「AIが人間の仕事を奪う」は嘘なのか

入門/解説

1.「AIが人間の仕事を奪う」は嘘なのかまとめ

・AIを使った新しい産業、オルタナティブ・データ産業の将来性が期待されている
・AIによってなくなる職業もあるが増える職業もあるので悲観だけする必要はない
・しかし、個人のライフプランがAIによって難しい世界になりつつある事は間違いない

2.AIは人間の仕事を奪うのか増やすのか?

タイトルはnewsweekjapanの記事より引用。従来は量が膨大過ぎて活用できてなかった人工衛星の画像を人工知能で解析する事により、トウモロコシの育成状況を予測して先物取引に生かしたり、海賊船の隠れ家を見つけたり、とビッグデータ解析を仕事にする新しい企業が育ち始めていると言う。これらの企業はオルタナティブ・データ産業と言われ、2016年に市場規模は約2億ドル規模だった。そして2020年には市場規模が2倍以上になるとの予測もあるとの事。

少し脱線するが、オルタナティブ・データと聞いてビッグデータの代わりにまた新しい用語が出てきたな、と感じてしまった。文脈で判断する限りオルタナティブ・データ=「従来は存在しなかったデータ、もしくは有望な情報があると考えられていなかったデータ」を意味しているようだ。具体的にはスマホやIoTに搭載されている各種センサーや、オンライン動画、SNS情報、人工衛星画像など、つまり、ビッグデータの一種として考えて良さそう。

記事では、オルタナティブ・データ産業が発展する事により新しい職業も出現する。つまり、人工知能によってなくなる職業もあるが新たに出現する職業もあるのでむやみやたらに人工知能を恐れる必要はない、との主張。みやみやたらに人工知能の脅威を煽るより正直な記事と思うけど、私が考えるに問題点は3つ

1)新しく増える職業より消えてなくなる職業の方が絶対数が多い

ベストセラーになった「ロボットの脅威」ではこれを主張している。記事内では調査会社ガートナが「AIのせいで20年末までに180万人が失業する一方、230万の雇用が創出される」やコンサル会社デロイトが「自動化によって低レベルの雇用80万が失われた一方、新規の雇用が350万も生まれ、しかも新規分の平均年収は1万3000ドルも高かった」との調査結果を掲載しているが、「ロボットの脅威」の主張に説得力を感じる。

2)消えてなくなる職業から新しく出現する職業に転職するのは容易ではない

オルタナティブ・データ産業ではデータサイエンティストやマーケティングマネジャー、採用担当者などを積極的に雇用している、との事だけど、ハローワークの職業訓練で上記のような花形職業に未経験者が転職できるものであろうか?転職ができる出来ないは自己責任?政府の責任?

3)人生100年時代で年金制度が揺らぎつつある現状、2)が他人事ではない

特に、歳を取ってから2)の状況に追い込まれるのは相当キツイと思う。現時点では誰も回答を持っていない事であるとは思うが、誰かがきっとベーシックインカムを実現してくれると信じていれば大丈夫なのだろうか。

3.「AIが人間の仕事を奪う」は嘘なのか参考リンク

1)newsweekjapan
「AIが人間の仕事を奪う」は嘘だった

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