機械学習を利用して今現在の天気予報を行う(1/3)

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1.機械学習を利用して今現在の天気予報を行う(1/3)まとめ

・従来の天気予報は大規模システムにより1~10日間の比較的遠い将来の天気が予報されてきた
・0~6時間程度の比較的近い未来の天気を予測するナウキャスティングという予報が増えた
・機械学習にレーダー画像を入力に与える事によりナウキャスティングを実現する研究が発表

2.ナウキャスティングとは?

以下、ai.googleblog.comより「Using Machine Learning to “Nowcast” Precipitation in High Resolution」の意訳です。元記事の投稿は2020年1月13日、Jason Hickeyさんによる投稿です。この技術、最終的にスマホで気象衛星からの画像を受信してリアルタイムで数時間後の自分の行き先の天気を予測したり、パーソナルアシスタントが出がけに傘を持ってないと警告してくれるような未来に繋がっていくのでしょうね。アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by morais on Unsplash。

天気は、日常的に個人の日常生活に深刻な影響を与える可能性があり、降水確率の精度は、その対処に大きく影響します。天気予報は、異なった通勤経路で職場に行くべきか、週末に予定しているピクニックのスケジュールを変更する必要があるか、嵐が近づいているために家から避難する必要があるかなど、様々な情報を人々に知らせることができます。ただし、局所的な嵐や、雷雨など、時間単位で刻々と変換する天気に関して正確な天気予報を行うことは特に困難です。

論文「Machine Learning for Precipitation Nowcasting from Radar Images」では、降水確率を予測する機械学習モデルに関する研究を発表します。この機械学習モデルは、あなたが今まさにこれから直面する天気を予測します。特定地域に特化した「物理演算を行わない」予測により、これを実現します。

機械学習の大きな利点は、既にトレーニングされたモデルを使った推論はそれほど沢山の計算をする必要がなく、レーダー画像を高解像度のまま入力データに使用してほぼ瞬時に予測が可能になると言う事です。

この「ナウキャスティング(訳注:原文はprecipitation nowcastingで直訳すると降水現在予報ですが、nowcastingと云う言葉が短期的な天気予報を表す単語して英語圏で市民権を得ているようで、将来的におそらくカタカナ英語として日本語に輸入される可能性が高いのでナウキャスティングで表記します)」は、非常に短期的な時間間隔(0から6時間程度)の天気を予測する事に焦点を当てており、データ収集時間を含めて合計5-10分の遅延で1km単位で予報を行う事が出来、開発の初期段階であっても、従来のモデルを上回る予報を生成できています。

従来の天気予報を超える
世界中の気象機関には、広範を監視できる施設があります。例えば、ドップラーレーダーはリアルタイムで降水量を測定し、気象衛星はマルチスペクトルイメージングを提供し、地上局は風と降水量などを直接測定します。

下の図は、米国本土の降水状況を表現したレーダーイメージと静止衛星によって撮像された雲量を比較したものです。これは、複数の気象情報が必要になる事を示唆しています。雨の存在は雲の存在に関連していますが、完全に相関しているわけではないため、衛星画像のみから降水量を推測することは困難です。


上図:静止衛星によって測定された雲の位置を示す画像
下図:ドップラーレーダーステーションで測定された雨の位置を示すレーダー画像
(画像クレジット:NOAA、NWS、NSSL)

残念ながら、世界のあらゆる場所でこれらの測定値が利用可能なわけではありません。たとえば、レーダーデータは主に地上局から取得されるため、一般に海上では利用できません。 さらに、データが収集できる範囲は地理的条件によって異なり、衛星データが良好に取得できてもレーダー情報が取得できない地域もあります。

そのよう状態であっても、非常に多くの異なる種類の非常に多くの観測データがあるため、予測システムは全てを組み込むために苦労しています。米国では、国立海洋大気庁(NOAA)によって収集されたリモートセンシングデータは、現在1日あたり100テラバイトに達しています。

NOAAはこのデータを使用して、スーパーコンピューターで実行される大規模な天気予報エンジンにデータを供給し、1~10日間のグローバルな天気予報を提供しています。

これらの天気予報エンジンは、過去半世紀にわたって開発されており、大気力学や熱放射、植生、湖や海洋の影響などの多数の効果を含む物理プロセスを直接シミュレートする数学的手法に基づいています。

しかしながら、利用可能な計算機資源が持つ制限により、数学的手法による天気予報は制限されています。例えば、計算を行う際の制限による、予測範囲は約5キロメートル四方単位に制限されますが、これは都市部や農地内で気象パターンを予測するためには粗すぎます。計算の実行にも数時間かかります。予測の計算に6時間かかるとしたら、1日あたり3~4回しか実行できず、6時間以上前のデータに基づいて予測が行われるため、現在何が起こっているかについての情報は制限されます。対照的に、ナウキャスティングは、交通手段の選択から物流、避難計画まで即時の意志決定が必要な場面で特に役立ちます。

3.機械学習を利用して今現在の天気予報を行う(1/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Using Machine Learning to “Nowcast” Precipitation in High Resolution

2)arxiv.org
Machine Learning for Precipitation Nowcasting from Radar Images

 

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