1.Core Web VitalsとPage Experienceに関するFAQのまとめ
・モバイルフレンドリーでもコアウェブ バイタル スコアがモバイルで低い事はある
・2021年5月以降コアWebバイタルは既存の検索信号とともにランキングに影響する
・現時点ではページ体験をランキング信号として使用するのはモバイル検索の予定
2.Core Web Vitalsに関する質問へのGoogleの回答(2020年12月時点)
以下、support.google.comより「Core Web Vitals & Page Experience FAQs」の意訳です。元記事の投稿は2020年12月3日、Cheney Tsaiさんによる投稿です。
AIもビッグデータも関係ない、Webサイトのユーザ体験を向上するための指標としてGoogleが発表したコアウェブバイタルに関するお話です。
アイキャッチ画像にはvitals的なイメージを中心に据えつつ、モバイル検索のみが対象と読んだ時の私の微妙な心境を表現してみました。クレジットはPhoto by Simon Hajducki on Unsplash
みなさん、こんにちは。Core Web VitalsとPage Experienceに関して最もよく寄せられる質問のいくつかをまとめました。
詳細については、下部のリンクより開発者向けドキュメントを参照してください。
・Web Vitals(web.dev)
・ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について(developers.google.com)
Q:コアウェブバイタルの指標とは何ですか?なぜそれらはユーザーに関連しているのですか?
A:コアウェブバイタルとはユーザー中心の指標であり、ウェブサイトのユーザー体験を理解、測定、改善するための重要なツールです。LCP(Largest Contentful Paint)は、ユーザーがコンテンツを見る速さを測定します。FID(First Input Delay)はボタンのタップやフォームへのデータ入力などのユーザー入力に対するサイトの応答性を測定します。CLS(Cumulative Layout Shift)は、ユーザーがページを読んだり操作したりしようとしているときに、ページの要素が移動する頻度を測定します。
Q:Googleは、全てのページがこれらのしきい値に達することを推奨していますか?メリットは何ですか?
A:私達は最適なユーザー体験を実現するための指針として、Webサイトでこれら3つのしきい値を全てのWebページで使用することをお勧めします。Core Web Vitalsのしきい値はページ毎のレベルで評価されるため、一部のページではこれらのしきい値を上回り、他のページでは下回っている事を目にするかもしれません。直接的なメリットは、サイトにアクセスするユーザーのエクスペリエンスが向上することです。しかし、長期的には、すべてのWebサイトでユーザー体験の基準としきい値クリアに向けて取り組むことが、健全なWebエコシステムを維持するために重要であると考えています。
Q:AMPページを作成すれば、推奨されるしきい値を満たしている事になりますか?
A:AMPページはしきい値を満たす可能性が高いです。AMPは、高品質でユーザー第一のページ体験を提供する事を目的としています。その初期の設計目標は、Core Web Vitalsが現在測定しているものと密接に一致しています。つまり、AMPを使用して構築されたサイトは、Web Vitalsのしきい値を簡単に満たすことができます。更に、AMPはメンテナンス停止を伴わずにリリース出来るため、サイト所有者は、コードベースを変更したり、追加のリソースに投資したりすることなく、ページのパフォーマンスを向上させることができます。サーバーの応答時間が遅い、画像が最適化されていないなど、ページがしきい値を満たさなくなる可能性があるAMPの制御外の問題があることに注意することが重要です。詳細については、blog.amp.devの記事「Create great page experiences with AMP」をご覧ください。
Q:AMPを使用せずにサイトが推奨しきい値を満たすことはできますか?
A:はい。web.dev/vitalsで提供されているガイダンスを見て、Core Web Vitalsに対してパフォーマンスを最適化する方法を確認できます。AMPを使用する利点は、これらのWeb開発のベストプラクティスを、追加の労力なしでフレームワークに組み込むことができることです。
Q:私のサイトがプログレッシブ ウェブ アプリの場合、推奨されるしきい値を満たしていますか?
