの運行時間と1.5分以内のズレに留まり、公表されている本来のバスの運行スケジュールや車の運転時間だけから得られる予測よりも、バス交通の微妙なズレの多くを捉えています。

更なる旅
現在のところ、私達の予測モデルで使われていないデータがあるのですが何だと思いますか?

実は、公表されているバスの運行スケジュールそのものです。これまでのところ、交通機関が公表するバス運行スケジュールを用いた実験では、それを取り入れても予測性能は、それほど改善しません。

いくつかの都市では、激しく変動する交通事情はバスの運行スケジュールを事前に計画する事を困難にしているのかもしれません。他の国では、バスのスケジュールは正確かもしれませんが、おそらく交通機関が交通パターンを慎重に考慮しているためです。そして、私達はその正確性をデータから推論していきます。

運行スケジュールの制約や他の多くのシグナルをより正確に予測して、ユーザーがバス旅行を計画しやすくするための実験を続けています。私達はバスの運行予測が、あなたに使用用途に合わせてあなたにとって有用である事を願っています。良い旅を!

謝辞
この研究は、Google ResearchチームのJames Cook、Alex Fabrikant、Ivan Kuznetsov、およびFangzhou Xu、そしてGoogle MapチームのAnthony Bertuca、Julian Gibbons、Thierry LeBouleng?、Cayden Meyer、Anatoli Plotnikov、およびIvan Volosyukの共同作業です。

私たちは、Senaka Buthpitiya、Da-Cheng Juan、Reuben Kan、Ramesh Nagarajan、Andrew Tomkins、そして、Transitチームのサポートと有益な議論に感謝します。また、モデルの時間embeddingに関して再考を促したWill Cassellaにも感謝します。

私達はまた私達のパートナー機関にお世話になりました。システムはパートナー機関が提供してくれた輸送データで訓練されました。

3.機械学習を使ってバスの運行情報を予測(3/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Predicting Bus Delays with Machine Learning

 

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