スマートフォンでウェアラブルデバイスに匹敵する視線追跡を実現(3/3)

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1.スマートフォンでウェアラブルデバイスに匹敵する視線追跡を実現(3/3)まとめ

・アイトラッカーは覚醒状態や健康状態を検出するためのツールとして使用可能
・精神的疲労感がある人とない人では視線の軌跡が大きく変わる事などを利用する
・ALS、脳卒中など言語能力と運動能力に困難を抱える方の補助ツールも実現可能

2.アイトラッカーで疲労を測定

以下、ai.googleblog.comより「Accelerating Eye Movement Research for Wellness and Accessibility」の意訳です。元記事は2021年5月10日、Nachiappan ValliappanさんとKai Kohlhoffさんによる投稿です。

アイキャッチ画像のクレジットはPhoto by Alex Iby on Unsplash

精神的疲労を測定するデジタルバイオマーカーとしての活用
視線検出は、覚醒状態と心身の健康を検出するための重要なツールとしても使う事が出来、医学、睡眠研究、および医療手術、航空安全などの失敗が許されない状況設定で広く研究されています。

ただし、既存の疲労テストは主観的であり、多くの場合時間がかかります。npj Digital Medicineに掲載された最近の論文では、スマートフォンによる視線追跡が精神的疲労感によって著しく損なわれ、倦怠感の発症と進行を追跡するために使用できることを示しました。

単純なモデルは、タスクを実行する参加者からのわずか数分の注視データを使用して、精神的疲労感を確実に予測します。

言語に依存しない物体追跡タスクと言語に依存する校正タスクを使用して、2つの異なる実験でこれらの調査結果を検証しました。以下に示すように、物体追跡タスクでは、参加者の視線は最初は物体が描く円形の軌跡をたどりますが、疲労感があると、視線は高いエラーと偏差を示します。

スマートフォンの普及を考えると、これらの結果は、スマートフォンベースの視線追跡が精神的疲労を確認するために想定利用者の規模を拡大可能なデジタルバイオマーカーとして提供できることを示唆しています。


精神的疲労感のない参加者(左)と精神的疲労感のある参加者(右)の視線の軌跡の例。円形の軌道をたどって物体を追跡します。

倦怠感スコアの度合い(真実の値)と「軌跡追跡タスクの実行時間」と「モデルによる予測」

健康だけでなく、スマートフォンによる視線追跡は、自閉症スペクトラム障害、失読症、脳震盪などの健康状態を選別または監視するためのデジタル表現を提供することもできます。これにより、特に医療サービスが容易に利用できない国々にとって、タイムリーで早期の介入が可能になる可能性があります。

多大な利益をもたらす可能性のあるもう1つの分野は、アクセシビリティです。ALS、閉じ込め症候群(LIS:Locked-In Syndrome)、脳卒中などの症状のある人は、言語能力と運動能力に障害があります。スマートフォンによる視線追跡は、最近発表されたアプリLook to Speakで最近実証されたように、相互作用に視線を使用することにより、日常のタスクを容易にする強力な方法を提供する可能性があります。

倫理的な配慮
注視を利用する際には、このようなテクノロジーの正しい使用に注意するなど、慎重に検討する必要があります。アプリケーションは、目前の特定のタスクについて、ユーザーから明示的な承認と十分なインフォームドコンセントを取得する必要があります。私達の研究実施時は、全てのデータは、ユーザーの明示的な承認と同意を得て、調査目的で収集されました。更に、ユーザーはいつでもオプトアウトしてデータの削除をリクエストすることができました。私達は、責任あるプライバシー保護の方法で、MLの公平性を確保し、人口動態全体での注視技術の精度と堅牢性を向上させるための更なる方法を引き続き研究しています。

結論
正確で手頃な価格の機械学習を利用したスマートフォンの視線追跡に関する調査結果は、さまざまな分野(神経科学、心理学、人間とコンピューターの相互作用など)にわたって眼球運動研究を桁違いの機微に拡大できる可能性を提供します。それらは、アクセシビリティのための視線ベースの相互作用、および健康とヘルスケアのためのスマートフォンベースの選別および監視ツールなど、社会的利益のための潜在的な新しいアプリケーションの提供を可能にします。

謝辞
本研究には、ソフトウェアエンジニア、研究者、および部門の枠を超えた貢献者からなる学際的なチームによる共同作業が含まれていました。チームメンバーのJunfeng He, Na Dai, Pingmei Xu, Venky Ramachandran、インターンのEthan Steinberg, Kantwon Rogers, Li Guo, Vincent Tseng、協力者のTanzeem Choudhury、UXRsの Mina Shojaeizadeh, Preeti Talwai, Ran Taoに感謝します。

また、このプロジェクトに貢献してくれたTomer Shekel、Gaurav Nemade、Reena Leeと、この一連の作業の開始と監督における技術的リーダーシップを発揮してくれたVidhya Navalpakkamにも感謝します。

3.スマートフォンでウェアラブルデバイスに匹敵する視線追跡を実現(3/3)関連リンク

1)ai.googleblog.com
Accelerating Eye Movement Research for Wellness and Accessibility

2)www.nature.com
Accelerating eye movement research via accurate and affordable smartphone eye tracking
Digital biomarker of mental fatigue

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