アナリティクスエンジニア:データチームに必要な新しい職種(2/2)

入門/解説

1.アナリティクスエンジニア:データチームに必要な新しい職種(2/2)まとめ

・アナリティクスエンジニアは従来の職種に比べて幅広く浅く統計解析とエンジニアリングの知識を持つ
・これにより既存の職種がその業務に集中する事を助け分析チームのアウトプットに乗数効果をもたらす
・現在はまだあまり注目されておらずその重要性が理解されていないが今後も益々重要度は高まる

2.アナリティクス エンジニアの役割

以下、www.kdnuggets.comより「The Analytics Engineer – new role in the data team」の意訳です。元記事は2019年2月、Michael Kaminskyさんによる投稿です。分析結果をより早く実務に展開する事が課題になりつつあるという事は2018年のデータサイエンス業界振り返りにもありましたが、データパイプラインに加えて、CIパイプラインなどのツールやコーディングの必要性が高まってくると広く浅く統計解析とエンジニアリングの両方の知識を持つ人の重要性が高まると言う事だと思います。

データサイエンスを取り巻く環境が変化した事で生まれたこのギャップは、アナリティクスエンジニア(Analytics Engineers)によって埋められるべきだと思います。

・性能と保守性を考慮した業務利用に耐える製品品質のELTコードを書く
・ソフトウェアエンジニアリングのベストプラクティスに関して、アナリストやデータサイエンティストにコーチ(テストケースやCI(訳注:Continuous Integration:継続的インテグレーション、成果物をスピード感を持って実践投入できるようにする仕組み)パイプラインの構築など)を行う
・データサイエンティストやアナリストがより効率的に作業できるようにソフトウェアツールを構築する(アナリストが使用するための内部用R関数またはPythonモジュールを作成するなど)
・基盤構築プロジェクトでデータエンジニアと共同作業する(アプリケーションのビジネス価値を強調して考慮して貰う)

アナリティクスエンジニアは多くの強みを持っていますが、全てを実行することはできません(そして実行すべきではありません)。

分析の方法論に携わる事はあるかもしれませんが、分析結果の伝達やビジネスパートナーの獲得は注力分野ではありません。アナリストは洞察を導き出し、より多くの人に伝えることを専門としていますが、アナリティクスエンジニアはそれをしない事がよくあります。

同様に、データサイエンティストは大学院で数学の学位と統計理論に関する深い知識を持っているかもしれませんが、分析エンジニアは一般的に理論的な正しさよりも実用的なコードを好むでしょう。

最後に、このような幅広いスキルを融合して持っている事により、分析エンジニアは一般的にあなたが見つけることができる最も優れたソフトウェアエンジニアではありません。彼らの強みと価値は彼らの多方面にわたるスキルと知識から来ています。

ですから、あなたはシステムエンジニアがネットワーキングとコンピューターサイエンスのアルゴリズムの両方に関して深い知識を持っている事を期待するかもしれませんが、アナリティクスエンジニアは、多くの場合、より表面的な、もしくは限定した知識を持っています。(そして、非常に技術的に困難なエンジニアリングの課題については、より多くのテクニカルエンジニアリングパートナーからのサポートが必要になります)

アナリティクスエンジニアの役割は、分析チームのアウトプットに乗数効果をもたらすことができます。手に負えないプログラムの肥大化に惑わされることなく、アナリストやデータサイエンティストが彼らの成果に集中する事を手助けすることによって、分析チームはもっとスリムになる事ができます。同様に、優秀なソフトウェアエンジニアがチームに加わっているため、分析チームは組織の技術部門からのリソースや支援を待つ必要がなくなります。

最後に、データチームが持つリソースを使用して、データ駆動型製品の構築に関して、他の技術部門とパートナーを組む準備が自然にできています。(Webプラットフォームに推薦システムを追加するなど)。チーム内にデータサイエンティストやアナリストしかいない場合は、そのような機能の開発上や運用上の制約にあまり精通していない可能性があるため、スムーズには進みません。

何人かの読者は、アナリティクスエンジニアは現実世界に存在しない、雇用する事が不可能な本当のユニコーンのように思えるかもしれません。私はそうは思いません。多くのチームが今日、必要なスキルと経験を持つ人々を既にチームに採用しています。多くの場合、この人物は、アナリストまたはデータサイエンティストとして訓練された後、ソフトウェアエンジニアリングに深く関わることを選択した人物のように見えます。

彼らはしばしば、新しいチームメンバーにgitの設定方法を教えたり、厄介な技術的な問題を抱えている業務を支援したり、MicroSoft Excelが使われているタスクを無くしたり、あるいは空き時間にMOOC(大規模公開オンライン講義)でソフトウェアエンジニアリングを学んでいる人です。

今日、世界中に驚くほど多くのアナリティクスエンジニアは存在しますが、現状の世界では、彼らは強みを理解されず、軽視されています。

私達は分析チームのリーダーとして、このスキルセットの重要性とこの役割の価値を認識することによって、1)このような業務に積極的に携わっている個人を認識し、2)これらのスキルを十分に活用、認識、および評価することができる組織内の適切な場所を見つけることを支援することによって、アナリティクス エンジニアの育成と開発に取り組みます。

アナリティクスエンジニアをアナリスト、データサイエンティスト、データエンジニアの役割とは異なる重要な仕事としての責任と肩書きを認めることが最初のステップであると私は信じています。

この役割と、分析チームをより効果的に機能させる方法についてのあなたの考えや意見をお聞きしたいと思います。 私にEメールを送るか、または私たちのSlackチャンネルに参加して共有してください。

著者のMichael Kaminskyは、物事を構築するチームを構築するのが好きです。どういうわけか数学があまり得意ではない統計オタクですが、コードを書くのが得意ではないソフトウェアエンジニアでもあります。

3.アナリティクスエンジニア:データチームに必要な新しい職種(2/2)関連リンク

1)www.kdnuggets.com
The Analytics Engineer – new role in the data team

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