1.TensorFlow Developer Summit2018で発表された3つのツールまとめ
・ブラウザでTensorFlowが動くTensorFlow.js
・転移学習に利用できるライブラリTensorFlow Hub
・大規模データでモデル評価可能なTensorFlow Model Analysis
2.TensorFlow Developer Summit2018で発表された新ツール
3月30日にTensorFlowの開発者向けイベントである第二回TensorFlow Developer Summitが開催された。発表されたツールの中では下記3つが目についた。
1)TensorFlow.js
TensorFlowをブラウザで動かす事が出来るTensorFlow.js。開発者はTensorFlowやKerasの学習済のモデルをTensorFlow.jsで使う事ができる。ユーザはソフトを改めてインストールする事は不要。単にWebページを開くだけでTensorFlow.jsを使ったWebアプリケーションを動かす事ができる。WebGLもサポートしているため、GPUが使える環境であれば自動的にGPUを使って実行速度をアップする。
スマホのブラウザ環境でも実行可能。スマホのカメラや傾きセンサーや加速センサーも利用できる。プライバシーを考慮し、ユーザのブラウザ内のデータはブラウザ内に留める設計。
TensorFlow.jsを使ったデモゲームは下記。
(1)スマホでアクセスする
(2)スタートすると左上に絵文字で探すべきアイテムが指示される
(3)指示されたアイテムをスマホカメラで映す
(4)人工知能がカメラに映ったアイテム認識しステージクリア
指示されるアイテムはズボン、野球帽、財布、スプーン、電球、スマホ、などなど身の回りのものだが非常に正確に認識している。
2)TensorFlow Hub
再利用可能なTensorFlow用のモジュールや学習済モデルを提供するライブラリ。TensorFlowの統一的なインタフェースから学習済のモデルを呼び出す事が出来て、学習済みモデルをtransfer learning(転移学習)に使ったりできる。
巨大データで学習済のモデルなので、
・自分が持っているデータが少なくても学習させる事が可
・過学習を避けて、より一般化されたモデルにする事が可
・学習時間を大きく短縮可
3)TensorFlow Model Analysis
TensorFlow Model Analysis(TFMA)は、TensorFlowとApache Beam(分散処理ツール)を 組み合わせた機械学習の品質評価ツール。
TFMAにより
・大規模な評価用データを使った計測
・視覚化、及び視覚結果を時系列にグラフ化
・モデルのパフォーマンス評価
などが実行可能に
4)その他
・TensorFlow for Swiftによりプログラミング言語Swiftから利用可能に
・TensorFlow LiteによりRaspberry Pi(安価な教育用ハード)で動作可能に
・ニューラルネットワーク以外のベイズ分析などの機械学習用API追加
・ゲノム解析用のツール(DeepVariant)と入出力ライブラリ(Nucleus)追加
3.TensorFlow Developer Summit2018で発表された3つのツール関連リンク
1)hub.packtpub.com
The 5 biggest announcements from TensorFlow Developer Summit 2018
2)medium.com
TensorFlow – Medium
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