1.量子コンピューターをめぐる米中の競争まとめ
・Googleが先日発表した量子超越性の達成見込みにアリババが反論
・アリババはGoogleの試算よりエラー率が高くなるはずだと主張
・Googleはアリババの発表を尊重しつつも決定的な事と言えないと反論
2.中国のアリババが行った量子コンピューターの実験とは
先日、Googleが2つの論文で発表した量子超越性の実現見込みについて、中国のアリババがより大規模システムで検証実験を行い、Googleの予測よりエラー率が高くなるはずと指摘したとの事。
アリババの量子コンピュータの研究開始は2015年からと比較的遅いが、中国政府が強力にバックアップをし、中国科学院の協力や政府が新たに100億ドルの予算を投じて国営量子研究所を設立するなど、急速にレベルアップをしている。
EUも量子研究に110億ドルを投資する計画、トランプ政権も量子コンピューターを予算編成の目玉にする計画との事。量子コンピューターがいつ実現するかは未だにかなり意見が分かれ、Googleのように楽観的な予測もあれば、5年、10年、それ以上との予測もある。
従来はハードウェアの性能だけがあがってもソフトウェア(人間が知恵を絞って開発する必要がある)がその向上したた性能を使いこなせない傾向があった。人口知能は人間が枠組みさえ決めれば、後はデータとハードウェアを使って結果を出してくれるので、ハードウェアの性能の恩恵をダイレクトに受ける事になる。
シンギュラリティなんて起こるわけないじゃん!と言う気持ちはこのハードウェアの猛烈な進化と、理論的にはまだ良くわからないのだけど予想以上の成果が出ました!的な研究発表を読むと揺らいでくる。
量子コンピュータ+インターネット(ビッグデータ)+人工知能で人々の生活が根本的に代わるレベルの何かが起こる可能性は否定できない。その何かを象徴する言葉が「シンギュラリティ(技術的特異点)」なのだと理解している。
コメント