量子コンピューターの動作原理を理解する

入門/解説

1.量子コンピューターの動作原理を理解するまとめ

・専門家が素人に量子コンピューターを説明する動画をWiredが公開
・残念ながらそれでも難しく感じたので自分なりに解釈した説明を書いてみる
・量子の2つの性質をありのままに受け入れる事が概念理解の早道

2.量子コンピューターを理解するために必要な知識

Wiredが専門家が子供から研究者まで幅広い知識レベルの人に量子コンピューターを説明する動画を公開したとの事で、喜び勇んで見に行ってみた。

英語は字幕をONにすれば比較的どうにかなるが、普通にレベル2で落ちこぼれたので自分なりに量子コンピューターの動作原理をまとめてみた。

以下の2つの概念を「理解」ではなくそのままに「受け入れる」事が大切かと思う。

1)量子重ね合わせ
量子は回転するコインのようなもの。観測するまで表か裏かわからない。裏と表を同時に表現しているとも言える。

2)量子もつれ
量子は以心伝心のペアを作る事ができる。量子Aが表だと量子Bは必ず裏になる謎の結びつきを持つペア。AとBの距離は一切関係なく、片方の状態が決まるともう片方の状態が瞬時に決まるペア。

2)の量子もつれは大変イメージがしにくいけれども大丈夫。アインシュタインも「そんなわけなかろう。宇宙の果てと宇宙の果てにAとBを置いてもAの状態が決まるとBの状態が確定するなんてあり得ないでしょ、AからBに光より早く何か情報を伝達しているって事になるじゃん!光より早い物質なんて存在しないんだよ!」と言って論文まで書いたらしいので。

しかし後世の人が慎重に実験したら距離は本当に関係なくて「Aが決まるとBが決まる」という謎の関係が証明されてしまった。原理は説明できないのだけれども、とにかく証明されてしまって量子コンピュータと言う製品に応用までされつつある。貴方がその気になれば、1)と2)の概念を「量子ってそういうものなんだ」と丸飲みする事で、アインシュタインが超えられなかった壁を乗り越える事ができるのだ、これはお得だ。

さて、従来型コンピューターは「有る」か「無い」かだけを表現できる。イメージは指。指を立てると「有る」つまり1、指を伏せると「無い」つまり0。

指が3本あると

0 0 0
0 0 1
0 1 0
0 1 1
1 0 0
1 0 1
1 1 0
1 1 1

と8パターンを作れるので、0~7までの数を表現できる。

しかし、量子コンピューターは

量子 量子 量子

と3つの量子が存在するだけで、既にそれぞれが0と1の状態を持っている。わざわざ指を立てたり伏せたりして計算しなくても望みの状態である事を特定できれば、もう計算ができちゃっている事になる。

0と1両方の状態を同時に持つ事ができるなどと言う、わけのわからない量子の状態をどうやって効率的に特定するのか?そう、例の量子もつれだ、謎ペアだ。

量子の状態変異の特性や、量子もつれ、即ち謎ペアの片割れを観察すると瞬時にして量子ビットの状態が確定する事など、量子の不思議な性質を使って上手い事やってやると従来型コンピュータを圧倒する効率の良さで計算ができるのだ、原理的には。

ただ量子は中々状態が安定せずに思う通りに動いてくれなかったり、ちょっとした事が計算エラーに繋がったり、謎の特性を利用して複雑な計算ができるようにするためにはその上手な活用方法を考えなければいけなかったりと、まだまだ課題が多い。

3.量子コンピューターの動作原理を理解するまとめ

1)www.ibm.com
高速化の鍵は量子の「もつれ」や「重ね合わせ」ーー 量子コンピューターの原理を知る

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