日本のホワイトカラーに対する自動化の影響

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1.日本のホワイトカラーに対する自動化の影響まとめ

・2017年にメガバンクが自動化でトータル3.2万人の人員削減をする事が話題に
・メガバンクは2019年4月の新卒採用も3割減らす計画と発表
・自動化とはAI、RPA、IT化などを含める幅広い概念だがホワイトカラーも人員削減の対象に

2.メガバンクの人員削減計画発表の推移

2017年10月の日経新聞
みずほフィナンシャルグループ(FG)が、今後10年程度をかけ全従業員の約3割を削減する方向で検討。1万9000人程度を軸に具体的な削減数を詰める。

三菱UFJフィナンシャルグループはデジタル化の活用で9500人相当の労働量の削減を検討。「約7%の人員カット」「 三菱東京UFJ銀行の店舗の最大2割程度の削減」

三井住友銀行は「4000人配置換え」を計画。

従来、「自動化による人員削減」とは「ブルーカラー」つまり、工場などで働いて青襟の作業服を着用している肉体労働の職が対象であった事が多かった。しかし、このメガバンクの「ホワイトカラー」つまり、オフィスで頭脳労働をする人たちを対象にした人員削減報道は日本企業に大きなインパクトを与えた。

この報道後、各所で「銀行のようにAIを導入して業務効率化が出来ないか?」と言う話を聞く事が増えた。直近の報道やプレスリリースでも

・NTT西日本
コールセンターなど60の業務で人工知能を試験的に導入し、将来的には数千人分の業務を置き換え予定

・損害保険ジャパン日本興亜
全国のコールセンターにAIを本格導入することを発表

・2018年4月に報道されたメガバンクの新卒採用
19年4月入社が2300人、18年4月入社の3192人から892人減
16年4月入社では計5000人前後を採用して、わずか3年で半分以下に削減
最も減らすのはみずほFGで、19年4月入社は700人と、前年の1365人から半減

などを目にしている。

アメリカではホワイトカラー削減の動きはもっとダイナミック。例えば、米ゴールドマン・サックスは、2000年に600人いた株式トレーダーは、2017年には2人だけで後は人工知能による自動売買プログラムが取引を行っているとの事。

ハリウッド映画「ウォール街」が公開されたのは1987年、マイケル・ダグラスが演じるゴードン・ゲッコーは「Greed is good.(強欲は善だ)」と言い放ち、金融業界を目指す野心的な若者のカリスマとなった。その23年後の2010年、続編として「ウォール・ストリート」が公開されてゴードン・ゲッコーは相変わらずの健在ぶりを示したが、こういった敏腕トレーダー達の手に汗握る駆け引きは既に昔話になってしまっているようだ。

日本でも、銀行員の活躍を描いたドラマ、「半沢直樹」が10年後には昔話になってしまうのかもしれない。

3.日本のホワイトカラーに対する自動化の影響関連リンク

1)courrier.jp
人工知能によって「銀行員が大量に失職する」というのは本当か?│田原総一朗「人工知能をゼロから学ぶ」

2)yomiuri.co.jp
3メガ銀、新卒採用3割減…低金利やIT化で

3)eiga.com
NY金融マンのあこがれ マイケル・ダグラス再び強欲投資家ゲッコーに

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