GPT-2が自動生成したその他の文章(2/3)

入門/解説

1.GPT-2が自動生成したその他の文章(2/3)まとめ

・GPT-2が得意とする文章である指輪物語の二次創作と宿題
・指輪物語は物語内に出てくる固有名詞しか使っておらず物語としてほぼ成立している
・宿題の方はダラダラと要旨を掴みにくい文章だが0点にはしにくい文章

2.GPT-2が作った指輪物語の二次創作と宿題

実は、GPT-2が得意とする文章の一つとされる指輪物語の原作には会話が出来るユニコーンが出てきます。

子供の頃、ペガサス(羽のある馬)とユニコーン(角のある馬)では、空が飛べるので何とはなしにペガサスの方が優れていると思っていたのですが、指輪物語の中ではペガサス達を率いるリーダーとしてユニコーンが出てきて、驚いて強く印象に残っているシーンです。つまり、英語が喋れるユニコーンは人間には突飛な話に見えるかもしれませんが、GPT-2的には英語を話すユニコーンは指輪物語のコンテキストで捉える事が出来る、比較的慣れ親しんだ文章だったのではないかと思います。

1)指輪物語の二次創作

人間が最初に入力した文章
レゴラスとギムリは、彼らの武器を振り上げ恐ろしい雄たけびをあげてオークに向かって突き進みました。

GPT-2がそれを受けて作成した文章(試行回数は1回)
オーク達は耳が聞こえなくなるほどの雄たけびをあげて反撃をしてきました。戦い!戦い!そして戦い!エルロンドでさえも退却を余儀なくされました。「良い腕をしているな、ドワーフ!」と最初にオークに突撃したギムリは言いました。すぐに彼らの敵は血の海に沈み、ドワーフはその夜の最初の敵を倒しました。最大のオークのうちの2人がアラゴルンを打ち負かそうと試みるまで、戦いは何時間も続きました。彼らがようやく戦いを止めたとき、何マイルにもわたって死体が累々と重なり合っていました。

「私は何も得はしない」とアラゴルンは言いました「しかし、私は、この恐怖の日を決して忘れることはないと我と我が身の危険において誓います。私たちは誰も忘れないでしょう。 永遠に!」

「私はそれを決して忘れないでしょう」とギムリは叫びました。彼は戦いの真っ只中にいましたが、戦いには参加していませんでした。彼が運んだ負傷したオークのうちの1人は、無傷のまま生き残った唯一の生存者でした。「私たちが生きている限り、私たちは、悪の日と悪との戦いを記憶し続けるでしょう、わが友よ!」

「そうすれば、私たちが生きている限り、生き続けることができます」とレゴラスは付け加えました。「そして最後の敗北を忘れてしまったとしても、私たちは最初の大きな夜戦を忘れることはありません。」

「そうじゃな」とガンダルフは言いました、「しかし、我々全員がそれを中つ国(Middle-earth)での最後の戦い、そして新しい日の最初の大きな戦いとして記憶する事になるじゃろう」

アラゴルンは彼の剣を引き抜き、ファンゴルンの戦いに勝利しました。彼らが茂みの中を通り抜けると、朝の霧が一掃され、その日は夕暮れになりました。

2つの指輪は裂け谷(Rivendell)に返却されました。フロドとサムは彼らの部屋で一人で目を覚ましました。そしてフロドは彼の枕の上にメモを見つけ、それを開けて読みました:

指輪の力がいつもあなたと共にあり、その輝きが永遠でありますように。2つの指輪のうちどちらが本日受け入れられるかは定かではありませんが、あなたが私に頼み、私自身が選択したのです。フロド、あなたを残していく事を申し訳なく思っています。しかし私たちは終わりに非常に近いこと、そしてあなたは永遠に私たちと一緒にいることを知っています。この手紙を読んで安全に裂け谷に行くことができます。そうでなければ、私はあなたの代わりに指輪を受け入れます。万が一あなたが見つけたり、この手紙を敵に渡したりしたならば、彼らは指輪の強さを学ぶ事ができ、二つの指輪を決して壊わす事ができなくなるかもしれません!

上の文章内で、GPT-2が使っている人名や地名は全て指輪物語に実際に登場するものです。逆に言うと物語に出てこない固有名詞が使われていないのが驚きです。真っ先にオークに突撃したギムリが「実は戦いには参加していませんでした」とか、笑ってしまうような箇所もあるのですが、夢オチとしてほぼ成立していると思います。

2)宿題

人間が最初に入力した文章
本日の宿題として、南北戦争が起きた理由を説明してください。

GPT-2がそれを受けて作成した文章(試行回数は5回)

By Donny Ferguson

なぜ南北戦争が起こったのかを特定するのは簡単です。なぜなら、非常に多くの人々、本、そしてテレビや映画が、それが人種、経済または宗教と関係があると語っているからです。それが本質的に資本主義に代わる奴隷制の戦争、約1世紀続いた奴隷制の戦争であったという多くの合意があります。しかし、ほとんどの人は南北戦争について考える時にこの事を考えません。多くの人々は戦争を国家の権利だと考えています。そう考える事が間違っているわけではありませんが、南北戦争が国家の権利と連邦主義の間の対立であると言っていることは一種の誤解を招くようなものです。それではもう一度挑戦してみましょう。ゲティスバーグとアンティータム、ゲティスバーグとピーターズバーグ、フレデリックスバーグの戦場に多くの人々を駆り立てた奮い立たせたのはどのような考えですか?共和制と言うアメリカの考え – 限られた政府の概念 – は歴史の大部分を占めています。

1791年に、トーマスジェファーソンは言いました。「私達の憲法は道徳的で宗教的な人々のためだけに作られました。これは他のどの政府にとっても全く不十分です。」「創設者」は、基本的には州の権利にあまり関心がない宗教的な男性でした。南北戦争は、連邦政府が州からあまりにも多くの権力を奪っていたという考えに反応して発生しました。彼らは主権を持っていませんでした。良く知られているように、ジェファーソン自身は、いくつかの本当に狂った考えを持っていた独立宣言の作者です。えぇ、あなたも知っているように、様々な理由が連邦からの脱退に繋がりました。アメリカの州同士の戦争(後の大反乱)はアメリカの考えを根本的に再想像したものであり、驚くことではありませんでした。父と祖父の両方を引き継いでそれについて書いたジェファーソンの孫は大統領にちなんでトーマスと名付けられました。「連邦政府と州政府はどちらも、豊かで大規模な財産の恩恵のために考案されています。」創設者に対するこの見方は、今日の最も著名な政治家の何人かによって促進されてきました。著名な国内官庁を保有し、「連邦主義者」によってハイジャックされた共和党に直接出資する者を含みます。それで、南部と関係がある南北戦争を理解するための簡単な方法と南部に関係がない南北戦争を理解するための簡単な方法を非常に多くの人々が持っているのはなぜでしょうか?南軍の旗は長い間人種差別の象徴でしたが、南北戦争が始まって南北戦争が終わったとき、多くの人々が突然それを違った形で見始めました。心の変化がありました。南北戦争がなぜ真剣に起こったのかという疑問を人々に起こさせたのはその変化だと思います。

説明のもう1つの部分は、1人の学者が上手く説明していると私は思っていますが、多くの人はこの考えに同意していません。南部地域は産業革命に取り残されていたため、南部は、特に南部では、産業革命の最前線にいないと実感していました。

ダラダラと長く要領を得ない文章ですが、色々と頑張って調べてる感は出ているので、これを0点にする先生は少数派かもしれませんね。

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