A:プログレッシブウェブアプリ(PWA:Progressive Web App)の実装方法と実際のユーザーがページをどのように体験しているかに依存するため、必ずしもしきい値をクリアするとは限りません。Core Web Vitalsは、優れたPWAを届ける事を補完するものです。PWAであるかどうかに関係なく、全てのサイトが読み込み体験、双方向性、レイアウトの安定性に重点を置いている事が重要です。全てのPWAがCoreWebVitalsガイドラインに従うことをお勧めします。
Q:シングル ページ アプリケーションの場合、サイトは推奨されるしきい値を満たすことができますか?
A:Core Web Vitalsは、特定のWebページのユーザー体験を測定します。その体験をどのような技術や構成で提供するかは考慮していません。レイアウトのシフト(CLS)、入力の遅延(FID)、および最大コンテンツの描画(LCP)は、他のページ構成と同様にシングルページアプリケーションにも関連しています。構成が異なると、しきい値を満たすための条件が異なる可能性があります。どの構成を選択しても、重要なのは観察されるユーザー体験です。
Q:私のウェブサイトはモバイルフレンドリーですが、私のコアウェブ バイタル スコアはモバイルでは低いです。そんなことがあるものなのでしょうか?
A:ページ体験の信号は、ユーザーがWebページを操作した体験をどのように認識しているかの側面を測定します。Core Web Vitalsは、モバイルフレンドリーとともに、この1つの側面です。これらは重複することを意図したものではなく、ページエクスペリエンスの全体像を提供するための付加的なものです。
Q:LCP, CLS, FIDスコアを改善するにはどうすればよいですか?
A:web.dev/fast/で、Core Web Vitals指標をを改善する方法に関する推奨事項を見つけることができます。サイトの指標を改善するには、Web開発の知識が必要です。技術者以外のユーザーの場合は、Search Consoleヘルプセンターにいくつかの提案がありますが、専門家に連絡することを検討する必要があります。
Q:モバイル版とデスクトップ版のスコアの違いはなぜですか?
A:現段階では、ページ体験をランキングの信号として使用するのは、モバイル検索にのみ適用されでしょう。ただし、ツールを利用してエンドユーザをモニタリングしてCore Web Vitalsを測定している場合は、モバイルWebとデスクトップWebでスコアが異なる場合があります。サイトの作成に使用されるテクノロジーは類似している可能性がありますが、2つのバージョンの実際のユーザーには、デバイス、ビューポートサイズ、ネットワーク接続などの異なる制約があります。
Q:FIDがないセッションは「直帰した」セッションと見なすことができますか?
A:いいえ、FIDはスクロールを除外します。スクロール入力の存在しない正当なセッションが存在します。直帰率と放棄率は、あなたが利用しているアクセス解析ツールが定義している場合があり、コアウェブ バイタル指標の設計時には考慮されていません。
Q:Core Web Vitalsは、ユーザー層が古いデバイスを使用している、または低速のネットワークを使用している可能性があるサイトをどのように考慮しますか?
A:Core Web Vitalsは、Webサイトでのユーザー体験の品質を測定することを目的としています。
各サイトのユーザー数は異なり、一部のサイトには、古いデバイスを使用している、低速のネットワークを使用している、かなりの数のユーザーがいる場合があります。これは特定の地域に限定されません。このような場合、サイトはコンテンツを調整して、そのようなユーザーが引き続き優れたユーザー体験をし、理想的には、推奨されるCore Web Vitalsのしきい値を満たしていることを確認する必要があります。
Q:Core Web Vitalsはランキングに影響しますか?
