DeepDreamで最初期に作成された画像が見つかる(1/3)

１．DeepDreamで最初期に作成された画像が見つかる(1/3)まとめ

・悪夢のような画像を生み出すAIとして話題になったDeepDreamの再評価
・DeepDream自体はアルゴリズムアートの性質としてすぐに消費されて飽きられてしまった
・しかし、コンピューターグラフィックスの歴史上の転換期として記憶されるべき出来事

２．DeepDreamとコンピューターアートの関係

以下、www.artnome.comより「DeepDream Creator Unveils Very First Images After Three Years」の意訳です。元記事は2019年1月2日、Jason Baileyさんによる投稿です。記事内でインタビューに答えているAlex Mordvintsevさんは「Inceptionism：ニューラルネットワークの最深部へ」の投稿の著者でもあります。中編はこちら。

「猫」 DeepDreamの発明者であるAlex Mordvintsevが生み出した最初のDeepDream作品の1つ

2015年5月、Alex Deep MordvintsevのGoogle DeepDream用のアルゴリズムは時代を先取りしていました。実際、それは非常に過激なので、その「時」は未だに到来していないのかもしれません。

DeepDreamは、サルバドール・ダリが見ても赤面するだろうと思われるほどの幻想的な一連のイメージを生み出しました。そして1か月ほどの間、それは私たちのソーシャルメディアチャンネルや主要なメディアを席巻し、さまざまなアプリやAPIを介して私達自身もDeepDream画像を作る事が可能になりました。

ボタンをクリックするだけで、私は妻の写真を建築的な目と家畜の肘を持つ奇妙なグレムリンに変える事ができました。

DeepDreamがAlex Mordvintsevによって発明されたちょうど3ヵ月後の8月に私がDeepDreamアプリを使って作った画像

そして – “消滅” – DeepDreamは消えたようなものです。アルゴリズムが一般の人々と共有されると、その効果がすぐに飽和点に達してキッチュ(ドイツ語で通俗的なもの、安っぽいものの意)になるのは、アルゴリズムで創造された芸術の性質です。

私は個人的には、DeepDreamはより長期間保存されるに値し、機械学習とアートへ私達を引き付けた事に対する多くの功績があると思います。そのため、スイスに本拠を置く非営利団体のArt Me AssociationからDeepDreamアルゴリズムの開発者であるAlex Mordvintsevにインタビューしたいかと尋ねられた時、私はためらうことなく「はい」と答えました。

そして、Alexが最近DeepDreamが一番最初に作った画像を見つけた事を私に言い、そしてその画像を誰かに公開したことは一度もないと私に言った時、私は自分自身を抑えきれずに、すぐにArtnome経由で公開して良いかを尋ねました。

はい、正直に言えば、私は最初にArtnomeデジタルアートコレクション(コレクターの本能)のためにそれらを購入することができるかどうか尋ねました。しかし、Googleがそれらを所有している事が判明し、Mordvintsevはそれらをクリエイティブコモンズ(CC)ライセンスにより共有する事が出来ました。

たぶん、Googleは私のお金を必要としていないのではないかと思います。

「父ネコ」2015年5月26日、Alexander Mordvintsev作

私にとって、Mordvintsevの最も初期の2015年5月頃の画像は、コンピューターグラフィックスとデジタルアートの歴史において有名な他の画像と同じくらい重要です。彼らは、博物館ではGeorg NeeのSchotterやNewell Teapotの隣にあるべきと思います。

「Schotter」Georg Neeは世界で初めてデジタルアート(より正確にはアルゴリズムアート)を公開した人で、「Schotter」は1960年代にランダムジェネレータにより生成された作品。

Utah teapot(ユタ・ティーポット)は、1975年、グラフィックス・プログラミングのパイオニアのひとりであるユタ大学のMartin Newellによって制作／公開されたティーポットの3Dモデル。優れた特徴を備えていたため、非常に広くCG研究者の間に普及し、CG分野においてある種のお約束としての位置を確立している。