1.AI、機械学習、データサイエンス、ディープラーニングの2021年の進展と2022年の予測リサーチ編(2/2)まとめ
・OpenAIのCLIPは文章と画像をつなぐ、とてもエキサイティングな可能性を提示した
・文章から画像を作成するテクノロジーはクリエイティブな人々に新しいツールを提供
・2022年は更にモデルが大きくなり新しいマルチモーダルモデルが出現するだろう
2.人工知能やマシンラーニング界隈の2020年の振り返りと2021年の予測
以下、www.kdnuggets.comより「AI, Analytics, Machine Learning, Data Science, Deep Learning Research Main Developments in 2021 and Key Trends for 2022」の意訳です。元記事の投稿は2021年12月、Matthew Mayoさんによる投稿です。
アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Tarryn Myburgh on Unsplash
(5)Gaurav Menghani:Google Researchのソフトウェア・エンジニア
1)持続可能なAI(Sustainable AI)
様々な分野でAIの必要性が高まるにつれ、その二酸化炭素排出量も増加します。この環境負荷を低減することが、サステナブルAIにとって重要になります。
2)説明可能なAI(Explainable AI)
なぜこのモデルはこのような予測をしたのか?モデルの行動の根拠を理解することで、AIがもたらす偏りを、公平性や倫理の観点から理解することができるようになります。
3)合成AI(Synthetic AI)
イギリスの菓子・飲料メーカーのキャドバリーは最近、中小企業のオーナーに、人気映画スターを使ってオーナー達の食料品店を宣伝する広告を作成する事が出来る広告キャンペーンを開始しました。
4)ノーコードAI/ローコードAI(No/Low Code AI)
MindsDBのような企業は、AIのトレーニングと予測をSQL経由で直接利用できるようにすることで、ユーザーに力を与え、AIと予測分析の力をスムーズに利用できるようにしています。
5)オンデバイスAI(On-Device AI)
シリコンチップが消費エネルギー単位で考えてより多くのパワーを提供するようになると、オンデバイスAIは、より速く、より応答性が高く、よりプライベートであるため、より魅力的に見え始めるでしょう。
6)ミッションクリティカルなAI(Mission Critical AI)
現在のAIは、0.1%の違いも重要になるミッションクリティカルなアプリケーション(例えば、医療における安全性/信頼性)には適さない可能性があります。
7)AIにおける規制(Regulation in AI)
既存の規制ではAIのニーズの拡大をカバーできないため、AIを利用する企業が重要な予防手段を見落とさないよう、追加の規制とガバナンスが必要になります。
(6)Ines Montani:ExplosionのCEOとFounder
2021年を通じて、この分野では多くの興味深い展開が見られましたが、私が最も注目したのは、誇大広告に基づく開発が着実に減少していることです。
人々は、自動運転車がすぐそこにあるわけではないこと、AIがCOVIDを治すわけではないこと、この新しいモデルが汎用人工知能の一歩手前ではないこと、GPT-3と大きな言語モデルが魔法のようにすべての実用問題を解決しないこと、さらには最新の論文に書かれている奇妙なトリックはおそらくあなたの製品に応用できる程には役立たないこと、をほとんど受け入れるようになったのです。
興奮と熱意はまだありますが、より地に足がついたものであり、この分野が成熟するのに十分な時間があったからこそのものです。また、2020年から2021年にかけてリモートワークが普及したことで、適切な人材が適切な職務に就くことができるようになり、物事が本当にうまくいくようになりました。2022年には、AIを奇妙な新種のエイリアンとして紹介するような文章はかなり少なくなっていると思います。AI開発は単なるソフトウェア開発であり、同じようなトレンドに沿ったものです。ほとんどが社内で行われます。開発よりもメンテナンスの方が大きな出費になります。ツールはほとんどオープンソースです。そして、プロジェクトごとに課題があり、特効薬はありません。
(7)Dipanjan Sarkar:Schaffhausen Institute of Technology Academy, Zurichのデータサイエンスリード、Machine LearningのGoogle Developer Expert、出版物著者、コンサルタント
昨年の私の予測に基づいてですが、2021年は、転移学習と特徴表現学習の分野で大きな進展があったことは間違いないでしょう。効果的なソリューションを構築するためのブレイクアウトツールとなるtransformersを中心に、テキスト、画像、音声、動画などの非構造化データを理解し、表現する手法が進化しました。
また、ローコードやAuto-MLツールを用いた機械学習トレーニングの自動化、説明可能なAIやMLOpsが引き続き台頭し、これらの分野でも多くの進歩が見られました。
2022年、マルチモーダルデータ問題の解決や新たなベンチマークの創出において、transformersのようなエンコーダーデコーダーモデルアーキテクチャが引き続き台頭してくると予想しています。また、生成的な深層転移学習の分野でもますます進歩し、GPT-3よりもさらに強力なモデルを用いて多様なタスクを解決するために、これらの事前学習済みモデルを微調整することが容易にできるようになるはずです。
また、生成に関する深層学習は、データ生成やコンテンツ作成といった新しい分野での活用という点でも注目されるでしょう。最後に、機械学習、データ中心型機械学習、MLOpsにおける自動化は、機械学習モデルの構築、導入、監視、保守をより迅速に行うための効率的なツールが作成され、今後も安定したペースで進むと思われます。
(8)Rosaria Silipo:KNIMEのデータサイエンス・エバンジェリズムの責任者
この1年はAIが製品化された年でした。データサイエンスに基づくソリューションに準拠し、展開し、監視するための新しいツールや新しいプロセスが生まれました。また、データサイエンスのライフサイクルのこの新しい分岐のおかげで、AIは今や主流の学問分野となりました。AIはもはやニッチな研究分野ではなく、データ分析組織はより多くの層がAIにアクセスできると主張しています。
マーケティングアナリスト、看護師、医師、CFO、会計士、機械エンジニア、監査専門家、および同様に専門化したプロフェッショナルプロファイルは、すべて異なる経歴を持ち、コーディングやAIアルゴリズムに関する知識も異なっています。
彼らはコーディング、ビッグデータ、またはAIというよくわからない専門領域外でデータソリューションを迅速に開発する必要があります。このような状況では、ローコードツールの使いやすさが、データサイエンス以外のプロフェッショナルが高度なAIソリューションを生み出す鍵となり得ます。
さらに個人的なことを言えば、この2022年には、データサイエンスの領域で女性やその他、代表的でない範疇の人たちの存在感が高まることを期待しています。
4.人工知能やマシンラーニング界隈の2020年の振り返りと2021年の予測(2/2)関連リンク
1)www.kdnuggets.com
AI, Analytics, Machine Learning, Data Science, Deep Learning Research Main Developments in 2021 and Key Trends for 2022
2)github.com
louisfb01 / best_AI_papers_2021