機械学習を使って見落としやすい腫瘍の検出を支援(2/2)

AI

1.機械学習を使って見落としやすい腫瘍の検出を支援(2/2)まとめ

・システムは検出が特に難しいelusive polypsの見逃しを防ぎ誤検知も少ない
・ポリープが視野内にある時間が短くとも従来システムより数倍の感度を達成
・実証実験では消化器病専門医からのフィードバックも肯定的であった

2.臨床調査研究の結果

以下、ai.googleblog.comより「Improved Detection of Elusive Polyps via Machine Learning」の意訳です。元記事は2021年8月5日、Yossi MatiasさんとEhud Rivlinさんによる投稿です。

アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Sharosh Rajasekher on Unsplash

この新しいシステムには、2つの主な利点があります。1つ目は、システムが、消化器病専門医(GI:gastroenterologists)が検出するのが特に難しいポリープである、「とらえどころのないポリープ(elusive polyps)」の偽陰性数を減らすことによって、検出パフォーマンスを向上させることです。2番目の利点は、システムの偽陽性率が非常に低いことです。この低い偽陽性率により、これらのシステムが診療所で採用される可能性が高くなります。


MLシステムによって検出されたさまざまなポリープの例

3600の内視鏡検査手続き(8600万ビデオフレーム)でシステムをトレーニングし、1400手続き(3300万フレーム)でテストしました。すべての動画とメタデータは匿名化されていました。システムは、手続き毎に4.6回の誤検知でポリープの97%を検出(つまり、97%の感度が得られました)。これは、以前に公開された実験結果よりも大幅に改善されています。

誤検知をフォローアップレビューした結果、実際に有効なポリープ検出がいくつかあることが示されました。これは、システムが、検査を実行した内視鏡医およびデータに注釈を付けた人が見逃したポリープを検出できたことを示しています。これらのとらえどころのないポリープでのシステムのパフォーマンスは、システムが検査手続きを見たすべての人が最初に見逃した例を検出することを学習したという点で、その一般化可能性を示唆しています。

ポリープが視野内にある時間が5秒未満の前提でシステムパフォーマンスを評価しました。この前提ではGIがよりポリープを検出しにくくなり、モデルの感度が通常はるかに低くなります。この場合、システムは、以前の実験が達成した感度の約3倍の感度を達成しました。ポリープが視野に2秒未満存在した場合、その差はさらに顕著でした。システムは感度の4倍の改善を示しました。

どのニューラルネットワークアーキテクチャを使ってもシステムにあまり差がでない事にも着目してください。

RetinaNetとLSTM-SSDの2つのアーキテクチャを使用しました。 RetinaNetは、静止画像を使った物体検出で良く使われる手法です。(個々のフレームに連続して適用することでビデオでも使用できます)。一定の計算機資源が与えられた場合、さまざまなベンチマークでトップパフォーマーの1つであり、計算速度と精度のバランスが良い事で知られています。

LSTM-SSDは、真のビデオ物体検出アーキテクチャであり、ビデオの時間的特性(たとえば、時間的一貫性の検出、ブラーや高速モーションを処理する機能など)を明示的に描写できます。堅牢で計算が非常に軽量であることが知られているため、より安価なプロセッサで実行できます。

同等の結果は、はるかに重いFasterR-CNNアーキテクチャでも得られました。結果が異なるアーキテクチャ間で類似しているという事実は、利用可能なハードウェア仕様を満たすネットワークを選択できることを意味します。

肯定的な臨床調査研究結果

論文で報告された研究の一環として、エルサレムのShaare Zedek Medical Centerと共同で、100の手順について臨床検証を実施しました。このセンターでは、システムをリアルタイムで使用して位置情報システムを支援しました。 システムは、GIによって検出されたポリープを見逃すことなく、手順ごとに3.8の誤警報を発生させながら、手順ごとに平均1つのGIによって見逃されていたであろうポリープを検出するのに役立ちました。 GIからのフィードバックは一貫して肯定的でした。

ポリープの検出を改善するためのこのシステムの潜在的な有用性に勇気づけられており、この研究をさらに検証するために手術室の医師と協力することを楽しみにしています。

謝辞

この調査は、イスラエルのGoogle HealthとGoogle Researchのチームが、Verily Life Sciencesの支援を受けて、Shaare Zedek Medical Centerと共同で実施しました。Verilyは、Ehud Rivlinが率いるイスラエルに新しく設立されたセンターを介してこの研究を進めています。

この調査は、Danny Veikherman, Tomer Golany, Dan M. Livovsky, Amit Aides, Valentin Dashinsky, Nadav Rabani, David Ben Shimol, Yochai Blau, Liran Katzir, Ilan Shimshoni, Yun Liu, Ori Segol, Eran Goldin, Greg Corrado, Jesse Lachter, Yossi Matias, Ehud Rivlin, そしてDaniel Freedmanによって実施されました。

また、途中でアドバイスを提供し、システムのプロトタイプをテストしてくれたいくつかの機関やGIにも感謝の意を表します。Chen Barshai、Nia Stoykova、その他多くの人々を含め、このプロジェクトに協力してくれたすべてのチームメンバーと協力者に感謝します。

3.機械学習を使って見落としやすい腫瘍の検出を支援(2/2)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Improved Detection of Elusive Polyps via Machine Learning

2)www.giejournal.org
Detection of elusive polyps via a large-scale artificial intelligence system (with videos)

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