2021年5月以降、コアWebバイタルは、モバイルフレンドリー、セーフブラウジング、HTTPSセキュリティなどの既存の検索信号とともに、ページ体験信号に含まれるようになります。これについて詳しくは、Search Centralのブログ投稿「Google 検索へのページ エクスペリエンスの導入時期」をご覧ください。
Q:Googleは 各ページが「ページ体験」と「(ユーザの利用環境が低速である事などの)使用状況」のどちらの影響を受けているのかをどのように判断してランキング信号としますか。
A:ページ体験は、ページのランク付けに使用される多くの信号の1つにすぎません。検索クエリの意図は依然として非常に強力な信号であるため、ページ体験が標準以下のページであっても、関連性の高い優れたコンテンツが含まれている場合は上位にランク付けされる可能性があることに注意してください。
Q:デスクトップとモバイルのランキングに違いはありますか?
A:現段階では、ページ体験をランキング信号として使用する事は、モバイル検索にのみ適用されるでしょう。
2022年6月更新)現在はPC版検索の際にもランキング要素として考慮されるようになっています。
Q:Core Web Vitalsのパフォーマンス指標に達しない場合、サイト所有者は検索流入に何が起こると予想できますか?
A:一般的な予測をするのは難しいです。 変更が有効になることを正式に発表する際に、将来さらに情報を共有する必要があるかもしれません。コンテンツ自体と、ユーザーが探している情報の種類との一致は、依然として非常に強力な信号であることに注意してください。
Q:Search ConsoleはCore Web Vitalsについてどのような情報を提供しますか?Search Consoleのエラーはどういう意味ですか?
A:Search Consoleでは、サイト所有者が潜在的なユーザー体験の問題を特定できるように、ChromeUXレポートデータを利用したCore Web Vitals Reportをリリースしました。その目的は、コア ウェブ バイタルレポートがサイトの各コア ウェブ バイタルの状態と一致し、サイト所有者がそれを視認できるようにする事です。様々なエラーの意味とその対処方法の詳細については、ヘルプセンターを参照してください。
Q:私のページは高速です。Search Console Core Web Vitalsレポートに警告が表示されるのはなぜでしょうか?
A:様々なデバイス、ネットワーク接続、地域、およびその他の要因が、特定のユーザーによるページの読み込み方法と体験に影響を与える可能性があります。一部のユーザーは、特定の条件で優れた体験をする事がきますが、これは他のユーザーの体験を示すものではない場合があります。Core Web Vitalsは、ユーザーの訪問全体を調べ、そのしきい値は、ユーザー全体の75パーセンタイルで評価されます。サーチコンソールのウェブに関する主な指標は、このデータのレポートに役立ちます。
「高速」の評価方法によっては、Core Web Vitalsが速度以上のものを検討していることを忘れないでください。例えば、累積レイアウトシフト(LCP)は、コンテンツの移動などのユーザーの煩わしさを表します。さらに、ユーザーをエミュレートしようとするシミュレーション環境のテストツールを使用する事は可能ですが、それらは実際のユーザーとは異なる場合があります。
Q:Lighthouseを見ると、エラーは出ていません。Search Consoleレポートにエラーが表示されるのはなぜですか?
A:Search Console Core Web Vitalsレポートは、CrUXレポートの実際の使用状況データ(「フィールドデータ」と呼ばれることもあります)に基づいて、ページのパフォーマンスを示します。一方、Lighthouseは、いわゆる「ラボデータ」に基づいてデータを表示します。ラボデータは、制御された環境で収集されるため、Webサイトの開発中にパフォーマンスの問題をデバッグするのに役立ちます。ただし、実際のボトルネックを捕捉できない場合があります。両方のレポートを使用してユーザーの体験を向上させることができますが、各レポートが提供する情報は異なります。
3.Core Web VitalsとPage Experienceに関するFAQの関連リンク
1)support.google.com
Core Web Vitals & Page Experience FAQs
2)web.dev
Web Vitals
3)developers.google.com
ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について
Google 検索へのページ エクスペリエンスの導入時期
4)blog.amp.dev
Create great page experiences with AMP
5)amp.dev
AMP Page Experience Guide