1.天才!成功する人々の法則読書感想まとめ
・何事も世界に通用するレベルに達するまでには1万時間の練習が必要
・成功には才能と1万時間の努力に加え、周囲のバックアップや時の運が必要
・人生百年時代には1万時間の法則は改めて再評価されるべき
2.一万時間の法則の本当の意味
複雑な仕事をうまくこなすためには最低限の練習量が必要だという考えは、専門家の調査に繰り返し現れる。それどころか専門家たちは、世界に通用する人間に共通するマジックナンバーがあるという意見で一致している。つまり、1万時間である。「調査から浮かび上がるのは、世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも、1万時間の練習が必要だと言う事だ。
と言う1万時間の法則で有名になった本書は日本語版は勝間和代さんの翻訳で2009年5月発行なので9年前の発売。
1万時間の法則は色々な場所で目にした事があって「一流のレベルに達するには」とか「新しい物事を習得するためには」と、意訳されている事があったが、本書の中では「世界に通用するレベル」としてビートルズやビルゲイツなどトップ中のトップが事例として上げられている。「1万時間なんてとても無理だ・・・」と新しい事を学ぶのを断念するべきではないので誤解なきよう。
とはいっても、大成功には本人の才能と一万時間の努力だけでは十分ではなく、周囲のバックアップや環境、時代の変化、チャンスをつかむ運と実行力など諸々の周辺要素も必要不可欠と言うのが本書の結論。
これは自身の失敗を己の努力不足を棚に上げて周囲環境を言い訳にする事や、自身の成功を全て独力で達成したと過大評価する事を諫めるための話と捉え、時代の流れを読む事の大切さと自分一人の力で出来る事には限りがある事を自覚するため、及び機会を平等にする事の大切さへの教訓と捉えるべきだろう。
例として引用されているのが、ジェブ・ブッシュ氏で、お父さんとお兄さんが大統領のブッシュ家の人なのですが、自分自身を「たたきあげ」の男と自認しており、「僕は一生懸命に働いて成功を手に入れたのだし、そのことをとても誇りに思っている。後ろめたさも罪悪感もまったく感じない」とインタビューに語ったそうな。更には大統領の息子であることがビジネスチャンスに与える影響について聞かれたら「全体的に見れば不利だね。自分の出来ることが制限されてしまうから」と答えたとの事。
「それが当然」の世界でずっと暮らしていると自分が恵まれている事に気づかない事はあり得るのかもしれないけれども、人間、ここまで自分の努力を過大評価してしまうのかと恐ろしさも感じた。
勝間和代さんが後書きで、時代や周辺環境の影響を無視して全てを「自己責任」と切り捨てて、若者に機会を与えない事の不平等を指摘しているのが心に残った。
それと、1万時間の法則は
・毎日8時間ずつ訓練すると1250日で3.4年間
・毎日3時間ずつしか訓練できないとしたら実に9.1年間
が必要になる。通常ならば気の遠くなるような時間に思えるけれども、人生100年前提で考えると結構余裕がある事に気づく。80歳で引退するとして84歳で世界レベルに達し、残り16年間を世界水準レベルのエキスパートとして最前線で活躍しつづける事も可能かもしれない。もちろん、体や頭の健康に留意する事は必要だろうし、漫然と会社で同じ仕事を40年続けても「世界水準レベル」には達しないのだから、創意工夫と懸命な努力は必要になるとは思うのだけれども、長い人生もそんなに悪い事ではないのかもしれないな、と思えてくる。
3.天才!成功する人々の法則読書感想関連リンク
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