ハエの脳を自動でインタラクティブな3D画像に再構成する試み(2/2)

入門/解説

1.ハエの脳を自動でインタラクティブな3D画像に再構成する試み(2/2)まとめ

・NeuroglancerはWebGLをサポートするためWebブラウザを使って誰でも自由に操作できる
・ペタバイト規模のスケールを持つ3D情報の表示が可能でありオープンソースとして公開されている
・その他任意の軸で再スライスして断面を作成する事や、多重解像度メッシュなど高度な機能をサポート

2.Neuroglancerの特徴

以下、ai.googleblog.comより「An Interactive, Automated 3D Reconstruction of a Fly Brain」の意訳です。元記事は2019年8月5日、Peter H. LiさんとJeremy Maitin-Shepardさんによる投稿です。

Neuroglancerによるハエの脳のインタラクティブな可視化
数兆個の画素と複雑な形状のオブジェクトを含む3D画像を扱う場合、視覚化は不可欠ですが同時に困難な事でもあります。

私達は、新しい視覚化技術を開発してきたGoogleの歴史に触発され、スケーラブルで強力なだけでなく、WebGLをサポートし、Webブラウザを使って誰でもアクセスできる新しいツールを設計しました。これがNeuroglancerです。

Neuroglancerはペタバイト規模のスケールを持つ3D情報の表示を可能にするオープンソースプロジェクトです。任意の軸で再スライスして断面を作成する事や、多重解像度メッシュなどの多くの高度な機能をサポートしています。また、 Pythonとの統合によりカスタム分析ワークフローを開発する強力な機能も備えています。
このツールは、ハーバード大学アレン脳研究所、HHMI、マックスプランク研究所、MIT、プリンストン大学などの協力者によって頻繁に使用されるようになりました。


Neuroglancerのデモ動画。 インタラクティブバージョンは下部リンクから体験できます。

次のステップ
HHMIとケンブリッジ大学の共同研究者は、この再構築を使用して、ハエの脳の学習、記憶、および知覚の研究を加速し始めています。

ただし、コネクトームを確立するにはシナプスの識別が必要なため、上記の結果はまだ真のコネクトームではありません。私たちは、Janelia Research CampusのFlyEMチームと緊密に協力して、「FIB-SEM」テクノロジーで取得した画像を使用して、ハエの脳の高度に検証された網羅的なコネクトームを作成する研究を行っています。

謝辞
私達は、以下の皆さんの中心的な貢献に感謝します。Tim Blakely, Viren Jain, Michal Januszewski, Laramie Leavitt, Larry Lindsey, Mike Tyka (Google), 同様にAlex Bates, Davi Bock, Greg Jefferis, Feng Li, Mathew Nichols, Eric Perlman, Istvan Taisz, and Zhihao Zheng (Cambridge University, HHMI Janelia, Johns Hopkins University, and University of Vermont)

 

3.ハエの脳を自動でインタラクティブな3D画像に再構成する試み(2/2)関連リンク

1)ai.googleblog.com
An Interactive, Automated 3D Reconstruction of a Fly Brain

2)www.biorxiv.org
Automated Reconstruction of a Serial-Section EM Drosophila Brain with Flood-Filling Networks and Local Realignment(PDF)

3)elifesciences.org
Enhanced FIB-SEM systems for large-volume 3D imaging

4)github.com
google/neuroglancer

5)neuroglancer-demo.appspot.com
Neuroglancer Demo

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